あなたとパートナーとの問題・・・もしかしたらジェンダーギャップが原因かもしれません
女性蔑視発言が原因でオリンピック組織委会長を辞任した森喜朗会長
「日本社会で女性の登用が進まないことに関して、女性側にも原因がないということはない」発言をした経済同友会の桜田代表幹事
など、世間はジェンダーギャップに関する話題で盛り上がっていますね。
個人的にもジェンダーギャップの解消は早急に必要だと思っているので。上記のような問題に様々な人が声をあげるのは、素晴らしいことだと思います。
ジェンダーギャップと一言で言っても、
・ 社会の中で(主に経済や政治の世界かと思いますが)女性の登用が進まないこと
・ 女性が家事、育児を主に担うケースが大半であること
・ 男性は経済的に家族を支えるために、長時間労働を余儀なくされていること
・ 男性の家事や育児参加が進まないこと
・「女らしさ」や「男らしさ」が尊重される風潮が依然存在すること
などなど、ジェンダーギャップに起因する問題は多岐に渡ります。
また、ジェンダーギャップに伴って発生する不快感や痛みは、人によって異なります。
ジェンダーギャップと、ジェンダーギャップに起因する思い込みについて、「なるほど!」と思ったことがあったので、シェアさせてください。
パートナーとの問題は、社会問題・・・らしい
noteに書くのは、気恥ずかしい気もしますが。
私とダンナの関係性は、近年限りなく低めで安定?しています。
ぶっちゃけると、「子供たちの父親として同居している状態」
パートナーに対して愛情を持ってコミュニケーションしているかというと、限りなくNoに近い。
父親業をまっとうに勤めていてくれれば、それでいい感じ。
現状に至った経緯は長いので、割愛しますが。
最近ネットなどで流行っている「妻が口をきいてくれません」の状況が驚くほど我が家の状況と似ているので、ご参考に。
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妻の気持ちが痛いほどわかる!
ダンナとの関係は、低め安定でよしとしていますが、
子供たちへの影響など考えると、ちょっとは改善してみようとも思うわけです。
なので、時々より良いファミリー運営や自分自身の内面に焦点を当てるなどの学びを、ここ数年継続しています。
そのような学びの中で出会った「次世代ファミリーコーチング」
https://familytc.co.jp/
お友達が主催しているのですが。(オンラインも対面もステキなコンテンツ満載です。)
以下のYouTubeを見ていたところ、
とっても気になった内容がありました。
ちょっとネタバレになりますが。
ダンナさんと社内結婚された奥様が、育児はワンオペ、思うようにキャリアアップできないとイライラもやもやを抱えているというお悩みに答える内容。
この悩みに対するアドバイスが
パートナーとの関係性の背後にあるものは、ジェンダーギャップであること。
夫婦の問題ではなく、社会の問題です!
だったのです。
え?夫婦の問題なんて個人の問題でしょ?と思っていたので、
そうなの?
実は「社会の問題」なのね!
・・・って、ちょっと待って!待って!
ひょっとして、私とダンナの問題の一部もこのジェンダーギャップが原因なんじゃないの?
じゃ、自分たちの責任だけじゃないじゃん。
と、めっちゃ気持ちが軽くなったのです。
ジェンダーギャップに起因する思い込み
我が家の場合
日本だけでなく、他の国々も含め、女性の社会での登用が進まず、ジェンダーギャップが問題になっているのは、客観的なデータを見ても、明らかです。
・・・という現状はあるのですが、
大変幸運なことに、
少なくとも私は、
自身が女性であること、また子供を育てる母親であることがキャリアアップの障害になったことはありません。
(いや、実際にはあったのかもしれないけど・・・私自身は認識していない。)
もちろん、素晴らしい環境に恵まれたことが1番の理由だと思います。
同僚、上司、両親を含めた家族、友人、近所の方たち。
その全ての協力があればこそ!の毎日ではありますが。
なので、「女性の登用が」的な問題には、あまり痛みを感じません。
私が痛みを感じる、もしくは手放せずに固執しているのは
「男性は稼げてなんぼ」的な価値観、もしくは思い込みです。
うちのダンナは外国人です。
外国人で
特別に専門的な知識もスキルもない、
日本語の読み書きができない
となると、
働ける環境は非常に限られます。
また、彼の収入のみで
子供2人を含めた一家4人が衣食住の不自由なく、
ある程度各自がやりたいことをやりつつ、
数年に一度は、彼の故郷に一家で里帰りする
みたいな生活は・・・100%無理です。
そのため、我が家は私が一家の大黒柱。
幸い、ダンナも私のキャリアに嫉妬したりは一切しないので。(給料が減る転職などは、猛烈に反対されるけど。)
好きなように好きなだけ働いています。(とはいえ、育児+仕事の大変さはもちろんあります。それなりに修羅場もくぐっているので。楽して生きている感覚ではないですよ。念のため。)
ただ、時々ふっと思うのです。
「この人は、大した稼ぎもないくせに、なぜこんなに偉そうに私に説教してくるのだろう?」
「この人は、自分の稼ぎでは到底変えないような高額な物を当たり前のように”今買いたいんだけど”とリクエストしてくるのだろう?」
「この人は、なぜ自分が稼ぎが少ないことを考慮して、もっと積極的に育児、家事をしないのだろう?」
大抵、イラっとしたり腹が立つことには「大して稼いでないくせに!」がセットでついてくる。
「男性が稼いでなんぼ」なんて、ただの思い込みです。しかも、戦後の高度成長期を経て形成されたジェンダーギャップに起因する一過性のもの。
「女性も男性と同じように社会で活躍できる」を理解しているし、実際に自分がやってる!
でも、「男性が稼いでなんぼ」が今に至っても手放せていない。
ああ・・・・
きっと私は心の底では、彼にもっと稼いで欲しい。と思っているんだなぁ。
というか
経済的に安定した家庭を維持するだけの稼ぎがないから、彼を尊敬できないんだなぁ。
改めて腑に落ちたわけです。
思い込みを手放すのは難しい・・・人は自分が愛されたようにしか愛せない
昨年、ダンナとの関係改善のために受講したパートナーシップについてのセッションで学んだのですが、
↑
諦めているわりには、いろいろ試している(笑)
人は自分が愛されたようにしか相手を愛せない
のだそう。
このことを実感するに至るまで、色々とワークをしたのですが、
私は両親から受けた愛情の定義として
「経済的に安定した家庭」があり。
これを重視しているのだと思います。
そして、この「経済的に安定した家庭」は主に父親によって保たれていました。
母ももちろん、パートなどで収入を得ていましたが、大黒柱として経済的に私たち家族を支えていたのは、父でした。
そのため、「経済的に安定した家庭」を維持するのが愛情。そして、「経済的に安定した家庭を維持する大黒柱は父親」という思い込みが捨てられないのだと思います。
なので、特に経済的な問題が発生すると「稼ぎの少ない夫」に腹が立つ。許せない。
もちろん、「男は稼いでなんぼ」みたいな価値観が普遍的なものでも何でもなく、正しくもないことは、十分理解しています。
例えば、江戸時代は大半の人々は農民で、男も女も関係なく、皆一緒に働いていたわけで。
そんな社会で「男は稼いでなんぼ」みたいな価値観が出来るわけない!
分かっていても、自分の中の思い込みを手放すのは・・・難しい。
自らが抱えている思い込みによって余計に苦しめられていることが辛いです。
ジェンダーギャップそのものだけでなく、
ジェンダーギャップに伴う思い込み。
これに苦しんでいらしゃる方、きっとたくさんいらっしゃるのでは?と思いました。
余談ですが
ダンナの母親は、仕事しつつ、家事。そしてワンマン横暴夫(義理父は若いころは相当横暴だったらしい)に従いながら、4人の子供を育て上げたスーパーマザー。
ダンナの姉上も責任ある仕事をしつつ(いわゆるキャリア女子)&病気療養夫の面倒をみつつ、2人の娘を育て上げた、これまたスーパーマザーです。
きっと人には言えないような苦難もたくさんあったのだと思いますが。義理母や義理姉に与えられた愛情が、ダンナの愛情の定義を形作っているわけです。
なので、恐らく彼の愛情の定義は、私にとってはたどり着けないほどの高いレベル。
仕事、育児、家事をこなしつつ、ダンナをたてる、もしくはケアを十分に行うのが妻の愛情
みたいな感じ
たまに義理母や義理姉のステキなエピソードを聞かされますが、
こういうの期待、要求されるわけ?
私には120%無理だから・・・というか目指す気も全くない・・・としか考えられないです。
お互いに悪意があるわけではない。
抱えている愛情の定義が違う、思い込みが違う。
しかも、愛情の定義や思い込みの一部はジェンダーギャップに起因する歪んだ思い込みである可能性が高い。
歪んだ思い込みのせいで、すれ違い、むやみにお互いを傷つけあっている。
悲しいなぁと思います。
社会はどんどん変化している
有り難い事にテクノロジーの進歩のお陰で、私たちの生活は日に日に便利になっています。また、社会のあり方や価値観もどんどん変わっています。
そして、社会の変化が緩やかになることは、今後恐らくないのではないでしょうか?
一昔前までは、自分が親になった際に、自らが子供時代に作り上げた、親から与えられた愛情の定義を持ち続けていても、あまり問題にならなかったのでは?
なぜなら、社会の変化は緩やかであり、
親が子育てしていた際の社会のあり方と、子供が成長して親になり子育てする社会のあり方にさほど違いはなかった。
であれば、ジェンダーギャップに伴って生まれた男女の役割分担や、ジェンダーギャップに起因する価値観や思い込みがあっても、親と同じような役割を担っていれば、まぁまぁ普通に幸せな日々を送れたのでは?パートナーと衝突する必要性がなかったのではないでしょうか?
ところが、現代社会はどんどん変化していきます。5年10年経てば、社会の在り方、価値観すべてが変わってしまう。
そのため、子供時代に親からの愛情を受けて形作った愛情の定義や思い込みは、自分が親となり子育てを開始する時期には社会の在り方や個人の考え方に適合しない可能性が十分ありえます。
辞任された森さんだって、ご自身が子供のころは「男は外で、女は家で」働くのが一般的だったのでしょう。そして、80年以上も生きていらっしゃるからこそ、全く異なる価値観の世代とも交流する必要があり、ふと口にした一言が大事になった・・・。
森さんを擁護する気持ちは1ミリもないですが。
自分を形作っている愛情の定義や思い込みが、
自分にとって本当に必要なものなのか?
相手に伝わるのものなのか?
何か社会的な問題に起因するものではないのか?
を折に触れて振り返り、理解する必要があるのではと思います。
私たちの人生は100年になるとも言われています。テクノロジーはどんどん進歩し、私たちは常に異なる価値観、思い込みを持つ世代とのコミュニケーションが必要になります。
だからこそ、ジェンダーギャップのような社会問題を早急に解決することは非常に重要だと考えます。
ジェンダーギャップが解消されれば、ジェンダーギャップに起因する歪んだ思い込みも自然になくなるためです。
また、社会的な問題の解消だけでなく、
私達1人1人が、ジェンダーギャップを原因とする思い込みを理解、共有することも必要だと思います。
パートナー、家族、友人、同僚など、自分が向き合う相手の愛情の定義や思い込み、価値観は何なのだろう?
自分自身が抱えているのは何なのだろう?
と、常に自らと相手に問いかけ、お互いに共有する。こうすることにより、相手の言動をより深く理解できるようになるはず。
ぜひ、あなたとパートナーとの問題が、社会的な問題なのでは?という視点で振り返ってみて下さい。
そして、機会があれば、あなたの愛情の定義や思い込みをあなたのパートナーや大切な人たちとシェアしてみてください。
もしかしたら、それらは個人的なものではなく、社会的な問題によって作られた歪んだ思い込みかもしれないから。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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