子どもの相対的貧困を考える。
チビの小学校入学準備で
私の頃と比べると
随分と変わったなぁ、と
思うことがあります。
体操着は私の頃は
校章のついた指定のものに
指定の体操着袋でしたが、
今は上下とも、また袋も
ある程度の色形がそろっていれば、OK。
給食につかうランチョンマットも
同様です。
100円ショップのものでいいの。
水着も同じ。
水着バックは保育園の頃からのじゃ
恥ずかしいかな、と思いましたが
指定は「ビニール袋」でした。
皆さん千差万別のものを
使っていて、
タオルも何も、指定がありません。
貧困家庭が増えていることもあって
考慮してくれているのかな、と思います。
授業で相対的貧困について
教えるので、
いろいろと調べていました。
相対的貧困というのは
絶対的貧困と対になって言われる用語です。
絶対的貧困が、
食料も水も十分に無く
飢えに苦しんでいたり
病院も無いような状況の
生命に危険を及ぼす貧困を指すのに対し、
相対的貧困は
その地域の文化的水準、生活水準と比べて
貧しい状態を言います。
基準としては
1年間の手取り収入の
中央値の半分以下で生活している人たちで、
2人世帯であれば、約170万円です。
日本は、この「相対的貧困」が
子どもに特に多いのです。
7人に1人ということは
30人のクラスで4人に1人です。
すごい数ですね。
話を戻しますが、
年収170万円以下というと
1カ月14万円以下。
以下、こちらのサイトからの
要約です。
The Challenges 子どもの貧困とは - YouTube
総務省の統計だと
母子家庭であれば
1カ月の支出はこの通り。
これを計算しますと、
2万円しか、残らないわけです。
しかも!
家賃・光熱費で約4万円って!!
この辺りであれは1Kでも家賃は
4万円以上しますよ!
要約終わり。
子育ての先輩の姉2人によると
子どもの貧困というのは
外からは分からないそうです。
昭和の時代の貧困であれば
服が汚くて、顔も薄汚れて…というような
状態であったのでしょうが、
今は服飾に関しては
中古のものも揃っていて
誰だってある程度、こぎれいに見えます。
だけど、こんな話を聞きました。
給食がない夏休みなどの長期休暇中は
食事が満足に摂れず痩せてしまう。
中学ではジャージで過ごしていたけど
制服は小さくなって着られない。
新しく買うお金がないから
制服指定の卒業式に出席できない。
卒業アルバムが買えない。
ごく普通に、そういった困っている方々が
いるそうです。
まだチビが保育園児のとき、
用があって区役所に行ったら
あるママ友に会いました。
「コロナでダンナの仕事が
なくなっちゃってね、
もらえるお金がないか
相談に来たの。
小学校に入ると学童保育に
毎月8千円くらいかかるでしょう?
給食費も高いよね。
やっていけるか心配……」
ごく普通の家庭のママです。
今は特にコロナ禍で
貧困家庭は増えているのでしょう。
全くもって、ひとごとじゃありません。
貧困問題って
1代で終わりじゃ、ないんですね。
このループを、繰り返してしまいます。
子どもを学校に行かせてみて
分かりましたが、
子どもの勉強は学校だけじゃダメですね。
小学校でさえ全くの
ゼロレベルからではついていけないように
出来ています。
例えば家で学習ドリルなど
「勉強」らしいものをやらなかったとしても、
家庭で本を読む習慣や、
音楽やスポーツなど
文化的なものに触れていないと
スタートラインから、難しいです。
更に、これは持論ですが、
公立の学校の勉強だけでは
全然足りません。
4月に入学したチビは
6月の今、学校でまだ
ひらがなをやっていて
カタカナに入っていません。
このスピードでは
社会にあふれる様々なことばに
看板、新聞等で触れても
全くもって面白くない。
勤務校の中国人留学生は
この3年くらいで変わりました。
昔は日本に出稼ぎに
来ている学生ばかりでした。
「趣味は?」
「ありません」
「お休みの日は何をしますか?」
「寝ます」
こういった文化的な教育を
十分に受けていない貧しい学生たちは、
心の支えとなるものが無く
アルバイトで疲れてすぐにけんかし
嫌なことに心の中でフォーカスし続けて
人生を諦めたような
全てのものに怒っているような
そんな顔をしていました。
すぐに教師に突っかかってきてね。
怒鳴って。教室を勝手に出て行って。
ゴミは置きっぱなし。
ジュースを床にこぼしても、拭かない。
最近の同国の学生たちは
学力レベルで言えば
以前の学生たちよりずっと
落ちているんですね。
コロナ禍中の入学ですから
そもそも競争率が低いのです。
彼たちは
髪を紫にしたり
爪をキラキラにして、
ヴィトンのバッグを持って
学費を親に払ってもらって
アルバイトもしません。
「先生、これ私が作ったヨ」と
見せてくれるのは、
立派なぬいぐるみ。
料理に、ビリヤードに、将棋、ギター。
趣味がいっぱいです。
勉強をしない学生のところに行って
「楽しい勉強!しましょうか」
というと、
昔の学生は
「うっせーよ!
俺のところに来んな!!」なんて
怒ったり、
完全無視したりしていましたが、
今の学生は
にっこり笑ってうなずくか、
「は~い!」なんて
茶目っ気たっぷりに言います。
やらないけどね😅
経済的な余裕は文化的にも
人を豊かにし、
そういった趣味などの
文化的な背景にも支えられて
人の心は穏やかになり、
他人に優しくできる。
たった数年で変貌した
彼らを見ていると
経済面での余裕が如何に大切か
思い知らされます。
相対的貧困に陥っている
日本の子どもたちは
教育面で後れを取りますが、
文化的なものに触れる機会も
制限されてしまう事実があります。
文化的な心の支えも
じゅうぶんに出来ないまま
成長したら、
あの時代の留学生みたいに
疲れて尖った大人が出来てしまうのかも
しれません。
私に何ができるかな。
ロクにお金にならない能力ばかり
持っていると思っています。
例えば私はチビに
ピアノを教えているので
子どもにピアノが教えられます。
0レベルから初級程度ならね。
歌もOK。
折り紙はチビがずっと好きだから
けっこうやるようになりました。
将棋も覚え途中です。
編み物も出来るよ。
美術なら知識はオタクの域です。
植物を育てるのも、好きですね。
こんな何の腹の足しにならないような
邪険にされそうな能力も
何かの役に、立つかもしれない。