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案ずるより産むが易し〜人間失格の子は、人間失格にならない〜

恥の多い生涯を送って来ました。
「人間失格」太宰治

自分には、人間の運動神経というものが
備わっていなかったのです。

男きょうだいのいない
三姉妹の末っ子として
生まれましたので、
公園へ家族と遊びに行くことは、
よほど大きくなってからでした。

周囲の人たちに連れ出されなければ
畳半畳ほどの広さにじっとして
ぬいぐるみを使って何時間でも
遊んでいられる子だったのです。


生来の運動神経の悪さに加えて
運動をしない習慣というのも
手伝いまして、
縄跳びの二重跳びが出来たことは
生まれてこのかた一度もありませんでした。


逆上がりに至っては
自分の練習する姿を
よほど哀れに思ったのか、
小学校の先生に
もう貴女は練習しないでいい、と
言われる有り様でした。


体力テストの砲丸投げでは
砲丸(ボール)が最低ラインまで
届かずに、
何度も測定不可となりました。


今となっては割合と
遠くまでボールや小石や雪玉を
投げることが出来るのですが。


小学生の頃は
スイミングを習っており
50mほどは泳げるようになりましたが、

大人になってプールに行ったら
少しも泳げないどころか
まず、身体が浮かないので
唖然としました。



体育の時間にテニスをやっていて
何故かボールではなく
ラケットの飛んで行ってしまう
自分のことを、
高校の体育教師は
お前なんか人間じゃない、と
怒鳴りました。


大学の体育教師には
個人的に呼び出され、
足に障害があるのか?と
心配されました。


そんな感じでしたので
一部の同窓生には
中学、高校と笑われ、
蔑まれ続けて生きて来ました。


自分は学問というものは
多少は出来なくはなかったのですが、
運動がこんな状態なので
かなり滑稽で恥ずかしい人間に
見えたのでしょう。



ですから例えテストで
良い点を取ったとしても、
自分はあれほど体育の時間に
ミゼラブルな人なので
決して頭が良いのではなく
のろまで馬鹿に違いないから
不恰好に長い時間を使って
勉強した結果に違いない、と
思われているようでした。

はい。


ここで文体を戻しますね。

体育教師の
「お前なんか人間じゃない」
のことばから、
「人間失格」の書き方を
真似てみたつもりだったのですが、
月とすっぽんでした😅
上手く出来ませんわ。


辛くなって来たので
諦めます。


とにかく
私は類い稀なる
運動音痴でした。


そのために青春時代は
笑われ、馬鹿にされ続けて
生きてきました。


それで、
子どもを授かったときに
一番思ったのが

「私に似てしまったら
 どうしよう‼︎」

という不安でした。



運動神経が人並みに無いことが
似てしまったら
笑われ、蔑まれてしまうのではないか、
という不安。



主人もトレイルランニングを
やっていても
元はあまり運動神経が 
良い方ではないので、
その不安は勝手に私の中で
ぐるぐる大きくなり
悩んでばかりいました。


そこで、
チビには外遊びをとにかく重視して
遊ばせるようにはしていたのですが、
やはり不安で仕方がない私。


4歳になったばかりの頃
チビのストライダーに
ペダルをつけてみたら、


あれ???


なんと、20分ほどで
補助輪なしで自転車に
乗れるようになりました。


4歳0ヶ月で‼︎


おや?
本当に私たちの子?


とは言え運動にトラウマがありすぎて
易々とは認められない私。


自転車だけが得意なのかも?

と思っていました。


ある日の保護者会で
先生がいいました。

「Kくんはリレーでも
 走るのが速いですね」

はい?

ウチの子、走るの
速いんですか?


私は毎回
クラスでビリか
ビリから数番目、だったのですが?


どうも疑わしい...。


チビはジャングルジムを怖がるし...。


ある時、水泳教室で
チビがビート板なしに
すいすい泳いでいることを知りました。


「えっ???Kくん
 もう一人で泳げるの?」

「おかあさん、もうずっとまえから
 ひとりでおよいでるよ‼︎」

「えっ?ビート板外してすぐに
 泳げたの???」

「あたりまえだよ‼︎」

「ぶくぶく〜って身体が
 (私みたいに)沈まなかったの???」

「そんなこ、いないよ‼︎」

......この子、誰の子?
まさか病院で取り違えた???


でもなぁ、顔は私に
似ているし...う〜ん。


今日、
スケートリンクにチビを
連れて行きました。


アイススケート、
私は子どもの頃は
ひたすら手すり掃除だったのですが、

なななんと‼︎


チビはリンクに立った瞬間から
ダンナに手を引かれて
手すりを触らずに滑ってる!


驚愕‼︎


更に!


しばらくして見たら、ひょえ〜‼︎


一人で滑ってる‼︎‼︎軽々と‼︎


ぎゃーん‼︎


開いた口が塞がりません。


良かったよ〜😭


まだ分かりませんが、
私と比べてだいぶ
運動神経があるようです。
少なくともその点では
私のようには悩まないで
済みそうです。


まさに、
案ずるより産むが易し、ですね。


私に似てしまったら
どうしよう、なんて
子どもが赤ちゃんの頃からイジイジと
悩む必要なんて
ないのかもしれませんね。


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みおいち@着物で日本語教師のワーママ
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