よかった、とは言えない
先日、奄美大島で、特定外来生物のマングースを根絶できたと、環境省が宣言した。
奄美大島のような大きな島で、定着後の外来種を排除することは極めて難しい。
世界的にも前例がない、意義ある成果だそうだ。
よいニュース、だろうか。
複雑でやりきれない気持ちになる。
マングースは毒蛇ハブなどの対策として放たれた。
結果、アマミノクロウサギなど、島固有の希少種が激減してしまった。
ある程度の体の大きさがある生物は、増減に気が付くだろう。
人間が把握している生物は、ほんの一部である。
昆虫類の新種が次々と発見されていることからも、明らかだ。
存在を知られないまま、どれだけ多くの生物たちが、こっそりと地球から姿を消しているのだろうか。
人間の都合や行動により、生態系が崩れている。
自然界は命あるものでできている。
命はコントロールはできない。しようとしてはいけない。
マングースにとっても、悲劇だったわけだ。
いなくなるまで殺したのだという現実を、もっと重く受け止めるべきではないか。
特定外来生物に指定された生物は、捕獲の方法も、その後の処分のされ方も、目を塞ぎたくなるものだ。
申し訳なさの混じる憤りがこみ上げる。
この気持ちを、持ち続けていたいと思う。
2024.9.6
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