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下書きだらけ

あれこれ書いては消して、下書きに入れて、を繰り返していると、つくづく、わたしは表現するのが苦手だと思う。

なんだか、恥ずかしくないですか、思っていること書き連ねるのって。

さっきは、自分が大学生のころにモテるために何をしていたか、という記事を書こうとしましたが、下書きに入れてしまいました。自分がひどくいやらしい人間になったような気持ちがしてしまいます。

男性ホルモンの量を増やすために、数ヶ月、ジムでサラダチキンをかじり続ける男になった。雨の日も、風の日も、かじった。半年くらいサラダチキンをかじり続ける男をやったが、最後の方はジムにも行かず、家でサラダチキンをかじるようになった。やがてジムの年会費だけを払い続ける男になり、ばかばかしくなってやめた。(下書きより)

これは、モテたいがために、男性ホルモンを増やそうとし、ジムでサラダチキンをかじる男になったときの話です。
こうやって、過去の出来事を面白おかしく書いていると、過去の自分に対して、なんだか申し訳ないような気持ちになってきます。きっと、当時の自分も、サラダチキンをかじりながら、自分の滑稽さに気が付きついていたのだと思います。人生には、滑稽に過ごさなければ、とてもやっていけないときがあります。


ほかの下書きも、ちょっとみてみましょうか。


今日はふまじめな禁酒家の、飲み会での酒の飲み方についてご紹介したいと思います。 

 ①禁酒していることを宣言する
飲み会が始まるや否や、禁酒していることをみなに打ち明けます。
一部の人がお酒を進めてきますが、ここでは沈黙を守ることにします。 

②「今日は特別に飲んじゃおうかな」
飲み会が盛り上がってきたところで、「今日は楽しいから1杯だけ飲んじゃおうかな」と言いながら、ウイスキーを頼みます。
この場の特別感を演出します。
一口目を飲んだ後、「あぁ、んめぇ〜」というと、場が盛り上がります。
  
③あとは酩酊です


だいぶ前に書いたので、わたしにもよくわかりませんが、ひどいピエロ野郎です。

わたしはもうしばらく酒を飲んでいないのですが、こんな馬鹿馬鹿しいポオズを取るために禁酒しているわけではありません。わたしは仮にも研究者の卵ですから、自分の頭脳は商売道具です。自分の商売道具を麻痺させてまで飲もうとはつゆほども思わないのです。わたくしは、高尚な禁酒家なのでございます。


恥ずかしいと思わないのか、きみたち。世界には、今日食べるものすらなくて困っている人すらいるんだぞ。それを尻目に、きみたちは、ディズニーランドなんか行ったり、バレンタインデーを楽しんだり、しているのである。ニイチェ曰く、神は死んだ。なのに、君たちは、誕生日にデートなんかしているのである。幸福だけの幸福は、パンばかりのようなものである、と、ユーゴーも言っているのだ。デートをやめ、勉学に勤しみたまえ、きみたち。

これは、僻みですね。おもしろおかしく書いて戯画化されてはいるものの、根底にある僻みが透けて見えています。卑しいやろうです。
誰に対して呼びかけているのか、今となっては思い出せないのですが、きっと、くやしいことがあった夜に、酔っぱらって書いたものに違いありません。
公開しなくてよかったと思います。

こうして、ボツになった下書きを眺めていくと、書いているうちに恥ずかしくなってしまったものばかりです。
だけれど、ときどき、こうして自意識に閉じこもった下書きたちを外の世界に出してあげたい気持ちになるのです。



写真:今日ひとりでふらふら行った横浜

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