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【社員インタビュー】「結果を出す快感」を知っている集団

「みんなのデザイン進化論」の取り組みを立ち上げたレベルフォーデザイン(L4D)の社員へのインタビューをおこなう本連載。なぜ、デザインの道に進むことになったのか、L4Dに入社した動機やL4Dでの経験を経て「デザインの価値」をどのように感じているのか。ぶっちゃけて話していただきます。今回は安土潤一郎さん。「じゅんさん」の愛称で親しまれているグループリーダーです。しかし、その温厚な外見からは見えない、デザインやL4Dへの熱い想いを語ってくださいました(聞き手:酒井 章)


まず、安土さんがデザインに興味を持ったきっかけについてお話いただけますか?

小学生の時に自分で漫画を描いて学校で友達に配ることなどをしていました。それが講じて絵を描くことが好きになって、賞を頂いたり県の美術館に飾られたりしました。
それと、うちの親父も叔父も絵が上手くて。そういった影響もあったと思います。


お父様は美術に関する仕事をされていたんですか?

いえいえ。公務員で田舎の郵便局員だったんですが、写実的なタッチでデッサン画をササっと描けてしまう人でした。姉も含めて家族中が絵を描けるような環境でした。なので、私も見よう見まねで描いて、だんだん好きになっていった、という感じです。

カルチャー雑誌なども家の中にたくさんあって、デザインやクリエイティブという言葉の響きがカッコよく感じたんだと思います。で、高校の時に興味のある世界に行くにはどうやら美大にいかないとダメらしいということに気が付いて、慌てて本格的にデッサンを習い始めて、運良く美術系の大学に進みました。


どちらの大学に?

東京工芸大学のデザイン学科です。そこの8期生でした。


なぜデザイン学科を選んだんですか?

なんかこうスタリッシュなカッコいいことをしたいなという気持ちで(笑)全く芯がないんですが、デザイン学科を選びました。ただ、何となく広告というものがすごく面白いなと思っていたのと、単純にデザイナーって華やかに見えたこともありました。


大学では、どのようにデザインを学びましたか?

課題に取り組んだり新聞の広告賞などに応募したりしていました。ただ、デザインよりも、音楽に夢中になってしまって。音楽好きの仲間とつるんで若干学業が疎かでしたね。


楽器も弾かれるんですよね?

ブルースバンドでギターやボーカル、あとディキシーランドジャズスタイルのバンジョーもやっていました。バンジョーはいまも趣味として時々弾いています。


大学に話を戻すと、卒業制作では何を作りましたか?

卒業制作はB倍(B0)2枚を貼り合わせたポスターを制作しました。60年代に流行したサイケデリックブームの時のポスターやレコードジャケットが好きで、それを再現しようと思いました。たとえばビートルズのリボルバーとか、ジェスロタルというバンドのレコードジャケットなどを見て覚えた細密画をペンで描きました。サイケアートが影響を受けたアールヌーボーやアールデコ調の額縁も手書きで再現しましたね。


大学を卒業した後は、どういうキャリアでしたか?

在学中に遊びほうけていたせいでなかなか就職が決まらなかったんですが、運良く採用してくださった会社に就職しました。新橋にあるダイレクトレスポンスマーケティングを主軸にした広告制作会社です。もともと写植でやっていたのですが、いち早くMACを導入していました。


その会社では、どのような仕事をしていましたか?

最初はセールスプロモーション関連の、折り込みチラシや広告のデザインをしていました。会社の代表がダイレクトレスポンスをすごく研究されていて、AIDMA理論を自分なりに研究して独自の認知訴求理論に発展させていました。その理論をデザインに落とし込んでいました。


大学でデザインを勉強して社会に出て、デザインに対する考え方や向き合い方に変化はありましたか?

それはもう大きく変わりました。学生と時とは違って厳しい世界で。

そのときの師匠にあたる直属のチーフクリエイティブディレクターの仕事に対するスタンスが「仕事は全部断らない」でした。とにかく成果に厳しい人だったので、ひとつの案件が終わってもすぐに次の仕事かよ〜って感じだったんです(笑)。

でも今だからこそ思いますが、仕事の上での粘り強さみたいなものを本当に教えてもらいました。最後までやり遂げるみたいなところはL4Dでも活かせているなと思っています。


当時、印象に残った仕事は何ですか?

ベタですけれど通販関連ですね。サプリメントなどの単品通販広告で、その媒体への折り込みチラシ・DM・LPなどです。この後のブランディングの話にも繋がるのですが、代表がよく話されていたことがありました。

たとえば「有名なタレントが出るような広告は確かに華やかだけれども、クライアントの売り上げに繋げられないクリエイティブだったら意味がない」。それがダイレクトレスポンス広告を主軸にしていた理由でもあったと思うのですが、イメージ先行型の広告でも鮮度が落ちてしまうと結局記憶に残らないものもが意外とすごく多いですよね。本来はその企業のブランディングとしてちゃんと機能して売り上げに繋がってこそ意味があるのではないか、クオリティの高いビジュアルで感性に訴えると共にロジカルな言葉で理性に訴えかけるような、右脳と左脳の両方に訴えかける広告づくりが大事だということを(代表は)唱えていらっしゃいました。

当時のダイレクトレスポンス広告は、とにかく文字だらけでごちゃごちゃしていて怪しかったのですが、そこを変えようとしていました。デザインで、いかに情緒的な印象を与えてアテンションをとるかを工夫しました。「世界観作り」も、その頃に教えてもらいました。

DMで物が届くにしても、商品を開けたら挨拶文が入っていたり、会社を象徴するような世界観を伝えるビジュアルのものが入っていたり、ワクワクする仕掛けや世界観作りを考えた経験は、今に繋がっていると思っています。


その会社には何年ぐらいいたんですか?

6年いて一度辞めて、また戻って6年ほどいて、通算12,3年ぐらいいました。
親の病気の関係で秋田の実家に戻ったのですが、回復したので戻らせていただきました。でも紆余曲折あって、改めてゼロからスタートしたいという気持ちになっていた時に偶然L4Dの採用告知を見つけて応募しました。
実は前の職場の代表と清水(社長)が知り合い同士で、一度食事をしたことがあったんです。そういった縁もあったので、応募させてもらいました。


L4Dに入社しようと思った理由は何だったんですか?

ずっとダイレクトレスポンスの分野でやって来たのですが、もともと興味を持っていたグラフィックデザインをもっと突き詰められるかもしれない、と思いました。また、採用ページに出ていた渡邊(ヒロミチ)のインタビューの中にあった「やる気のある方を募集している」という言葉や仲間を大事にする社風だということも興味を惹かれた理由でした。


清水社長との面接で印象に残っていたことはありましたか?

面接の時に、僕の紆余曲折のあった人生の話も少ししたのですが、「でもそういった経験もデザインに活かせることもあるんじゃないかな」と言っていただけました。その人間性にも感銘を受けたところも大きいですね、お人柄が面接にも出ていたので自分もこの会社に何か協力したいという気持ちが湧き上がってきました。


L4Dでの仕事で一つ記憶に残るとしたら?

酒井さんと一緒にやらせていただいたオーイーシーさんの仕事ですね。

CI(Corporate Identity)は、会社の企業価値を作っていかなければいけない仕事なんだ、ただの見えづらではなく「その会社の存在価値のためのブランディングなんだ」ということを改めて感じました。
多くの社員がいる会社の未来みたいなのも決めていくところに関わる、すごく責任ある立場として参画したなということを肌で感じたんです。

オーイーシーの加藤社長ご自身が切実に自社の未来を考えていらっしゃる、その想いを伝えてくださいましたし、一つの会社の未来を決める上で、その会社の人たちだけではなくて、本当に大勢の方が関わっていらっしゃいました。 その中で我々は、グラフィックによる世界観作りというすごく重要なことをお願いされていることに、これまでにない責任を感じました。


いまお話しいただいたオーイーシーさんの仕事も含めて、L4Dに入って、デザインに対する考え方や向き合い方のアップデートはありました?

L4Dに入社して1年ぐらいはある種、絵づくりに集中していれば良かったところもあったのですが、「狭義のデザイン」だけではなく「広い意味のデザイン」の重要性を感じます。今、ディレクター的なポジションにいることもあって、絵作りのことだけではなく全体を知っておかないといけない、という自覚があります。例えばCIの仕事であれば、経営者の見えているものや考えていることも理解した上で動けないといけない。そういった相対的に見たものがデザインだと、今は捉えています。



グループリーダーとして心がけていることは何ですか?

全然できてないとは思っているんですが・・・心がけているのは「不機嫌そうにしない」ということです。
以前の職場の上司が厳しい人で、何かを聞こうと思っても聞ける状態ではありませんでした。今思えば、それが逆に成長できた理由でもあったのですが、でも自分はそうじゃないやり方がしたいなと思ったんですよね。「不機嫌」って下の人たちに伝播するんで。それは良くないと思っていたので、なるべく不機嫌にしない、ということを心掛けています。


みんデザ(みんなのデザイン進化論)をリーダーとしてやってみてどうですか?

僕は、プロジェクトの運営やマネジメントができる方だと思っていたのですが、意外とできなくて・・・。プロジェクトメンバーの赤嶺さんが素晴らしくやってくれているので、リーダーとしては、できる人に任せて運営していくことが大事だと思っています。僕は、記事などの内容面に目を配って、みんデザの取り組みが会社にとっていい流れになるような方向づけに注力しています。


今後やりたいことや学びたいことはありますか?

L4Dではみんなが本を読むので、僕自身、以前より読むようになりました。新刊・中古にこだわらず、本を読むと必ず何か発見があります。また、みんデザのおかげで文章を書かせてもらっているので、文章を書くことも学んでいきたいなと。


L4Dは「ブランディングデザイン」を打ち出していますが、安土さんにとって「ブランディング」とは?

前職のとき、ブランドマネージャーを世に送り出すみたいな講座を運営していたのですが、当時はブランディングといえば、例えば市場でいち早くポジションを築くような「差別化」だと思っていました。しかし、今は「企業価値の創造」のようなことだと感じています。


では「デザイン」とは?

狭義の意味ではグラフィックになるんでしょうが、広義のデザインという意味では、概念とか気持ち感情とか意味とか「あらゆるものの情報整理」のようなものがデザインだと思います。
今の日本の不寛容な感じの空気感に興味があって。僕自身、SNSなどを読むとしんどくなります。電車が遅れるたびに、車掌がアナウンスで「遅れてしまって申し訳ございません」とかって言って。日本人は何でも謝りすぎだと思うんです。なので、日本人の意識のアップデートをデザインの側から何かできないかなと思っています。


最後に。安土さんが思う「レベルフォーデザイン」ってどういう会社ですか?

「結果を出すことの享楽というか、快感を知っている人の集まり」だなと思っています。やった分得られた成果やお客さんに喜んでもらうことってこんなに面白いんだ、と結果が出たことへの喜びを知っている人たちがいる会社ですかね。


逆にL4Dをより良くするために何が必要でしょうか?

「生産性」だと思います。生産性と言っても、単なる数字の話ではなくて、いろんなところの生産性が上がるように管理の仕組みを適切に入れる必要があると思っています。ややもするとクリエイターって「クオリティは時間じゃない」とか「突き詰めることで時間がかかるのは仕方ない」とか思いがちですが、集中力を高めて短い時間でより良いものを作れるようにする、だからこそ適切な管理をするような考え方や仕組みを入れることができるのではないか、と思っています。


⚫︎この記事の話し手
安土潤一郎 (あづち じゅんいちろう) / L4D / アートディレクター
秋田県出身。アートディレクター。みんデザプロジェクトリーダー。カレーが好きです。
X(旧:Twitter):https://twitter.com/Jun_L4d




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