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仕組化で成功しているデイサービスの事例。

私は月に5回前後、単発の看護師バイトの仕事をしている。同系列でいくつかの店舗で仕事をしてきた結果、これぞまさに「仕組化で成功している事例」だなと思えたことがあったので、今日はそのお話です。

プロのインストラクターから誰でもできる運動メニューへのシフト

私がこのデイサービスの「仕組化」に気づいたのは、3年ほど前に単発バイトをした時とデイサービスの内容がガラッと変わっていたからだ。
運動リハビリ系のこのデイサービス、以前はヨガや体操を指導できる、普通にスポーツジムなどで教室を任されるようなプロのインストラクターが一人いて、その人がヨガ教室のごとく高齢者相手にデイサービス内で体操クラスをやっていた。
だから、看護師の私はほとんど何もすることがなく、血圧を測った後はインストラクターとともに体操をしている利用者さんを観察し、その様子を記録するだけだった。

施設内で歩行訓練や動画を利用して機能訓練を行う

それが、いまは一変して、施設内には歩行訓練ができるスロープや階段スペースを造設し、そこを移動する練習、オリジナルの動画を使って、座ったままできる機能訓練などのメニューがいくつも組まれていた。
以前は見守りと記録係だった看護師も、機能訓練の一部を担うことに。
察しのいい方はお分かりと思うが、私はこのデイサービスに「単発バイト」で行っている。
要するに、このデイサービスの運動メニューは身体が自由に動いて、高齢者の扱いに慣れている人ならば誰にでもできる内容だということ。
そう、だから機能訓練ど素人の看護師の私でも、指導ができてしまうというわけ。
詐欺だと思われるかたもいるかもしれない。でもこのデイサービスの場合、歩行訓練の設備が大事なのであって、人の力量はそれほど大事ではない。

人手不足を解消するデイサービスの仕組化

どこも人手不足の介護業界の中、正直、以前のプロのインストラクター1人で体操クラスをするデイサービスというのは破綻していた。
インストラクターは体操はプロだが介護は素人。高齢者の扱いに苦労している様子がみられた。
それに、年々高齢化が進み、デイサービスに求められる内容も、介護度が高くなってきている。
自立している人だけを相手にしてきたこちらのデイサービスも、高齢者のニーズに合わせて少しずつ介護度高めの人も受け入れざるを得なくなってきている。
実際、数年前に通っていた人たちは完全に自立の人ばかりだったが、片麻痺の人が増えたり、トイレ介助が必要な人がいたりと、介護度が上がっている。

入浴など介護技術が必要な仕事は派遣に頼る

この系列のデイサービスでは、入浴も実施しているところがある。うまいなと思ったのは、入浴サービスを実施するスタッフは派遣を雇っているところ。足りないシフトのところをカバーするための派遣ではなく、入浴サービスは完全に派遣に任せている。

その方がメリットも大きいのだろう。
正社員がいろんな業務をあちこちやって忙しくて体力も消耗して疲弊するよりも、仕事内容がシンプルになる。
入浴介助は体力がいるが、日替わりの派遣なので、少々のことは我慢して働くことができる。
派遣は派遣で、ピンポイントでその日だけ働ける、というメリットがあるので働くことができる。

介護素人&機能訓練素人で成立するデイサービスの出来上がり

要するに、正社員やインストラクターとして社員で働く人たちは介護をやったことがない人たち。
介護が必要な場合は看護師や入浴介助できている派遣が担う。
機能訓練の一部を任される看護師は機能訓練の素人。
社員にすべてを指導してできるようにさせるにはいろんな研修と実践が必要になってくるが、即戦力として派遣に任せたり、誰でもすぐにできる機能訓練のメニューを仕組化したことで、働き手を集めやすくなった。

実際に、デイサービスをはじめ、様々な施設でバイト経験のある私が他と比較しても、とても働きやすい職場だし、人気もある。

今後、ますます人手不足が続くだろう介護業界はじめ、広く人手が必要となってくる仕事において、その仕事に慣れた人や能力の高い人しかできない仕事をいかになくして、単純化したり、仕組化したりできるかが、カギとなってくるだろう。

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