見出し画像

【無料】基礎から分かる水産用語<75> ぺスカタリアンとは

みなと新聞で毎週火・金曜日に連載している「基礎から分かる水産用語」を公開します。
みなと新聞の専門記者が、漁業、流通・加工、小売など水産で使われる一般用語から専門用語まで、分かりやすく説明する連載です。

ぺスカタリアンとは

 魚介類を食べる菜食主義者(ベジタリアン)のこと。卵と乳製品も摂取するため国際ベジタリアン連合はぺスカタリアンを菜食主義に含めていないが、一般的には「緩い菜食主義」と位置付けられることも多く、完全菜食主義(ビーガニズム)からの移行もみられる。

 著名人のSNSを使った情報発信や、「ミートフリーマンデー」(月曜日に肉を食べない運動)など緩い菜食主義の広まりにより、欧米を中心に認知度が向上している。

 ペスカタリアンになる主な動機として、①肉食での肥満やがんのリスク増大など美容・健康上の理由②牛の呼気が排出する温室効果ガスや、牧草地確保のための森林伐採など畜産業への疑問③魚はほ乳類と比べ痛覚が未発達と仮定する動物愛護の観点から―が挙げられる。

 英国の市場調査会社イソプス・モリが2018年2月23日~3月9日に、世界28カ国の成人男女2万313人に実施した食生活の調査では、ベジタリアンは5%、ビーガンが3%、ぺスカタリアンも3%だった。このうち近年の増加が顕著なビーガンがもたらす経済効果を欧米では「ビーガノミクス」と呼ぶまで市場が確立している。米国の市場調査会社ニールセンの調査で、同国の16年8月~17年8月の肉・魚介類の代用となる植物性食品の売り上げは31億ドルだった。

みなと新聞本紙2022年12月13日付の記事を掲載