養魚秘録『海を拓く安戸池』(36)~飼育~
野網 和三郎 著
(36)~飼育~
飼育上の変遷も、安戸池創業当時よりは、いくぶんかの変化を見ているが、それは魚体の大小によってその取扱い方法が変っているという程度で、他にそう変りはないが、現在においては、栄養剤、薬物などが摺餌に混入せられ、歩留り率と健全な稚魚飼育への努力が払われている。
昭和初年の頃は、すでに四〇グラムから五〇グラムに達している稚魚の飼育であるから、摺り餌の必要もなく、細切したものを与えて十分であったが、この稿の初めにも触れているが、浜島方面で