わだつみのこえ、尊い学芸員の仕事
2024年9月7日(土)
今日は朝から、わだつみのこえ記念館(https://www.wadatsuminokoe.org/)にて作業のお手伝い。
「わだつみのこえ」と聞くと、「きけ わだつみのこえ」の本や映画を思い出す方も多いかと思う。
わだつみのこえ記念館は、あの作品に登場するようなアジア・太平洋戦争中の戦没学生の資料を中心に、資料の収集・管理・展示をおこなっている施設だ。
去年、学徒出陣80周年を期に開催された「平和のための遺書・遺品展 -「学徒出陣」80周年」を、お世話になった先生からの誘いでお手伝いさせてもらって以来、ご縁が続いている。
資料は特に、戦地で亡くなられた学生の小物とか本とか写真とか・・・とにかく色々あって、特に日記や手紙なんかの紙資料が多い。
小さな館なんだけど収蔵品の数はかなりのもので、戦後79年が経ち、運営に携わる中心メンバーの高齢化も進んで(なんと岡田館長は95歳だけどまだ現役!)管理が大変になっているので、特に東大の学生を中心に若い世代に声をかけて、新しいメンバーと一緒に頑張っていこうとしているところらしい。
そんなこんなで僕もお声がけ頂いて、今日は初めて作業に参加させて頂いた。
今は資料の点検と目録作成、デジタル化を中心にやっている所みたいで、朝から夕方までそんな感じの作業をしていた。
学芸員の仕事って感じ。
展示は華やかな表舞台だけど、作業させて頂くと、普段のこういう地味な裏方仕事の尊さを感じる。
きちんと管理して保存することが大事なのはもちろんのこと、新鮮な目で改めて資料を見直すことで新しい発見があったりもするからだ。
例えば、ノートの中に、これまで記録されていなかったメモ書きが残っていることに気付いたり。
貴重な資料を未来に継承していく重要なお手伝いを出来ることと、そういう気付きが楽しかった。
正直、作業はほとんど単調で地味だけど、苦にならなかった。
今まで美術関係では展示の企画や文章の執筆を中心にやってきたし、普段の学問は理系だけど、やっぱこっちの方が性に合っているのでは・・・という気がしてならなかった。
その時その時の選択次第で、そういう人生もあったんだろうなぁ。
現場で作業していたら、友達で、仏像を研究している山田隼大くんが来た。
前に夜行バスで偶然隣同士になった山田くんだ(この時→https://note.com/minato_yamashita/n/n43dbdc7c7893)。
また偶然の遭遇。
来るとは聞いていなかったのでかなりびっくりした。
なんやかんやよく会うなぁ。
そんな感じで、集まっているメンバーはやっぱり美術好きが多いので、久々に美術の話をたくさんできたことも楽しかった。
やっぱり僕は美術が好きらしい。
大事な作業に携われて嬉しいし、話も楽しいので、これからも出来る限り参加していきたいと思う。
わだつみのこえ記念館は東大の本郷キャンパスの近くにあって、最寄りは本郷三丁目駅。
開館日は基本的に月水金の午後に限られているけれども、事前に連絡すれば開けてくれたりもする。
貴重な資料が揃っているので、是非多くの方に足を運んで頂ければと思う。