💊健康茶

お茶ってあんまり勉強してない人が多くて、曖昧な接客になりがちだから、俺がこの際、王道どころをピックアップして一気にまとめようかなと。

薬剤師や登録販売者じゃない人にも、有意義な記事だと思うので、ぜひ日頃の健康の役に立ててくださいな😘

そして、長い記事の割には無料。頑張った(小並感)

はじめに…

●健康茶：健康によい効果があるとされる茶。古くから民間薬として用いられてきた。

そもそも、民間薬ってなんだ？ってなったお前らへ

●民間薬：古くから経験的に効きめがあるとされ、民間で使われてきた薬。世界各地の民族に固有のものがある。（例：世界各地に伝わるハーブティーなど）

ちなみに…

●漢方薬：古代中国に生まれ経験の積み重ねを体系化して完成された医学が漢方。この医学に使用される薬が漢方薬。

民間薬と漢方薬を混同してる人も多いが、漢方薬は理論にのっとって生薬を組み合わせたもので、民間薬はある薬草が、何に良かったのかという部分が経験的に民の間で受け継がれてきたものになる。民間薬は製法や対応疾患などは細かく厳密に決められてはいないため、ぶっちゃけ漢方以上になんとなく受け継がれてきたような感じ。まあ、ある意味ロマンはあるかもね。

ただ、健康茶と漢方薬は生薬を茶剤にして飲むって点では共通点がある。

また、健康茶は健康食品であって、医薬品ではないと勘違いしている人もいる。確かに健康茶はほとんどが食品だが、厚生労働省の製造販売承認をクリアした立派な医薬品も存在しているぜ。

色々と生薬によってはややこしいルールがある。
例を挙げるね

●センナなど：葉と実は医薬品（センナの茎の医薬品は存在しない）
→部位によって医薬品か食品か決まることもある

●ギムネマ、甘草など：医薬品と同じ素材を使用していても効能を表示しなければ食品扱い
→同じものでも効能効果表示の有無で医薬品か食品かを決められるものも存在する

●医薬品の健康茶シリーズ

センナ

日本薬局方　センナ：指定第2類医薬品

●効能・効果
便秘。便秘に伴う次の症状の緩和：頭重、のぼせ、肌あれ、吹出物、食欲不振(食欲減退)、腹部膨満、腸内異常ハッ酵、痔

●アドバイス
熱に弱く、高温で分解するためグツグツ煮出すより、50°から60°のお湯を注ごう

●解説
センナにはセンノシドという成分が含まれており、腸の蠕動運動を活発にして排泄を促す。つまり、センナを服用することで主に便秘の解消が期待できる。普通の錠剤の医薬品でも有名な刺激性下剤に分類されるよね。
お茶であっても刺激性下剤であるセンナの安易な長期常用は好ましくない。

ジュウヤク（別名：ドクダミ）

日本薬局方　ジュウヤク：第３類医薬品

●効能・効果
便秘。便秘に伴う吹出物、尿量減少

●名前の由来
「十種の薬の能ありて十薬となす」。つまり、たくさんの効果効能がある万能なものだよってこと

●解説
特徴的成分としてクエルシトリン
クエルシトリンには利尿・緩下（便を緩くする）作用があり、新陳代謝を高め解毒作用を強める。利尿作用により体にたまった毒素を排出するため、余分な水分を排出してむくみ改善も期待できる。更に、毛細血管を強化し血圧を安定化させることも知られている。
クエルシトリンだけでなく、ミネラルとして含まれるマグネシウムにも、腸に水分を集め便を柔らかくする効果があるため、ここでも便秘にアプローチしてくれる。

ゲンノショウコ(別名：たちまち草）

日本薬局方　ゲンノショウコ：第３類医薬品

●効能効果
整腸(便通を整える)、腹部膨満感、軟便、便秘

●名前の由来
下痢によく効き、これを飲むと、たちまちその効果があらわれるため「現の証拠」と名付けられた

●アドバイス
【軟便】：温かいうちに飲もう
※冷たい飲み物は、刺激で下痢になる恐れがある。温かいと下痢しにくいのは、胃腸への刺激が少ないからなどの理由である。
【便秘】：薄く煮出して冷ましてから飲もう。
※朝に冷たい水を摂るだけでも便秘解消効果あり。何故なら冷たい飲み物は腸管を刺激し、蠕動運動を高めるからだ。

●特徴
軟便と便秘どちらにもアプローチできるのが特徴。
整腸もあり、要するにお腹の調子をよくしてくれるお茶。

●解説
ゲンノショウコという成分自体は、市販では百草丸や正露丸、ワカ末止瀉薬に含まれているよね。更に医療用ではフェロベリンっていう薬にも含まれてるんだぜ。
ゲンノショウコの成分としては、収れん作用によって下痢を予防するタンニンが特徴かな。だから、止瀉薬の成分によく見られるんだねっていう。

ゲンノショウコは、止瀉薬でよく見かける成分。

センブリ

日本薬局方　センブリ：第３類医薬品

●効能効果
胃弱、食欲不振、胃部・腹部膨満感、消化不良、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胃のむかつき

●名前の由来
千回振り出しても（振り出すとは、熱湯の中に薬草を浸して成分を溶かし込むこと）まだ苦いということで千振（せんぶり）

●特徴
名前の由来からも苦いということがわかるよね

●解説
効能効果からもわかるように、端的にいえば胃の不調にオススメ。
更に苦いのが特徴…。つまり、苦味健胃薬として、消化不良、食欲不振、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胃のむかつきなどの治療に使用されるってわけだ。この苦み成分はスウェルチアマリン（苦味配糖体）などが主要である。

さて次からは食品の健康茶だ。
ここからは医薬品と違って、安易に効きますと接客できないから注意してね

●食品の健康茶シリーズ

はとむぎ（皮を取り去ったらものをヨクイニンという）

はとむぎ

●オススメできる人
美肌目的の人、利尿・健胃のために飲みたい人など

●解説
美肌効果、デトックス効果、胃の健康を保つ効果が期待できるってのがポイントかな。
また、イボ取りに効果的なハトムギと言われることもある。
実際にイボが取れるかは置いといて、何か食品で試してみたいって人には選択肢になるかも。イボは取れなくても、健康に良いお茶には変わりないし。

カキヨウ

柿葉

●オススメできる人
風邪の予防をしたい人、血圧が気になる人など

●解説
柿の葉のビタミンCはプロビタミンCというビタミンCになる前の状態のものが含まれている。プロビタミンCは熱や加工に強いのが特徴。
（※通常のビタミンＣは熱に弱く、熱すると壊れていく）
もちろん肌にも良いが、免疫力を強化するビタミンCを日ごろから摂って風邪の予防するのも良いんじゃないかな
更にルチンなどが毛細血管の浸透性を高め正常に保ち、 血圧を調整するともいわれているので、血圧を気にしている人にも良いかも。

ローズピップ（別名：野バラの実）

ローズピップ。いきなり、オシャレになったな笑

●オススメできる人
風邪の予防をしたい人、美肌になりたい人など

●解説
ローズヒップは"優しい"酸味のハーブティーである。（※ハーブティーは、様々な種類のハーブを使ったお茶の総称）
赤くて酸味が強い！ってイメージがあるが、ハイビスカスと一緒にブレンドされることが多いから赤くて酸っぱくなるのである。つまり、赤くて酸味が強いのはハイビスカスの方なのだ。
ビタミンCの爆弾とも言われるほど、ビタミンCが豊富。ビタミンCを安定させ、その働きを強化すると言われるビタミンPも含まれている。
更に、ローズヒップに含まれるビタミンEにはホルモンバランスを整える働きがあるので、女性の強い味方というお茶かな。

枸杞葉

枸杞葉

●オススメできる人
動脈硬化や高血圧が気になる人など

●解説
毛細血管の強化、 動脈硬化の予防、疲労防止、肝臓における解毒作用などが示唆されており、主に血管系の病気の対策を何かしたい人に紹介できるかな

ちなみに…
枸杞子は実のことであり、滋養強壮目的の人などにオススメ

杏仁豆腐によくのっている赤い実がクコの実（別名：ゴジベリー）であり、乾燥させたものが枸杞子である

ユンケルスターにも枸杞子が配合されているね

シジュウムグァバ（別名：番石榴）

シジュウムグァバ

●オススメできる人
アレルギー性鼻炎の対策をしたい人、高血糖が気になる人など

●解説
不思議で森のような味わいと言われることもあるぐらいには、特有の味わいがあるらしい。誰か飲んだら感想聞かせて！
アレルギー反応を抑える働きがあるといわれ、花粉症の季節になる前から飲むとオススメのお茶。
更にポリフェノールの作用によって、血糖値上昇の緩和作用もある。
これは下で紹介する蕃爽麗茶という、食後の血糖値が気になる方に適した特定保健用食品のお茶と関係する。

豆知識
グァバ茶、シジュウム茶はどちらも同じものである。

蕃爽麗茶はグァバの葉を原料としたお茶。つまり、蕃爽麗茶も一種のグァバ茶である。

食事に含まれる糖質は、糖質分解酵素によって、ブドウ糖などに分解され、小腸で吸収されて血液中に運ばれます。中でも、血糖値を上げる要因となるのが、ブドウ糖です。
グァバ葉ポリフェノールは、糖質分解酵素の働きを抑え、ブドウ糖の吸収をおだやかにし、食後の血糖値の上昇を抑制します。

https://www.yakult.co.jp/bansoreicha/より

刀豆

白刀豆茶

●オススメできる人
口臭ケアをしたい人など

●解説
刀豆って、よく口臭ケアの歯磨き粉で見かけない？
刀豆には排膿・消炎作用があり、コンカナバリンAという成分が口腔内の善玉菌をバランスよく維持してくれたりもするらしい。

「なた豆の歯磨き粉」は歯周病や口臭を予防する効果があるといわれている

ハブ茶（別名：決明子）

はぶ茶

●オススメできる人
便秘が気になる人など

●解説
ハブ茶はエビスグサの種子からつくられる健康茶。
ハブ茶には暖下作用があるアントラキノン誘導体が含まれ、便秘に効果がある。ただ、ケツメイシの作用はセンナと比べると、比較的穏やかで、おなかも痛くなりにくい。

杜仲茶

杜仲茶

●オススメできる人
生活習慣病の対策をしたい人、肥満が気になる人など

●解説
杜仲茶に含まれるゲニポシド酸が血圧に良いともいわれ、更にアスペルロシドが抗肥満に効果があるかもとのこと。

ルイボスティー

ルイボスティー

コンビニでも気軽に売っているルイボスティー

●オススメできる人
日頃から抗酸化作用のケアをしたい人、むくみを改善したい人など

●解説
強力な抗酸化力を持つフラボノイドが豊富に含まれており、抗酸化効果を重視するならルイボスティー！
味にやや癖があるが、好きな人は好きな味かな
抗酸化力に優れているということで、美肌効果も期待できるね。

以上。

他にも実はまだあるけど、クッソ長くなるからこの辺にしておくぜ

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