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元旦にカラマーゾフの兄弟・読破
カラマーゾフの兄弟5巻が元旦に届いた!
年賀状が一通も届かなくて、これ一冊がポストに入っていた。
5巻はエピローグと、ほとんどが解説だったので、本文は…全部読んだ!
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ハタチまでマンガしか読んだことなかった僕が、
ドストエフスキー、カラマーゾフの兄弟全5巻、読了!
「罪と罰」は下巻に入ったところで止まったから、初めてドスエフ読めた。
他の翻訳では無理だった。亀山訳だから読めた。
あと、しおりに人名がフルネームで書いてるから読めた。
ロシア文学は同じ人を苗字や名前やあだ名で呼ぶから不必要にややこしく感じるらしいけど、これなら全然いける。
スマホ見てる人がカラマーゾフ読んでる自分を見ると、まるで面倒な勉強をしてるみたいな視線を向けられるが、ほんとに勉強じゃないのだよ。
本当にミステリー的におもしろいから読んでいた。そう読めたことが嬉しかった。
一人だけの密かな楽しみ。
どこでもそっと広げられる未知の世界。
SNSは同時期の人とヨコにつながるけど、古典を読むと、それを読んだ100年200年の人と時空を越えてつながる。
ヨコでなく、タテにつながるSNS。
最終巻は、Amazonの古本なので店頭に置けないレベルでびっしり線が引いてあった。
ぼくは紙を折るし風呂にも持っていく本読みだけど、線を引いていくのだけはやらない。後戻りできない感じがする。線を引くタイプの本読みは、傍らにペンを置いて読んでるのか?
それにしても、到着予定が5日だったのに、元旦に届けなくても。
たまにAmazonの配達やウーバーにSNSで文句言ってる人を見かけるけど、もっと仕事おそくても全然いいのに。
カラマーゾフの兄弟の今の感想だが、3巻で殺人が起こってからの、感情が高ぶってる兄の迫力がすごかった。
すりばちに使う「杵」で父親を殴って、そっから異常なテンションで、身体に血が付着したままで逃げて、事情を知らない人たちと豪遊する。
酒とつまみを大量に、小さい子供にお使いにいかせようとするが、子供は服に血がついていることが気になって、何をつまみに買ってくればいいのか全く覚えられない。
それでも、兄はずっと憎んでいた父を殺したことで躁状態になっていて、意味のわからないテンションでしゃべり続ける。
あげくの果てに、初めて会った知らない外国人とギャンブルを始める。
緻密にプロットを練って書かれたはずなのに、会話が勢い重視で書いたように見えるところがある。
もちろん、どんなに登場人物が暴れても、話のすじは元に戻る。
最後に、父殺しをした兄に対して、ひとりの作者が書いたとは思えない、登場人物たちがみんなそれぞれの目線で事件を解釈する「裁判」で兄は裁かれるのだ。
執行猶予か、ドストエフスキー本人と同じくシベリアへ送られるか。
最終章だけ、まるで作者が架空の裁判に同席したみたいに、ここからのやりとりはとても全部は書ききれなかった、と、ノンフィクションルポみたいな断りが入る。なんだそれ。最後にその書き方。疲れた。しかし満足。
そしてこの五冊を終えても、じつは次回作につながる序章にすぎない。
その次回作はドストエフスキーの死によって永劫に書かれることはないのだ。
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