「LIGHTHOUSE」と「リッツ・カールトン」に共通するものとは?脳が「二人羽織」をしているから、感性を大切にしようと思った話
最近読んだ本がたまたま共通して、“感性や脳に直接届くことを大切に“というテーマを扱っていました。
読んだのは下記の2冊です。
「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間」
「ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門」
すべての仕事は接客業だと思っているので、「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間」を読んだのですが、あわせて「ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門」を読むことで、より理解を深められて、なかなかいい読書体験でした。あらためて自分自身の仕事のあり方を顧みるきっかけになりました。
感性を無視できないワケ
リッツ・カールトンの有名な「クレド(=行動指針)」のところはご存知の方も多いと思うので、お客さまの「WAO=感動」は、感情を動かされて初めて起きるよね。という事例の紹介が本書の読みどころです。
旅行先で被災し泥だらけで帰国した宿泊客の服をスタッフがすべて洗い、規定の上限額まで割引した話や、無知な若者がリッツ・カールトンの横にクルマを停めてレッカーされてしまったところ、クルマの引取先までスタッフが自分の車で送ってあげたエピソードなど。
また、リッツ・カールトンへ新メンバーが入社してきたときに、打ち解けられるような仕組みなども読みどころです。
私が以前に勤めていたサイバーエージェントにも様々な仕組みがあり、新入社員の席には浮かぶ風船を配置する、壁や共有モニターに顔写真と名前が紹介されていたと言った人事の施策をふと思い出しながら読んでいました。
本の中で、リッツ・カールトンのロビーに入った時「温度を感じるかね?」という支配人の問いかけがあったのですが、このひと言にリッツ・カールトンが、感性を大切にしていることが伝わります。これはもちろん気温の話ではなく、人のあたたかさを感じるかね?という意図なのですが、こんなエピソードからも測れないものを大切にしていることがわかります。
そしてこの感性を大切にすることがどういうことか、生物学的に解説したのが「ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門」。
(内容はおもしろいのですが、正直なところタイトルと内容がそぐわないとも感じました。「伝えたいことが伝わらなら本能に届けよう!」的な本です。)
本の中には、パワポづくりをハリウッドの脚本術に学ぼうといった内容もあって、わたしも同じハリウッドの脚本術の本を読んでいたので、とても親近感を持ちました。
さて、この本はもともと営業職の人間がクリエイティブディレクターになったお話なのですが、人間の習性を理解して脳に直接届くようにしようねという話です。著者の原野 守弘さんは「森の木琴」のCMを作った方でした。
ヒトの脳には「大脳新皮質」と「大脳辺縁系」があり、「大脳新皮質」がいわゆる合理的な思考や言語を司る部分で、「大脳辺縁系」が、感情や信頼などヒトの行動や意思決定を司るが言語能力がないとされるそう。
ヒトは「大脳新皮質」と「大脳辺縁系」の二人羽織で意思決定を行なっています……とこんな表現で、脳の働きをわかりやすく書いてくれていました。
合理的に考えたらナイ判断も、心が動いてアリと決めてしまったという経験は誰でもあるはず。逆もまた然りですね。
これらの本を読んで思い出したエピソードがあります。わたしが広告営業をしていた頃、先輩がアポ前にいい匂いのするハンドクリームを塗って、資料を渡す時にフワッといい香りがするようにする習慣があったことです。
その先輩は現在は子会社の社長になって、たいへん立派になられました。何もできなかった新卒のわたしを育ててくれた方です。
本人は「タバコの臭い消し」と笑って言っていましたが、これは脳に直接届くいい施策だったなと振り返ると思います。
お客さまは高額の意思決定をするわけですから、その提案の場でタバコの臭いがするのは気分を害するかもしれない。
いい匂いがしてパリッとしたスーツを着て笑顔の人からの提案が「なんかいいな」と判断に影響するのは大脳辺縁系によること。可能性としてはゼロではありません。自分も商品という意識まである人とない人では、差がでそうです。
ヒトが大脳新皮質だけだったら、匂いや声、見た目にまで気にしなくていいのですが、大脳辺縁系に届く提案は、ここまで気を遣える必要があるのです。
ちょっといい未来を語ろう
「ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門」では、大脳辺縁系に訴えかける方法として「ちょっといい未来を語ろう」という話がありました。
ワクワクして心を動かす訓練は意識しておきたいもの。
ここで思い出したエピソードがNetflixの番組「LIGHT HOUSE」です。
星野源さんとオードリーの若林正恭さんが、仕事、家族、将来、人間関係など赤裸々なホンネと悩みをぶつけあうトーク番組。ラジオ感覚で聞けます。
毎日決まったスケジュールをこなし、可もなく不可もない生活の中、オードリー・若林さんが初めてラップのレコーディングに挑戦。スタジオに行く途中に、初めてのことをするワクワク感を思い出し、ちょっとした感動を覚えたのだそう。
仕事があることは幸せだけれども、星野源さんはその現状に飽きているのだとを言います。
なので心を動かすために、感情は大切にしたいと思います。生きているけれど心が死んでいるみたいな時は、ちょっといい未来を頑張ってみたいですね。
わたしの思う「ちょっといい未来」を考えてみました。
病気と仕事以外はお金を使えば叶うことすぎて笑いました。
みなさんはちょっといい未来に何を想像しますか?
最近ワクワクドキドキがないので、定期的に考えてみたいと思います。
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