元宮土師社 ~相撲ともかかわりがある道明寺天満宮の前に鎮座していた社 ~
河内長野にある家の近くの桜も散ってしまいました。それは仕方がないことです。ところで桜が咲く前、まだ梅が見ごろだったころに、河内長野から見てちょうど北に位置する藤井寺の道明寺天満宮に行ってきました。
さて、こちらの道明寺天満宮を紹介するときにも触れましたが、天満宮は菅原道真を祀っています。しかし菅原道真を祀る前からこの場所には神社がありました。それは道真の先祖とされる土師氏(はじし)にまつわるものです。
それは境内の中にある元宮土師社として今も鎮座していました。
ここが入り口です。道明寺天満宮の境内にありますが、天満宮が創建される947年よりも古くからある神社。
この中が境内ですが、その前手前に珍しいものを見つけました。
これは地元藤井寺出身の大相撲力士だった花ノ国の手形です。そして碑文には次のように書いてありました。以下引用します。
花ノ国明宏
藤井寺市船橋出身
昭和34年10月15日生 昭和50年3月場所 初土俵
昭和63年3月場所 新入幕
関取通算50場所 うち幕内24場所
敢闘賞 1回 金星 1つ 幕下優勝 1回
出場回数 通算1218回 604勝592敗
平成6年10月引退 若者頭就任
建立 花ノ国関郷土後援会
力士の手形がある理由ですが、地元出身という理由だけではありません。土師氏の先祖である野見宿禰(のみのすくね)が、垂仁天皇7年に大和にいた当麻蹴速という強い人物と戦わせるために、出雲の国から呼び寄せ、角力と呼ばれる相撲の原型のような方法で相手を倒したこと。
(これは人間同士が相撲を取った最も古い記録)に、由来していることは間違いないでしょう。
おそらくこれが拝殿で奥にあるのが本殿と思われます。河内長野の烏帽子形八幡神社もそうでしたが、拝殿が通り抜けられる割拝殿(わりはいでん)の形式でした。
ちなみに主祭神は 天夷鳥命・野見宿禰命・大国主命の3柱です。
野見宿禰命は上で紹介した通りで、大国主命は出雲の神として国譲りのときに登場します。
天夷鳥命(あめのひなどりのみこと)は、少しマイナーかもしれません。調べると建比良鳥命とも言われる人物。
野見宿禰の先祖で、天穂日命の子どもと言われています。野見宿禰の前までは出雲が本拠地でした。
そして系図を見る限り、菅原道真のご先祖が祀られていることになります。
歴史を感じますね。