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日記;2024年10月前半

押し入れを整理していたら、古い日記帳が出てきた。
2020年代かあ。♪あなたにとって わたし ただの通りすがり……
当時、「ジャーナリング」なんてのが流行していて、感じたことを書き出すと心を整える効果があるとか言われていた。
それで、みつきも始めたんだった。
ちょっと恥ずかしいけれど、お見せしちゃいますね。
あの頃のロクデモナイ政情、世相を反映してドロドロした感情を吐きまくっているので、覚悟して読んでね。
思想強めだよん、ゆたしく。
エロい記述もちょっぴりあるよ♡
ドラマ、映画の感想についてはネタバレを含みますのでご注意ください。
※写真は10/16/2024、日刊ゲンダイ

(基本、敬称略)

*          *          *

10月某日
1日、石破茂内閣発足。ろくに国会論戦もせず、政権の政治姿勢も説明せずに9日に国会解散、27日総選挙。祝儀気分が残り、ボロが出ないうちに選挙やっちゃえ、ってわけか。

2日付東京新聞「本音のコラム」によると、石破は著書「保守政治家 わが政策、わが天命」で「保守とはリベラルのことである」と書いている。いわく「保守の本質は〈相手の主張に対して寛容性をもって聞く、受け入れる度量を持つ、という態度〉で、〈いわゆる右寄りの主張を声高にする立場の人々は、本来は『保守』ではなく『右翼』と呼ばれるべきものだと思います〉」

けっこうまともなこと言っていた。ようは、この考えを押し通し、「保守」を詐称する旧安倍派などのレイシスト・カルト・裏金・極右議員を切れるかどうか。
まずは総選挙で公認するしないかだ。公認せず刺客を立てて小泉郵政選挙みたいな構図を作れば与野党交代など吹っ飛んで、ヘイト裏金カルト極右安倍一派対反安倍の内ゲバ選挙になって、たいそう盛り上がるんだがな。
なんてことにはならない、とうことが早速明らかになっちゃった。

当の石破が早くもひよって相次ぐ前言撤回だ。
首相になる前となった後で、こんなに早く言う事が変わるか、ふつう。
・国民に予算委員会で判断材料→論戦せずに解散
・裏金議員非公認→公認します
・選択的夫婦別姓導入→自公「連立政権合意」に記載なし
・日米地位協定改定→具体的指示なし、やる気なし
・マイナ保険証と従来の保険証併用→予定通り従来の保険証廃止

もはや詐欺だね。
新閣僚にもロクでもないのがいるぞ。
法務大臣の牧原秀樹。東大法学部在学中に司法試験に合格、米国でも弁護士資格を取得している頭のいい人らしいが、品性に問題がある。SNSで「誹謗中傷は全員逮捕」だの「入管難民法改正に反対する弁護士は懲戒請求対象」だのと言った趣旨のアホなネトウヨ並みの書き込みをしている。
こんな過去のツイートも掘り起こされているよ。
『ネット上で「サヨク」と見えている人の多くは実際には日本の方ではなく、日本人を装った工作員の方である可能性もあります』
なんらのエビデンスもなく、こんな軽い調子でデマ、フェイクを流しちゃうんですから、知能指数はネトウヨ並みじゃあないの。
東大卒が必ずしも「人としてまとも」ではないことを体現している典型だ。

みつき、昔、中央省庁の役人連中と仕事をしたことがあるのね。夜の飲み会に付き合わされたんだけれど、彼らの会話がすごすぎたのよ。彼らもご多分に洩れず酒の席は我ら下々同様、仕事や上司・同僚・後輩、政治家の悪口が中心。
「あいつはバカだ」「あいつは使えない」「あいつはグズでのろまなカメだ」……。
東大卒が東大卒をバカ、クズ、のろま呼ばわりするすごい世界なんですの。こっちは相槌も愛想笑いもできない。黙って酒を飲み、つまみを口に放り込むだけ。
下手に反応したら「東大でもないお前が、なんだ」と絡まれるのがオチだからね。
そん時、東大卒にもバカはいるんだ、と妙に納得した次第。

で、この法務大臣もその類なんでしょうよ。早晩、ボロを出して更迭されるか、もともと弱い選挙(有権者から拒否されて小選挙区では連続落選・連続比例復活中)で落っこちて沈没する運命でしょう。

もうひとり。元ヤンキータレント三原じゅん子の初入閣。かつて国会質問で「八紘一宇という素晴らしい言葉があることを初めて知りました」みたいな発言をして無学ぶりをさらしておりましたね。
この方を見てると、マッチどぇーすの歌詞、♪愚か〜者よ〜……が自然と脳裏に浮かんでくるのを抑えられません。

ま、石破自身も「デモはテロ」だの「『知らせない義務』は『知る権利』に優先する」だの「出動命令に背けば死刑、懲役300年」だの、安倍・高市並みの反民主主義的・右翼的暴言を過去に吐いているんだから、類は友を呼ぶ、同じ穴のムジナ、ってわけね。

雛壇での記念撮影写真を新聞で見たけれど、みなさんだらしない格好でしかも悪相ぞろい。指名手配犯か!
「この顔にピンときたら110番」
なんて標語が口をついて出てしまいましたわ。おほほほほ。

ことほど左様に、もう自民党政権では駄目ってこと。もう賞味期限が切れているんだよ。下野の時期でしょう。

この日の東京新聞一面トップの記事はコレ。
「マイナ保険証登録解除 10月から可能? 政府、システムまだテスト中」
当初、政府はマイナ保険証の利用登録を10月から解除できるとしていたが、解除のためのシステムが完成してないから「まだ、できない」んだって。ふざけてる。これは意図的なサボタージュ、嫌がらせではないか。
健保組合からは「推進策はうるさいくらい指示してくるのに、解除手続きについては詳しい説明がない」

総選挙で、自民党を政権から引きずり下ろせば、悪評だらけのマイナ保険証強行・保険証廃止だって止まる。この一点だけでも政権交代の価値はある。
野党は国民生活最優先、裏金・レイシスト・カルト議員落選最優先で候補者を一本化しろよ。党勢拡大なんて内向きでちっぽけなことを優先するなよ。

追記:11日付東京新聞が続報。「マイナ保険証 28日から登録解除可能に 厚労省が通知」
役人ども、サボタージュ批判がよっぽどこたえたんだな。
これでマイナンバーカードを保険証として使わなくて済む。
解除手続きは、
加入する健保の窓口で解除申請書をもらい提出するだけ。翌月の月末に解除が反映される。
解除するのに条件はなく、誰でも可能、とのこと。
みつきも解除するぞ。

10月某日
朗報です。夕刊フジ、年内で休刊(みつき注:廃刊)だって。
言論の自由、多様な言論は是とするけれど、夕刊フジはレイシスト、カルト、歴史改ざん一派、アホウヨの巣窟みたいで、読むに耐えないヘイト、フェイク記事ばかりだったからね。駅の売店で見出しを目にするだけで気分が悪くなったものよ。
ヘイト、フェイク、デマは「言論」の範疇(ちゅう)には入りませんのよ。これ世界の常識、ジャーナリズムの共通認識。
親会社の産経新聞も、日本新聞協会所属の新聞社とは思えない権力御用・極右ぶりで、さっさと潰れてくれた方がせいせいするし、青少年の健全育成のためになると思われ。産経記事の横流しばかりの八重山日報も風前の灯でしょう。めでたしめでたし。
(よく間違われるんだけれど、八重山毎日新聞はジャーナリズムを追求する新聞社です)

10月某日
えー、ひまわりさん、女性だったの。
「娘が就職しそうだという見通しが立って嬉しいのだろう」
(4日付沖縄タイムス、新川帆立氏連載小説「ひまわり」251回)
タイムスを9月1日から読み始めたので、小説も途中から。ひまわりさんが司法試験を受けているシーンが続いていたから気づかなかった。挿絵(大野博美氏)でも気づかなかった。ひまわりさん、ベリーショートだったので。
これもアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)か。思い込む一歩手前で立ち止まり、考えてみることが大事ね。反省。

石破首相、所信表明演説。
「裏金問題 建前論 具体策踏み込まず」(5日付東京新聞)
「地位協定触れず 改定意欲から後退 県民軽視 負担軽減かすむ」(5日付沖縄タイムス)
立憲民主党・野田代表のコメントに尽きる。
「近代まれにみるスカスカの所信表明だ」
これで安倍派の裏金議員を公認でもしてみろ、「国民の納得と共感」なんか得られるはずがない。

疲れのたまる金曜日。出勤時から暑い。陽射しが鋭い。東京都心で30・4度。水曜日に続いて真夏日。どーなってるの。救いは日が沈むと涼しくなること。
気象庁によると「肌寒い日と暑さのぶり返す日」がありそうだって。
うん、確かに夜は冷えるので、部屋着はパジャマから、ごくせん風赤いジャージーに変えたよ。
裸足でフローリングじゃ足裏が冷たいのでスリッパを履いた。寝る時用の、もこゆる靴下もそろそろ出番かな。冷え性はつらいよ。

夜のお楽しみ、「お家でおひとり様映画鑑賞会」。
韓国映画「グエムル 漢江の怪物」(2006、ソン・ガンホ、コ・アソン、ぺ・ドゥナ、監督)。
夕ご飯を食べながら、「なとりの焼きかまぼこ」をつまみに泡盛のお湯割りを舐めながら。
ヌメヌメしたグロテスクな巨大怪物が冒頭数分で出てきて、漢江の河原でのんびりしていた人たちを食い散らかす。主人公の中学生の娘は尻尾に絡め取られ、さらわれてしまう。娘は備蓄食料とされ、排水溝でなんとか生き延びている。同じく備蓄された人の携帯電話を使い、家族に連絡をする。生存を知った家族一同は最愛の娘を救出できるのか。韓国の薬師丸ひろ子ちゃんといったイメージのコ・アソンの過酷な運命はどう転がっていくのか。ラストが切ない。
監督はポン・ジュノ。早いテンポで観るものを引っ張る手腕はさすがアカデミー賞監督(「パラサイト 半地下の家族」)。

怪物はなぜ出現したのか。
答えはファーストシーンで示される。在韓米軍基地による違法毒物の漢江への大量違法廃棄。
これって今、問題になっている沖縄の米軍基地や横田・厚木基地、自衛隊基地からの発がん物質PFAS(有機フッ素化合物)流出・汚染(河川・井戸水・水道水・魚介類など)と同じ構図だ。
米軍は自国での流出に対して汚染浄化に乗り出しているくせに、日本では無対応(9月30日付東京新聞「アメリカがPFAS浄化に本腰を入れ始めた ただし本国で 日本の米軍施設はどうするの? 対応に温度差」)だからひどい。
このPFAS、基地だけでなく日本各地の工場(ダイキンやデュポン)での流出・汚染が明らかになっているが、環境省もやる気なし。
「健康被害が生じたという事例は確認されていない」「血液検査をするとかえって不安が増す」とふざけたことを言っている。
NHKサイトによると「PFAS16都道府県111地点で国の規制値超え」(3月30日)。マップも公表している。
そのうち令和の大公害に発展しても知らんぞ。

昼、職場のテレビで「ちゅらさん 」(130回)を見ていたら、一風館の壁にゾウさんのジョウロがかかっていた。これ、「あまちゃん」(2013)にも出ていましたね。天野秋、ドラマ初撮影のシーン。のんさんとアシスタント役の仲野太賀さんとの掛け合いがおかしかった。
さすがNHK、小道具を大切に使っています。ちなみにウチにもあります、このゾウさん。

10月某日
6日の東京新聞1面トップ記事を読んで、悔しくて目頭が熱くなった。
「ひとり親困窮 乳児にも影響 泣く泣く薄めたミルク」
物価高で粉ミルクが高騰、2200円台で推移していたのが今は2753円(1缶800グラム、24年8月、小売物価統計調査より)。あるママは「アイスコーヒーや緑茶を薄めるのと似た感覚で」粉ミルクを2割ほど薄めて赤ちゃんにあげていた。
粉ミルクは母乳と同じように栄養が取れるよう、原料が調整されているので薄めてはいけないそうです。
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター元院長の安次嶺馨医師は「薄めると、鉄分やビタミンといった栄養やカロリーが不足する」「肉体面や情緒面、脳の発育・発達が遅れる恐れがある」と警鐘。
そして「子どもたちは幸せになる権利がある。どういう支援が必要か、社会全体で考えてほしい」と。
その通り。
国は何をやっているんだ? やれることはあるだろう。電気・ガス・ガソリン並みに食品にも補助を出せ、食品の消費税をゼロにしろ、消費税そのものをなくせ。コメの高値もいつまで放置するつもりだ。というと「財源は?」というバカがもれなく湧いてくるが、予算の使い道を変えるだけで済む話だ。
いつまで富裕層・大企業を優遇して甘い蜜をちゅーちゅー吸わせるつもりだ。いつまで人殺し道具の爆買いを続けるつもりだ。
政治の貧困が庶民の貧困に直結している状況を変えるには、私たちがひと塊になって自爆覚悟で怒りを爆発させて実力行使に出なければならないのか。
実は実力行使の必要はない。我々には選挙権があるから。自らの一票で悪政を葬ることができるのだ。「投票したい人がいない」などと棄権・白票を自慢する冷笑気取りがいるけれど、フラー(バカ)か。それじゃあ何も変わらないんだよ。暴君・悪代官と越後屋が喜ぶだけだ。
政権が変われば税金の使い道も変わる。自明のことだ。

10月某日
石破政権のやってる感。「裏金議員公認」に対する世論の大反発にビビって「裏金議員、比例重複認めず  旧安倍派ら8人非公認」(7日付東京新聞1面トップ)。
世耕、下村、西村、高木、三ツ林、萩生田、平沢、宮沢が非公認。でも、その他有象無象40人超は公認だと。
石破はレイシスト杉田水脈ら比例単独組を非公認に追い込め。裏金一派を公認するな。小泉鈍一郎(ママ)並みに刺客を立てろ。そこまでしないと怒れる有権者は満足しないよ。

追記:その後、非公認議員を拡大したが、結局34人を推薦。裏金議員に対抗馬は立てず。裏金・官房機密費ポケットぽい疑惑のノビタ松野博一も公認だと。レイシスト杉田は出馬辞退、ただし予定通り参院への鞍替えを画策中。こんな連中、金輪際、我々の税金で飼いたくはないね。全員落選しろ。

2面トップは「ガザ戦闘1年 パレスチナ側死者4万1000人超」「終わらせない紛争 ネタニヤフ首相の座に執着」
イスラエル側の死者は市民約1200人超、兵士720人超(10月7日現在)。これは戦争ではなく一方的な殺戮(りく)だ。4万人超に加え瓦礫の下に埋もれて発見されてない方々を含めるとどのくらいのパレスチナ人が犠牲になっているか。しかも子どもと女性が大半という惨劇だ。
SNSで流れてくるガザの惨状は目を覆うばかり。破壊された建物から運び出されるディズニープリンセスのドレスを着た幼女、頭が半分吹き飛ばされた乳児を抱く家族……イスラエルのやっていることは人の行いとは言えない。悪魔の所業だ。

今回の戦闘のきっかけはハマスによる奇襲と言われているが、そんなことはない。ガザ、ヨルダン川西岸からなるパレスチナ自治区では、ずーっとイスラエルによるテロ暴力が続いており、奇襲はその流れの中にある攻防の一つに過ぎない。
絶えず行われてきた自治区へのユダヤ人「入植」は、単なる引越し、移住ではないぞ。軍を伴い血と暴力でパレスチナ住民を追い出して農地を、家屋を奪う侵略だ。
かつて沖縄で米軍が「銃剣とブルドーザー」で住民を追い出したことを想起させる。
ネタニヤフは国内の支持率も低く「戦争やめろ」デモも頻発しているのに、自分の保身最優先、権力の座にしがみつくことしか考えず、連立相手の、民族浄化を叫ぶ狂った極右シオニスト政党と組んで虐殺を続けている。最近はレバノン侵略も始めた。イスラエル紙も「イスラエルの将来も考えていない。関心は首相の座にしがみつくことだけだ」と突き放している。

仕事帰りにジュンク堂。9月に買えなかった松本哉氏の「世界マヌケ反乱の手引書 増補版」(ちくま文庫、968円)があった!
「ちくま」の書棚にはなかったけれど、目の高さにずらりと並んでいる面陳列で見つけた(なぜか新潮文庫の棚のところ)。帯にこうある。「金持ち優先社会とは無縁の場所で、最高に面白いやつらと楽勝で生きよう!」
庶民の首を締め続ける国なんてアテにせず、こっちからお付き合いをお断りして勝手に仲間と居場所を作ってサバイバルしよう、という内容。
松本氏は高円寺でリサイクルショップを経営。学生時代は「法政の貧乏くささを守る会」を結成、大学当局とワイワイやりあっていたとかいないとか。

みつき、松本氏が2022年に地下出版? した本を持っている。
「寝そべり主義者宣言日本語版」(600円)。
中国で出回っていた本物の地下出版物を日本語に訳したコピー本。
競争社会に疲れた中国のビジネスマンたちが、「もうあくせく働くのやーめた、残業も拒否って、寝そべろう」って開き直って宣言しちゃった本。ネットで申し込んで購入した。読んだ、おもしろかったです。
宣言の冒頭「目の前で起きていることにうんざりして、首を横に振りながら吐き気を催している若者たちは、もうすでに寝そべっているのだ」
いつでも「寝そべってやろう」、そう思うことで、みつきは余裕を持って仕事に相対することができるようになったよ。気分が楽になったよ。もともと「仕事で自己実現派」ではないですしね。
この本は、みつきの「2022年わたしの5冊」入りしたお気に入りです。

以下はその記事の抜粋。
『強欲な資本屋のためにアクセク働くのは「もうやーめた」と寝そべり始めた中国の若者たちが書いた。
寝そべり主義者は「個人的な需要を減らし、最低限の消費と最小限の労働によって生存の維持に努める」生き方を模索、実践する。
この「もうやーめた」気分は、中国から欧米へ飛び火している。米国では今、Quiet Quitting という働き方が広がっている。会社のために粉骨砕身、寝る間を惜しんで、家族、恋人、友人との時間を潰してまでカネを儲けて何になる、そんな生き方、クソ喰らえ、定時になったら静かに退勤ボタンをクリックしてデスクから去る。
もう疲れているのだ、ウンザリしているのだ。出世のため、カネのため、同僚に差をつけるための働き方に。この非人間的生き方が、結局のところ、強欲な資本屋、その背後にいる腐臭漂う政治屋を儲けさせるだけ、ってことに、気がついてしまったのだよ。
だから、世界で若者が寝そべり始めているのだ。その震源とも言えるのが本書。
なお、「寝そべり」はグータラではないことを付言しておこう。
「寝そべっているのが楽なことだと当たり前に考えてはいけない。それどころか、寝そべったその瞬間から……この国の外に身を置くことになるのだ」と宣言は述べている。
覚悟を持って寝そべっているのだ。』

22年のベスト5は以下の通り。
・寝そべり主義者宣言 日本語版 (素人の乱5号店)
・令和勤労婦人詩集(鰊パイ互助会)
・それでも俺は、妻としたい(足立紳、新潮文庫)
・「反復帰論」を再び読む(沖縄タイムス)
・オキナワノスタルジックタウン(ぎすじみち、ボーダーインク)

この「マヌケ反乱」と雨宮花凛さんの「死なないノウハウ」(光文社新書、社会保障制度から民間サービスまでサバイブするためのノウハウを網羅)があれば、国をポイ捨てしても生きていけそうです。
これまで多額の税金を払ってきているんだから、生活保護はじめ使える制度はとことん使って図太く生き抜いていきましょう。

この日はもう一冊、「虎に翼 メモリアルブック 全26週名場面アルバム」(1430円、NHK)も購入。永久保存版です。

10月某日
山本太郎氏のれいわ新選組が衆院選候補者発表。れいわ、衆院選「立民重鎮に対抗馬」
太郎ちゃん「野党のふりを続ける重要人物の選挙区に立てる」
なんだかなあ。敵を間違えているんじゃないの? いま、追い落とすべきは自公の政治屋でしょう。政権交代に背を向けているみたい。
統一候補をめぐる調整のゴタゴタだかなんだか知らないけれど、もっと大局をみて判断できんもんかね。ま、これは全野党に言えることだけれども。今回の選挙は、一政党の党勢拡大よりももっと大切なものがあると思うのだが。
とくに沖縄1区。自民が当選しちゃったらどーすんだよ。
内ゲバやるのは自民だけにしていただきたい。

我々有権者は、選挙区でどれだけ候補が乱立しようと自公を落とすために、それが可能性な「よりまし」候補に、それが支持政党でなくても投票する。極右政権誕生を阻止したフランスの賢い有権者にならって「戦略的投票」をする。それだけ。
例えば、選挙区の裏金候補と立憲が競る展開。追う展開が社民、れいわ、独自の闘いが維新だったとする。例えば社民党支持者のわたしは鼻をつまんで立憲に投票する。支持政党は比例区で投票すればいいのだ。
(フランスでは選挙後、鼻をつまんでマクロン一派に投票してあげたのに、マクロンは左派連合を無視して組閣してしまった。その外道っぷりには呆れたけどね。投票後の政治屋の振る舞いまで予測できないよ。政治に命張ってるわけでない、いわゆる普通の、少しは自分の頭で考えるレベルのまともな有権者にとっては、極右阻止で目的達成。ダメな政治屋、政党は次の選挙で淘汰するだけだ)

追記:その後、れいわは沖縄1区での候補擁立を取り消した。批判の声を聞く度量に感謝。党勢拡大しか頭にない自民党補完野党・隠れ自公派との違いは明らか。

10月某日
9日、衆議院解散。15日公示、27日投開票。
争点は「政治と金」とか言われている。確かにそうだが、これは正確には「自民党と金」だよね。政治一般に話を広げるな。
関心は、自公過半数割れに追い込めるか、政権交代なるか。自公を政権から引きずり下ろせばいろんな問題が一挙に解決する。
・健康保険証の廃止が止まる
・辺野古基地の強行工事が止まる
・野放図な軍拡が止まる
・核兵器禁止条約への参加が進む
・選択的夫婦別姓が実現する
・同性婚、LGBTQの人権を守る法整備が進む
・危険なポンコツ原発の稼働が止まる
・消費税減税が始まる
政権交代まで行かないまでも、護憲勢力で3分の1以上、156議席を確保する。これも大切。
・憲法改悪の動きが止まる

前にも書いたが、「現行保険証存続」だけでも自公を負かす価値がある。
政権交代は、この国の閉塞感を突き破ってくれるでしょう。ならず者国家にまで劣化したこの国を再生してくれる。
「強い国より、やさしい国」
国がいくら強くても、株価がいくら高くても、日本すごいといきがっても、庶民の暮らしは楽にならないよ。そのことはこの12年間が実証済み。

同じ日、袴田巌さん(88歳)、無罪確定。検察上告断念。死刑囚から自由の身に。1966年の逮捕から死刑判決、再審決定、無罪獲得まで58年。
畝本直美検事総長の断念談話がふざけている。
でっち上げ、違法捜査で袴田さんの人生を奪いながら、全く反省していないどころか、「本判決が『5点の衣類』を捜査機関のねつ造と断じたことには強い不満を抱かざるを得ません』と逆ギレしている。
「私に対する取調べは人民の尊厳を脅かすものであった。殺しても病気で死んだと報告すればそれまでだ、といっておどし罵声をあびせ棍棒で殴った。そして、連日二人一組になり三人一組のときもあった。午前、午後、晩から一一時、引続いて午前二時頃まで交替で蹴ったり殴った。それが取調べであった。目的は、殺人・放火等犯罪行為をなしていないのにかかわらず、なしたという自白調書をデッチ上げるためだ。 九月上旬であった、私は意識を失って卒倒し……」(袴田巖さんを救う会・編「主よ、いつまでですか―無実の死刑囚・袴田巖獄中書簡」(新教出版社、1992)
こういう拷問、違法取り調べをしておいて開き直る国ってまともですか?

袴田さんの弁護団は10日、声明を発表。
「非人道的な取り調べや捏造への反省すらなく、何ら謝罪になっていない。許しがたい」
検察には、人の人生を握りつぶした悔恨などひとかけらもないのだろう。戦前・戦中の特攻警察と心性は変わってないんじゃないか、おい、こら。
この女検事総長、自民党の裏金事件では政治家連中を起訴せず見逃している前科がある。
女性なら誰でもいい、というわけではない。ネオナチ高市早苗を首相にしてはいけないように、レイシスト杉田水脈を国会議員にしてはいけなかったように、この方も検事総長にしてはいけない類いの方なのである。
危険な虎(政治屋)に翼を与えてはいけません。

追記:14日、静岡市内で開かれた報告会での袴田巌さんの言葉。
「長い闘いがございました。やっと完全な未来が実りました」
長年拘束されていた影響で妄想を抱く拘禁症が残るものの、穏やかな表情であいさつした、と16日付東京新聞。

10月某日
10・10空襲から80年。1944年のこの日、那覇市域は米軍の爆撃により約9割が灰燼に期した。
沖縄タイムスは数日前から空襲体験者にインタビュー、その悲惨な経験を伝えている。
本棚からウルトラマンの脚本家の一人、上原正三氏(1937年生まれ)の「キジムナーKids」(現代書館、2017年)を取り出す。
「高射砲が発射されているのだが、飛行機の高度には届かず空中で白い煙になってしまう。これは演習だと安心できる光景だった。実は米機動部隊のグラマン戦闘機隊だったのだが、素人には友軍機との見分けがつかなかった」
「ダダダダ! 機銃掃射を浴びせてきた。それまで遠くに見えていたのにアッという間に目の前に迫った。操縦席のパイロットの姿がはっきりと見える近さだった。庭で見ていた母ちゃんが倒れた。兄ちゃんが血まみれで屋根から転がり落ちた。父ちゃんも倒れ込んで苦しそうにもがいている。気がつくとポーポーも右前腕を飛ばされていた。地面に落ちた手首が甘味噌ポーポーをしっかり握りしめていた」
(ポーポーは上原氏の子ども時代の友人のあだ名。実家がポーポー屋だった。ポーポーとは小麦粉をといて薄く焼いたクレープに似たおやつ)

軍事拠点だけでなく民間地区も焼き尽くした無差別爆撃を始めたのは、ナチスドイツと日本軍だということを知る人はどれくらいいるだろう。
1937年4月からナチスが始めたゲルニカ空爆(ピカソが「ゲルニカ」でその非道を訴えています)、日本軍は8月から中国各地の爆撃を始め、翌1938年から1943年まで重慶爆撃を執拗に繰り返し、市民を殺戮した。今のガザの惨状を見ればその悪辣ぶりがよくわかる。
この重慶爆撃について、週刊新潮にこんなコラムが載った。
「軍事施設を正確に爆撃しただけで市民は一人も死んでいない」(2019年7月4日号、高山正之「変見自在」)
産経崩れのネトウヨ老人による荒唐無稽なデマ記事である。
「ここは社内校閲部のなかでも日本一厳しい」(吉田潮氏、2016年10月29日付東京新聞)と評判の新潮社の校閲は「死んだ」と思ったね、この時。以来、週刊新潮は「黒い報告書」、映画・読書コラムしか読まなくなったよ、あたしゃ。
因果応報。日本は後年、東京をはじめ日本全土が空襲に見舞われ、挙句、広島・長崎への原爆投下だ。
日本人は被害者を演じるのが大好きだが、加害者であったことは忘れたがる。
そのことを忘れたくない10・10空襲の日である。

10月某日
ノーベル文学賞に韓国のハン・ガン(韓江)さん(53歳)。韓国人の同賞受賞は初めて。アジア女性初。(11日付東京新聞)
「歴史的トラウマに立ち向かい、人間の命の儚さをあらわにした強烈な詩的散文」(受賞理由)
「彼女は人間に降りかかる暴力を描き続け、その中でも弱い存在である女性の痛みを通じ、世界の痛みを再現してきた」(翻訳家すんみさん)
11日付の上海紙・文匯報でハン・ガンさんはこう語る。
「私は痛みを抱えて生き続けることしかできません……私は、目立たず弱い人々がなぜ苦しんでいるのかを探り、書き留めたいと思っています。痛みを避けることは不可能です」
彼女の本が読まれる理由はこれかもしれない。みな何らかの痛みを抱えているはずだから。
ハン・ガンさんの日本語訳作品は「菜食主義者」「少年が来る」「ギリシャ語の時間」「そっと静かに」「すべての、白いものたち」「回復する人間」「引き出しに夕方をしまっておいた」「別れを告げない」(同日付沖縄タイムス)

ハン・ガンさんの作品はまだ1作しか読んでいない。「文藝 2019年秋号 韓国・フェミニズム・日本」(河出書房新社)に掲載された「京都、ファサード」(斎藤真理子さん訳、ファサードは建物の正面)。
本棚から取り出して再読。「詩的散文」とはこれか、と。当時は読みやすい文体だな、とだけしか思わなかった。
やはり同じ文章グッときた。
「もしかしたらあなたこそ、私を、最後まで自分のファサードしか見せてくれない無情な友と思ったのじゃなかったか。」
だから「能面」と言われるみつきにはグサっと刺さったのでした。

光州事件を扱った「少年が来る」、朝鮮戦争前後に済州島で起きた島民大量虐殺をテーマとした「別れを告げない」は是非とも読みたい。
さっそく地元の図書館のサイトで調べたら両書ともすでに全冊貸出中。「菜食主義者」も同様。
沖縄タイムスの記事によると「保守系の朴槿恵元政権下では、政権に批判的な芸術家としてブラックリストに名前が掲載された」(共同通信)とのこと。ますますみつき好みだ。
韓国文学、K文学といえばチョ・ナムジュさんの「82年生まれ、キム・ジヨン」(斎藤真理子さん訳)が好き。女性の抱えるモヤモヤを描き、すごく共感できたのよね。

韓国文学作品の多くを翻訳している斎藤真理子さんは、かつて沖縄で暮らしたことがある。その著書「韓国文学の中心にあるもの」(イーストプレス、2022)に、韓国留学中、友人が「たくさんの人が亡くなって埋葬されたからここの木はこんなに大きくなった、と両親から聞いた」と語るエピソードがある。「その後、沖縄に住んだときも同じような気配を感じた。地上戦が行われた土地は似ているのだろうか」と書いている。
『中心にあるもの』とは「この大都会にある見えない地層」、すなわち「戦争」なのでしょう。その意味で沖縄文学も韓国文学に重なるものがあるなーと思いました。
ちなみに真理子さんの姉は文芸評論家の斎藤美奈子さん。東京新聞「本音のコラム」筆者。

10月某日
核兵器の廃絶を長年にわたり訴えてきた日本原水爆被害者団体協議会(被団協)にノーベル平和賞!
12日付各紙が一面トップ。
ノルウェーのノーベル賞委員会は「核兵器のない世界の実現に向けた努力」を評価。委員会は「核兵器が二度と使用されてはならないことを証言を通じて示した。肉体的苦しみやつらい記憶を、平和への希望を育むことに生かしたすべての被爆者に敬意を表したい」
この平和賞には、イスラエルやロシアなど、ならず者国家が核兵器使用をちらつかせ、唯一の被爆国である日本が物騒な軍拡に走り核兵器禁止条約への参加を拒絶、核廃絶に背を向ける状況に警告を与える効果がある。
12日、記者会見した被団協は、石破茂首相の「核共有」発言に対し、「論外。政治のトップが必要だと言っていること自体が怒り心頭」と厳しく批判した。
そもそも日本政府は、被団協が求める核禁条約に参加しようとせず、米国の核抑止政策に丸乗っかり。「核廃絶」は口だけになっている。被爆者救済にもあれこれ条件をつけて消極的。挙句、岸田の「核抑止力」、石破の「核共有」。被団協が激怒するのも当たり前だ。
日本政府の本音は朝ドラ「虎に翼」で話題になった原爆裁判での主張でも明らかだ。ドラマではこの部分は描かれなかった。4月のこの日記にも書いたが、被告・日本政府はこう主張していたのだ。
「原子爆弾の使用は日本の降伏を早め……人命殺傷を防止する結果をもたらした」(3月29日付週刊金曜日より)
アメリカで原爆投下を正当化する際に使われる文言をそっくりそのまま使っていたのだ。
「核抑止」を信奉し「核共有」を言い出す自民党は今でも、そう思っているに違いない。
被団協代表委員の田中𤋮巳氏(92歳)は記者会見でこうも言った。
「核兵器をなくすのは人類の課題。皆さんは、全員が被害者候補だ」

ところで、日本人の快挙なのに、ニッポンポン大好きなアレな方々は熱狂しないんですか。こういう時に使うんですよ。あなた方が大好きな言葉、「日本すごい」は。
カズオ・イシグロさんがノーベル文学賞を受賞した時は、英国籍なのに無理やり日本の快挙に仕立てて大騒ぎしていたじゃない?
謎だよね、彼らのおつむの構造。
そうそう、カナダ在住の被爆者サーロー節子さん(92歳)が関わる「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」が2017年にノーベル平和賞を受賞した際、当時の首相・安倍晋三は喜びもせず、無視してたよね。会談を求めたICANと会おうともしなかった。なら「核なき世界」なんてほざくなよ、って思ったよ、当時。つくづく幼稚だと思うよ、安倍晋三とあの界隈は。
安倍に比べれば石破はまだ大人で、田中さんに電話したんだって。
「私も小学生の頃に被曝の写真を観て非常に怖い兵器だと思った」と言ったそう。
それに対して田中さんは、
「本当にそう思っているのなら、核共有とか非核三原則の見直しなんて言葉は出て来ないはずだ。怒り心頭、論外」と一蹴したそうです。
広島平和記念資料館は倉庫に仕舞い込んだ「被爆人形」を再展示するべきじゃないか。広島市教委は平和教育の教材として「はだしのゲン」を復活すべきじゃないか。

同じ12日の新聞に訃報。
ドラえもんの声優だった大山のぶ代さん、90歳。
1979年からだから、みつきが生まれる前からドラえもんだったのよね。
2005年の声優交代時はもうアニメから卒業していたから、のぶ代さんはドラえもんそのものなのでした。原作者の藤子・F・不二雄さんが「ドラえもんって、こういう声だったんだね」というほどのはまり役だった。

みつきが初めて観たドラえもん映画は「ドラえもん のび太の恐竜」(1980年)。小学校低学年の時に、クリスマスプレゼントとして母がビデオを買ってくれたんだった。
新聞の記事を読み進めていたら「ブーフーウー」(NHK、1960〜1967年)の声を黒柳徹子さんとやっていたんだって。そういえば、♪ブーフーウー さんびきのこぶた……って母がよく歌ってくれたっけ。サザエさんの初代カツオをやっていたのも今回初めて知った。
合掌。

10月某日
イスラエルの暴走が止まらない。今度はレバノン駐留の国連軍施設を2日連続で攻撃だ。
素朴な疑問1。国連軍はイスラエルに報復しないのか。しないからイスラエルがどんどんつけ上がるのではないか。
素朴な疑問2。レバノン軍は国土を侵略されて反撃しないのか。
「2」については16日発売のニューズウィーク日本版(10月22日号)に回答があった。
「レバノン軍が動かない理由」
①レバノン軍を支援してきたのは親イスラエルの欧米諸国なんだって②さらに侵略されたといってもイスラエルとヒズボラの戦闘なので国家としてのレバノンは無関係と政府は思っているなどなど。なるほど。
それにつけても国連軍の無力さよ。

10月某日
15日(火)衆院選、公示。
16日付東京新聞1面に掲載された関口克己政治部長の署名記事が響いたので要旨を。
◆「包容力」取り戻す選挙に
政治報道に関わってきた20年弱の間、部員や家族との会話でも、国会議員を呼び捨てにしないよう努めてきた。どんなに批判をされているような議員でも、国民の負託を受けた「国民の代表者」(憲法前文)であることへの自分なりのリスペクト(尊敬)があった。
最近、その信条にモヤモヤを感じてしまう。自民党派閥の裏金事件や相次ぐ不祥事で、国民の負託を裏切る議員があまりにも多いからだ。
「こんな人たちに負けるわけにはいかない」
2017年、東京都議選の街頭演説で、当時の安倍晋三首相が聴衆らに向けた言葉だ。首相が国民を「こんな人たち」呼ばわりした時、政治から優しさが失われた気がして、がくぜんとしたことは今でも忘れない。
政治に包容力を取り戻すのは誰か。それは選挙の時だけ、国民にすり寄る政治家ではなく、政治に負託する有権者。政権選択の機会となる衆院選で、自分の思いを一票に託したい。◆

みつきは安倍晋三から「こんな人」呼ばわりされて以来、こんなキャツら政治屋は呼び捨てだ。

16日の東京新聞に載った候補者一覧。自民党はロクデナシばかりだなあ、と呆れかえりながら眺めていたら、トンデモ候補者を発見。
Z世代が売りの某が自民党から立候補だと。東京某区。
私は、この人が、堀潤氏の朝のニュース番組に出ていた時の発言が、あまりに露骨に強者・権力者寄り、声を上げる人たちに冷笑的で、沖縄差別的で不快極まりなかったので、番組自体から離れたんでした。
(ほかにも成功者目線で「フン」と小鼻を膨らませ得意顔でマイノリティー、弱者を切り捨てるZ世代の男弁護士やら男起業家やらが出演していて、朝からウンザリさせられたものだ。
市井の感覚を失わず、おかしいことには「はて?」と疑問を口にし、声を上げていた女性コメンテーターたちとは大違いでしたね。堀潤氏と女性陣には申し訳なかったが、こうしてこの番組を見るのをやめたのでした)
正解でしたね。よりによって裏金カルトの自民党から出馬ですか。
出演当初は爽やかな印象でしたが、だんだん冷たく生意気な顔付きになり、どんどんコメントが上から目線になっていき、立候補した今は悪相化してますね。品性は顔に出るんです。
彼が①新宿・歌舞伎町で活動している女性支援団体を、ミソジニーなレイシストに同調して敵視、公共の電波を使って攻撃していたこと②その団体への補助金を批判していたくせに自分が立ち上げた団体は1億5000万円を国庫からをチューチューしていたこと、は絶対忘れない。
この人の言動にぴったりの言葉が、ある小説にある。
「自分の理屈は金ぴかの宝物でさ、他人の理屈は汚物だもんな」
(「夜半獣」花村萬月、読楽2021年1月号)
これって、ひろゆきだの、都知事選で2位になったあいつ(名前、もう忘れた)らに共通する不快さだ。
その彼、選挙運動では平気で候補者間の約束(区民まつり会場においては選挙活動をやらない)も破っている。新人のくせに早くもダーティーな自民党感丸出し。「自分は(新人だから)裏金は関係ない」とか言ってるけれど、自民党員になった時点で同穴なんだよ。某区の皆さん、賢明なる投票を頼みますよ。

この日、みつきは有休。3連休中にチョッコシ整理した文庫本とDVDを、近くのブックオフを持ち込んだ。
文庫本8冊、単行本2冊、洋書12冊、DVD20枚。
書籍は米澤穂信「インシテミル」、阿部昭「司令の休暇」、吉村昭「ポーツマスの旗」、堂場瞬一「焰」など。
DVDは、キャプテン、許されざる者、グラン・トリノ(未開封)、打撃王、雨の朝パリに死す・風と共に去りぬ・シャレード、プラトーン、エンジェルス、ラブ・オブ・ザ・ゲーム、スティング(2枚持っていた)、ショーシャンクの空に(未開封)、愛しのローズマリー、黄色いリボン・駅馬車(未開封)、羊たちの沈黙、がんばれ!ベンチウォーマーズ、さよならゲーム、リプレイスメント、パトリオット
合計1810円で売れた。
本は70円から30円以下。ショーシャンク150円、羊たち、エンジェルス、さよなら各50円。あとは30円以下。

査定中の1時間、店内をぶらぶら。110円コーナーで官能小説2冊購入。
神崎京介「女薫の旅 奥の裏に」(講談社文庫)
そう神崎もいたんだ。宇能鴻一郎・川上宗薫・富島健夫に続くスケベ作家が。
うかみ綾乃「指づかい」(幻冬舎アウトロー文庫)
うかみ氏のデビュー作。彼女は昔、堀潤氏の朝のニュース番組にゲスト出演したことがあった。その際、コメントしながら過去のつらい思い出からか泣き出してしまった。それで印象に残った。以来、気になって「ドミソラ」「窓越しの欲情」などを読んだのでした。

帰宅して録画しておいた映画を観ようとテレビをつけた。シカゴ・マラソンでケニアのチェプンゲティッチ選手が女性初の2時間10分切りですって。2時間9分56秒。従来の世界最高記録を2分近く更新。「ペースメーカーの男子に『少し遅いと感じたので(彼らに)そう伝えた』」(16日付東京新聞)そう。すごい。
NHKのアナウンサーが選手名をかんでしまい、かすかに苦笑いを浮かべたのを、みつきは見逃さなかった。でも、さすがプロ。2回目以降はスムーズに「チェプンゲティッチ選手」って言っていっていた。

そういえば幼なじみ、同じ高校陸上部の、みつきの初体験黒歴史の相手、タルヘーが、人類初の2時間9分台突入がいかに衝撃的だったか、口角泡を飛ばして語っていたのを思い出した。
なんでも1967年12月、福岡国際マラソンで豪州のデレク・クレイトンが2時間9分36秒4と史上初のサブテン。それまで12分台だった世界記録を一気に更新した。当時、陸上界では10分切りは1970年台とみられていたから、その衝撃は大きかった、と。
クレイトンは翌年のメキシコ五輪7位(金マモ・ウォルデ、銀君原健二)に終わったが、69年5月に再度のサブテン(2時間8分33秒6)を記録、実力が本物であることを証明した。この記録は1981年に同じ豪州のローバート・ド・キャステラが更新するまで12年間破られなかった、と。
いずれもわたしたちが生まれる前の話。さしずめ熟読していた陸上競技マガジンで仕入れた知識をひけらかしたかったんでしょう。みつきは生あくびで聞いていたはずだけど、こうして思い出すってことは脳に刻み込まれていたんだな。
男子世界記録はケルヴィン・キプタム(ケニヤ)の2時間00分35秒(2023年10月、シカゴ・マラソン。彼は今年2月事故で亡くなってしまった)。女子が9分台に突入した今、男子の2時間切りは時間の問題ね。

映画は林芙美子原作「放浪記」(1962、成瀬巳喜男監督)を観た。高峰秀子が極貧生活、男運の悪さを総身から醸し出している。背筋をピンと伸ばして歩くことを習慣としていたデコちゃんが、映画では背を丸め、眉を下げて、世間なんてこんなものと達観して生きている、でも「書くこと」には手を抜かない林芙美子を好演。

映画の中からいくつか気に入ったセリフを。
仲谷昇「君はいいなあ。どんな苦労もみんな明るく吸い取ってしまう不思議な海綿を胸に持っているみたいだ」(秀子を口説く)

高峰秀子「だって、新しい女を口説く時は前の女の悪口をいう。それがお決まりのコースです」(女房への不満を口にする仲谷を「あはは」と笑いながらあしらう秀子)

高峰「私は男に甘い女なの。自分が怖いから。自分に懲りているから。だから……」(と言いながら、仲谷になびいてしまう)
芙美子はこんな詩を書く。
『私はお釈迦様に 恋をしました ほのかに冷たい唇に 接吻すれば おおもったいないほどの しびれ心になりまする もったいなさに なだらかな血潮が逆流しまする』

仲谷「僕はね、君を静かな部屋に置いて、詩や童話を書かせたいんだ」
高峰「自分の奥さんだって食べさせられないで別れてるんでしょ」

草笛光子「なんだか女くさいわね、この部屋。その人もここで寝るんでしょ」
仲谷「馬鹿な。僕がいつも孤独と向かい合っている部屋だ」(浮気者の仲谷、草笛を秀子との愛の巣に連れ込む)

草笛「私ね、別れたのよ。彼と。男のくせに自惚ればっかり強いの。美男子だったら女を騙す権利があると思ってんのよ」(仲谷について秀子にぼやく)

高峰「どうしたらいいのか。私にはわからない。この男と一生連れ添っていくうちには、鋼のように鍛えられて泣きも笑いもしない女に訓練されそうな気がしてくる」(イケメン作家・宝田明と結婚したものの)

草笛「おふみさん、面食いなのよ。美男子ばっかり選ぶから、そのお返しが来るんじゃない?」

高峰「あんたなんかいなくたって、私はちゃんと生きていけるんだ。寂しかったら来いよ、なんて偉そうなこと言っといて、十日たち、二十日たって、寂しくなって訪ねてくるのはあんたじゃないの!」(自分勝手な宝田明に怒鳴る)

ラスト、作家として名をなした秀子は自宅で忙しい日々を送るが、あまりうれしそうじゃなかったな。彼女の有名な詩、「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき」が画面に浮かぶ。
森光子さんの舞台で有名な「でんぐり返し」は映画にはなかった。
原作の「放浪記」は恥ずかしながら未見。Eテレの「名著で100分」(ママ、2023年7月放送)は見た。
作家・柚木麻子さんが「芙美子は………執拗に改稿を重ねています。もはや魔改造です。正直な話、改稿しない方が良かったんじゃないかなというところも多々あります。……大抵最初の方がいいんですよね」って解説しているのを聞いて、そうなのか、と。直せば直すほど良くなると思っていたから。文章を書くって難しい、大変。

しかし、映画のセリフを一時停止して書き留めている図は、夜ドラ「ミワさんになりすます」(2023年10月〜12月、NHK)の松本穂香さんと一緒だわ。あらためてビデオもDVDもない時代に、セリフを記憶して映画エッセーの大傑作「お楽しみはこれからだ」シリーズを著した和田誠さんの偉大さに感服。

そうそう猫背は体に良くないのよ。
デコちゃんいわく
「頭のてっぺんを糸でつりあげられ、おへそに長い棒が通っているつもりでスッスッと歩いてみると、なんとも気分がいいし、第一身体が疲れないことに気がつくだろう。そうなれば、しぜん、立ち居振る舞い、身のこなしもスマートになる」
さっそく実行。

10月某日
朝、ベランダに出たら、空気がほのかに甘い。キンモクセイの香りが鼻をくすぐると秋が来たって思う。通勤路にもオレンジ色の小さい花をいっぱいつけたキンモクセイがあちこちに。
でも、このところずっと気温25度以上の夏日。10月中旬以降に都心で夏日が5日以上続いたのは1951年10月15日〜20日以来、73年ぶりだって。都心の夏日は16日で150日となり、昨年の143日を上回って1875年の統計開始以降最多。
まあ、35度以上のうんざりする暑さを経験した身には夏日なんてちょろいちょろい。大したことなし。

16日付東京新聞「大波小波」。大いに頷いた。(鈴虫)氏は『ナチズム前夜 ワイマル共和国と政治的暴力』(原田昌博、集英社新書)を引き、「言論暴力も暴力である。暴力は伏流する」「伏流水のように社会の地表から草の根に沈み、時間をおいて湧出する」と書く。民主的なワイマル憲法を掲げたドイツでは「暴力を忌避しない政治文化」がいったん伏流した後、ナチズム喝采という形で吹き出したという。
「『そんなに不安なら中国へ帰れよ』と投稿した人は、自分が放った言論暴力が、どのように伏流し、時間をおいて社会の地表に噴き出すか、想像もつかないだろう」

不気味な世の中になったものだ。
関東大震災を見よ。過去に限らない。現在進行形の、人を人と思わぬイスラエルによるパレスチナ人大虐殺を見よ。
上は自民党・日本維新・国民民主・その他ウヨ政党の政治屋、下はネットや路上に蠢(うごめ)くカルト・ネトウヨ・ミソジニー・冷笑系のクズらによる、この国に蔓延するヘイト・デマ言動を見よ。放っておけば伏流し、将来必ずとんでもない暴力となってその醜悪な姿を現すぞ。
だから杉田水脈はじめ、ウヨ雑誌に群れるような極右・レイシスト・カルト・下層の雑魚によるアイヌ・沖縄・朝鮮・中国・アジア人・クルド人・障害者・性的少数者・女性などへのヘイト言動は、存在を許してはいけないのだ。発言が出た時点で潰しておかなければいけないのだ。発言を真に受けて信じ込む人が増える前に潰さなければいけないのだ。
(鈴虫)氏は「暴力の芽を見つけて摘みとるだけでなく、議論の場を作りたい」と締めているが、議論は無理でしょう、レイシストには。彼らは議論する気はないし、議論をする知性を欠いているんだから。そもそもそもそも、ほんのひとかけらでも知性を備えていたらヘイトには走らないでしょう。
「国へ帰れ」
レイシストがバカの一つ覚えで吠えるこの言葉、裁判で「違法な人種差別に当たる」と認定されているからね。(2023年10月、1横浜地裁川崎支部判決)
参考までに書いておく。

10月某日
17日の新聞各紙が衆院選序盤情勢調査。
「与党過半数で攻防 自民裏金で低調、立民勢い」(共同通信)
「自民過半数割れ 立憲98から伸ばす勢い」(日経新聞)
「与党で過半数見通し 立憲128議席前後うかがう」(読売新聞)
賢い投票。戦略的投票で自公過半数割れに追い込みたいですね。

で、落選濃厚の自民党裏金議員が必死こいている。
すがるのは極右・カルト・安倍・アホウヨしかないとばかり、応援に櫻井よしこや安倍昭恵、ネオナチ高市早苗を呼んで、これじゃあ逆にまともな支持者の票離れを引き起こすだろう、というなりふり構わぬぶり。
櫻井お婆さん「萩生田氏が落選したら日本は壊れる」
バカ言うな。彼は安倍晋三とともに日本を壊した張本人だ。こんな国にしてしまった張本人だ。国会にいない方が国のためだ。
安倍昭恵「主人のまいた種が丸川さんの中にもある」と涙をハンカチで拭った。
丸川珠代の中に主人のタネが? なんとも卑猥(ひわい)な演説だ。昼のメロドラマ並みのエロさ。聞いてて頬が赤らむレベルです。
世耕弘成に至っては「いま、安倍さんの形見を身につけております。靴を履いております」
目が飛んでるよ、世耕。もうオカルトチック、不気味すぎて笑いも出てこない。

みつきは、出社前に役所に出向いて期日前投票をしたよ。けっこう人がいた。
小選挙区は、野党乱立も情勢調査で一歩リードしている立憲新人候補に。比例区は、学生時代から支持している護憲の社民党に。日本初の女性党首を生み、一時は政権を取ったこともあるけれど、いまや風前の灯。情勢調査では比例0。なんとか政党要件を満たす有効投票の「2%」に届け、君に届けとばかり、鉛筆の芯が折れるほどの勢いで渾身の一票を投じた。最高裁判事国民審査は全員バツ。これまで不信任が過半数を超えてクビになった判事は皆無だが、当の裁判官たちは票数を気にしているようなので、「有権者は見ているぞ」と意識させるために必ずバツをつけている。
今回は沖縄の敵、宮川美津子にはとりわけ大きく濃くバツ印を書いた。①辺野古新基地建設を強行した国の代執行を巡る訴訟と大浦湾のサンゴ類特別採捕許可を巡る訴訟で県の上告を不受理としたこと、②石垣市への陸上自衛隊配備の賛否を問う住民投票を実施するよう求め、住民が市を訴えた訴訟(当事者訴訟)で住民側の上告を棄却したためだ。不信任票トップとならんことを。

追記:最新の情勢調査によると、自公過半数割れが視野に入ってきたみたいで大変めでたい。しかも、ここへきて自民党が裏金非公認議員全員に選挙資金2000万円を振り込んでいたことが発覚。「非公認」は偽装だったのだ。どこまで有権者をコケにするのか。
はい、できました。
「国民を欺き馬鹿にする自民『それでも自民に投票するさ』」
ふざけるな!ニャロメ! これでますます自民から票が逃げることでしょう。とにかく自公に鉄槌だ!
情勢調査、うれしくない予想も。あの安倍信者・ネトウヨ・カルト・レイシスト・ミソジニー・歴史改ざん一派の吹き溜まり極右政党が複数議席を獲得するかもしれないという。ああ、嫌だ、嫌だ。レイシスト杉田水脈が消えてせいせいしたのに、今度は「女子大に入りたい」などとLGBTQを揶揄する品性下劣ツイートを連発する「永遠に〇〇」な出鱈目ポンニチ国紀作家らが国政を汚しにくるのか。こんな連中を我々の税金で飼うのはごめん被りたいのだがな。
さて有権者の判断は……。
(10月後半へつづく)

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