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自分を他に“合わせる”努力を手放すとき
もし、18世紀末にウィーンあたりで
作曲コンクールがおこなわれ
ベートーヴェンがエントリーしたとしたら
彼は優勝しただろうか?
その斬新さ、凄さを理解できない保守的な審査員から
最低点をつけられてしまうかもしれません。
“もし、コルトー(※今は亡き大ピアニスト)がピアノコンクールを受けたら、予選で落とされるだろう…”
同業者(ピアニスト)の間で頻繁に話されることです。
あまりにエモーショナルで自由な彼の演奏スタイルは
確かに、聴く人を選ぶところがありますが
それだけに、他の人にはない麻薬的魅力や
えもいわれぬ官能を感じさます。
✴︎ ✴︎ ✴︎
人は、その人の“評価基準”を超えるセンスや天才性を
まっとうに評価することができません。
それどころか、いつもは美味しく頂くお店のお料理も
体調が悪かったり満腹だったら、美味しく感じません。
評価や感想はあいまいで、うつろで、不確かなもの。
人から評価を得たいと願うのは人間の性ですが
それと引き換えに、何より大切なものを差し出す価値が
そこにあるでしょうか。
他人の評価に自分を“あわせる”という努力を手放したとき
もっともっと素敵な自分が出てくるとしたら…?
ひとの意見に耳を傾けることができるのは謙虚なことですが
自分の心に耳をすますことは、もっと尊いこと。
自分を心底信じることより大切なことなど
それほどたくさんはないと思っています。
自分も相手も
無条件の信頼でつつむこと
愛とは、そんなものなのかもしれません。
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いよいよ3月。
今月の 杜音おうちコンサート 【とぶものととんでもないもの】〜いきものの息吹を聴く〜 は、
そんなメッセージをのせてお届けしてまいります。
虫たち、鳥たち、動物たち…
生きとし生けるわたしたちが
お互いに眼差しを交わしあって生まれたような
ステキな10曲をセレクトしました。
おまけコーナーでは、鈴木がこの頃ハマっている
昭和歌謡や映画音楽もお届けします😊
皆さまのご参加を、心からお待ちしております♫
→おまけコーナーへのリクエストもぜひどうぞ🙏
*今回のプログラムで取り上げる
バルトークの“ハエの日記から”解説と演奏動画はこちら⤵︎
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