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ウルグアイってどんな国? | ミュージック・ジャーニーvol.40

南米有数の避暑地として有名なプンタ・デル・エステ

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、南アメリカ南東部に位置するウルグアイ東方共和国へ、駐日ウルグアイ東方共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

ウルグアイは、20世紀初頭より様々な社会保障制度が整備され、公教育の無償化や電力の約100%を再生可能エネルギーで賄うなど、中南米において国民の所得格差が最も小さい社会福祉国家の一つとして発展し、「南米のスイス」とも呼ばれています。
また、ウルグアイの南を流れるラ・プラタ川周辺で栄えたとされるタンゴは、2009年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

旅のはじまりに、2018年の民音音楽博物館 レクチャーコンサート 8.25「ウルグアイ東方共和国独立記念日」祝賀コンサートより、ウルグアイで作曲されたタンゴの名曲をお楽しみください。

1.「ラ・クンパルシータ」/G. マトス・ロドリゲス
演奏:ウーゴ・ファトルッソ(ピアノ)、マルティン・タラゴナ・ヴァリ(ギター)、ヘルヴァシオ・タラゴナ・ヴァリ(クラリネット)
8.25「ウルグアイ東方共和国独立記念日」祝賀コンサートより

最先端都市 首都モンテビデオ

南米最南の首都モンテビデオは、ラ・プラタ川下流の川岸にスペイン帝国の要塞として創設され、18世紀半より港湾都市へと発展しました。
マーサーが発表した「2019年世界生活環境調査 (Quality of Living Survey)‐都市ランキング」では、モンテビデオが中南米における最高位の都市に選ばれ、AIやIoTやなどの技術を積極的に活用したまちづくりが行われています。

独立広場の西側に位置する旧市街は、多くの歴史的建造物を残しつつ、証券取引所や銀行が集中するビジネス街です。1856年に設立された南米最古のソリス劇場は、国家文化遺産にも指定され、旧市街で最も象徴的な建物の一つとなっています。

東側の新市街は、1830年のウルグアイ憲法発布を記念して命名された7月18日通りを中心に商業が栄えています。
また、ヨーロッパにいるかのようなラ・プラタ川沿いの高級住宅街や、憩いの場としてジョギングやサイクリングを楽しむ人々で賑わう遊歩道のランブラ通り、ウルグアイ料理が堪能できる食堂街のメルカド・デル・プエルトなど、モンテビデオは様々な顔を持つ魅力的な都市です。

ランブラ通り
メルカド・デル・プエルト

2.「マランべテ」/ウーゴ・ファトルッソ
演奏:ウーゴ・ファトルッソ
8.25「ウルグアイ東方共和国独立記念日」祝賀コンサートより

ウルグアイの豊かな自然と世界遺産

海岸や沼地が保全されているウルグアイは、美しい自然と豊かな文化に恵まれています。ラ・プラタ川岸から大西洋岸に連なるリゾート地帯には、南米でも有数のビーチ・リゾートとして有名なプンタ・デル・エステがあり、国内外からサーフィンやカジノ、ディスコ、スパなどを楽しむ人々が集います。

また、ウルグアイ南西部コロニア県にある“コロニア・デル・サクラメントの歴史的街並み”は、1995年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。
ポルトガルの貿易港として栄えたこの街は、植民地時代の雰囲気が残る石畳の道や博物館など美しい街並みが広がっています。

ここで、シンガーソングライターで、ウルグアイの音楽シーンで最も重要な詩人の一人であるダルナウチャンスが作曲した曲お聴きください。

3.「バラダ・パラ・ウナ・ムヘル・フラカ」/ E. ダルナウチャンス
演奏:マルティン・タラゴナ・ヴァリ(ギター)、ヘルヴァシオ・タラゴナ・ヴァリ(クラリネット)
8.25「ウルグアイ東方共和国独立記念日」祝賀コンサートより

牛肉消費大国ウルグアイの食文化 

ウルグアイは、国土全体がなだらかな丘陵地帯で、その約8割は農牧に適した肥沃な大地が占めています。広大なパンパ(草原地帯)では、ウルグアイの全人口の約3.5倍となるおよそ1200万頭の牛の放牧飼養が行われています。新鮮な牧草のみを餌として飼育された牛の肉は「グラスフェッドビーフ」と呼ばれ、高タンパクで低カロリーなさっぱりとした赤身がウルグアイビーフの特徴です。

ウルグアイは国民一人当たりの牛肉の年間消費量が世界第一位を誇り、各家庭の食卓には、パリージャ(専用の金網)を使って薪で焼くアサードなど、毎日のように牛肉料理が並びます。ウルグアイワインの“タナ”は牛肉との相性がとてもよく、国内外で親しまれています。

牛の骨や革、木材、羊毛、半貴石などを活かしたウルグアイの伝統工芸品は、観光客に人気のお土産の一つで、世界各国へも輸出されています。

ウルグアイ発祥の豊かな音楽文化

音楽大国ウルグアイには、首都モンテビデオのバリオ・スールで発祥したカンドンベという音楽様式があります。
17世紀末、モンテビデオの人口の約30%は、奴隷としてウルグアイに連れてこられたアフリカ系住民が占めていました。彼らの儀式をルーツとして、チコ、レピーケ、ピアノと呼ばれる3種類の軽快な太鼓とダンスによって形成されたカーニバルのジャンルがカンドンベです。
国に禁じられながらも続けられてきた魂の黒人音楽は、2009年に、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。

毎年1~2月には、ジャマーダスという世界で最も長期間(40日間)とされるカンドンベのカーニバルが盛大に開催されています。民族衣装を身にまとった数百人の打楽器奏者やダンサーがリズムに乗ってパレードを行い、通り沿いにはレストランやワインバーも軒を連ねるなど、街中が活気に満ち溢れています。

それでは、ウルグアイを代表する音楽家ルベン・ラダの曲をお聞きください。

1.Chão da Mangueira feat Carlinhos Brown

2.Negro

[ルベン・ラダ]
ウルグアイを代表する打楽器奏者で、歌手、作曲家で、カンドンベにロックやジャズ、サルサやソウルなど様々なサウンドを融合させ、ポピュラー音楽の中に取り入れたことで、カンドンベを国内外に広めました。60年以上に及ぶキャリアを持つ彼は、「カンドンベの帝王」、「黒き魔術師」と呼ばれ、ワンフレーズ聞けばわかる独特のラダ節で絶大な人気を誇る国民的スターです。

2021年、日本・ウルグアイ外交関係樹立100周年を記念し、待望の初来日公演を開催。ツアー映像とインタビュー記事をUPしています。

ラ・プラタ川上空からの眺め

皆さん、ウルグアイへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日ウルグアイ東方共和国大使館

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-


この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/11121/min-on-music-journey-no-40-uruguay/

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