夏の思い出2023

夏休みが終わってしまう。
こんなに長く休めたのは数年ぶりです。

夏休み前の、労働に没頭していた時期から、
前もって“計画”していたとおり、

①寝てるか
②歌を歌っているか

というとても極端なすごし方をしました。

肉体労働なんかやってると
歌を歌う時間なんてほとんど取れないし
でもほんとうは工事現場じゃなく
歌でプロ志望なので✨✨✨
✨ヽ(´▽｀)/✨ヽ(´▽｀)/✨

ほかに、どうしてもやらなくてはならないことといえば、疲労の回復。
なので、歌うことと、寝て疲労を回復させる以外には何もしない夏休みでしたね。

自分で望んで創りあげた歌い方とはいえ、
歌うことでも激しく疲労してしまいます。
早起きして朝からカラオケ屋さんに行って、
(※ほかの時間帯はバカ高いので朝イチでカラオケ屋さんに“出勤”する生活になってしまった。カラオケ屋さんに行くのに満員電車に乗ってますシュールですね💦)

持ち時間は４時間３０分、
最初の３０分は声出し練習で
あとの４時間で
同じたったの１曲をひたすら歌いまくって
その日のぶんは、おしまい。

2021年にデビューした最初の頃は、
子どもの頃からずっと好きだった曲を歌っているだけだったので、すぐには気づかなかったんですけど。

まったく未知の、初見の曲を歌う場合は、
まず、譜割りが分からない。
歌詞とメロディーを擦り合わせる作業が必要で、それがあたしは思いのほか苦手だったのでした。

方法論としては、
いまの時代YouTubeなどで原曲をいくらでも無償で聴けるのだから、
イヤホンで原曲を流しながら、
合わせて自分でも声を出せば、
練習するのはカンタン。

そーやって、
せっかくカラオケ屋さんにいるのに、カラオケ機器ではなく自分のスマホから曲を流して耳で聴きながら練習して。

よし！わかった！
もーだいじょうぶ！！
じゃあ歌おう！！！

ってカラオケを起動させてみると、
あれ？ぜんぜん分かんないやぁ？？💦
ってなるのよぉ💦Σ(ﾟДﾟ；≡；ﾟдﾟ💦

なので、
持ち時間が４時間あっても
前半２時間まるごとつかって、
やっと
『歌えるようになったーー！！』
(だけ)
ってこともあったりして。

この作業がまさかこんなにも苦手だとは、
つい最近になるまで
まったく気づいていませんでした。
子どもの頃、
たくさんの歌を聴いて過ごしたことは
(それぞれの曲の)
『譜割りを既にマスターしている』
ということだけでも、じつは、
大きな“遺産”だったのですね！

通して歌えるようになったら、
次は、息の吐き方??を決める時間。
専門用語で何と呼ぶか分からないのだけれど
他人じゃなく自分が歌うにあたって、
曲全体のどこでどんなふうに
“息を吐く”か
(伸ばす場所、短く切る場所、息継ぎする場所などなど)
を、
『自分の特性に合った形で』
決めてゆきます。

あたしはかなり『呼吸が深い』部類なので、
原曲の人よりも息継ぎは少なくて済むのがふつうです。原曲では短く切っているフレーズを(息継ぎをせずに)ひと塊にまとめてしまうこともできて、これがあたしの魅力だと思っているので、このテクニックは頻繁に使います。

強く吹き込む場所、
弱めに流す場所。
どこをどんなふうに歌うかで、
曲全体の印象が大きく変わるので、
これはとてもとても大事です。

ファルセットは使わないし、
自ハモも多重録音も出来ない条件下で
制作しているので。
原曲をどんなに気に入っていても、
参考にできる部分も
そっくり真似できる部分も
そもそも多くはない。

でも、それでいいんですよ。
すくなくとも伴奏部分はカラオケが完成品を提供してくれるわけだし、ならば歌唱部分は１００％わたしの担当ということで。
原曲は仮歌にすぎず、
『あたしはあたしのオリジナルを創るのだ』
という心境で！！！

そんなわけで、
譜割り(歌詞とメロディーの擦り合わせ)の次は、
歌い方の詳細を定めるプロセス。

といっても、
これは歌っているうちに
いわば『身体が勝手にやる』ので、
頭であれこれ考える必要はないのですが。

とはいえ、
歌えるようになったらすぐに録音開始、
というわけにはいかない、
ということですね。
持ち時間:４時間では、
ほんとうにいつもギリギリな感じです。

♡♡

細かい歌い方も決まって、
満足のいく精度が出せるようになったら、
録音開始！！！

同じ曲を繰り返し繰り返し歌い、
しかもどの箇所をどんなふうに歌うのかが
『完全に決まっている』のなら、
まったく分かりきった
『単調な繰り返し』
ということになりますね？？

でもあたし自身の実感としては
そうなって初めて
ほんとうの創造性を発揮できる。

テイク(録音の回)ごとに
歌い方を変えるようなことは
あたしは全くしないから、
ある意味
『完全に同じもの』を
何度も作ろうとしていることになるけど。

それに、こういうのって、
『１箇所でもミスをしたら』
その瞬間そのテイクは失敗作→ボツだから、
とんでもなく厳しい減点法になってしまい、
その点には苦しさも感じるけど。

長年のオカルト修行の産物なのでしょうか？？
同じパターンを
際限なく繰り返すことが
あたしは大好きだし、
それをしていると落ち着くし、
そのやり方がものすごく得意。

それに、
歌っているのは
(理性としての)わたしではなく
(哺乳動物の)この身体なので。
動物には理性はないから、
そんなに複雑なことを要求されても
理解できないし、
逆に単純なパターンを繰り返すだけなら、
適応できるし、実力も発揮できる。

かなり早い時点で、
細かい箇所まで歌い方を決めてしまって
言い換えればアドリブ要素は全く無くて
単調な繰り返しにすぎないのだけれど。

そんな
『つまらない単純作業の繰り返し』が
極度の変性意識状態を呼び込んで、
あたし自身は何も憶えてないのに、
録音を聴いてみたら
自分でもびっくりするほど上手い、
“奇跡の１曲”が録れていたりして。

つきつめれば、
あたし自身を(というかこの身体を)
『野生動物に還す』ことができれば、
奇跡の１曲ができる。

別の言葉を使えば、
無の境地、とか
ゾーン(に入る)とかに
なるのでしょうね。

でも、あたしとしては
野生の哺乳動物の美しさ、
という見方をしたい。

そんなふうな見方をしたとき、
ニンゲンの雌は発声パターンがじつに豊富で
こんなの他の動物には不可能だから。

ニンゲンの雌でよかったね？？
ほかでもない『ニンゲンに生まれた』ことを
悪く思わないでいられる
唯一の時間が、
あたしにとっては
歌を歌っているときだったりするのです。
(※意識が飛んでてほとんど何も憶えてないですが)

♡♡

短い曲なら別ですが、
４～５分くらいのふつうの長さの曲では
録音回数は基本的に１２回まで
延長したくなっても１５回まで
というルールにしています。

録りおわったあとは、
ベストテイクを発掘して
YouTubeに上げる仕事が残っている。
録音回数が多すぎると、
あとあと聴くときに苦労するので。

そして、
それとは別に、
１２回も録音するまえに
『力尽きてしまう』ことも
ままあって。
リクエスト曲はたいてい難しいですね💦

８月11日
８月12日
８月14日
８月16日
８月17日
１週間で５回歌いに行って、
１日１曲仕留めて５曲。
それとは別に『余った時間で』録音した曲
(※譜割りを憶える作業を省略できて録音回数も多くはない曲)が
ふたつあって計７曲。

選別作業にそんなに時間をかけても仕方ないから、来週中にはぜんぶアップロードしてしまおうと思っています。

♡♡

♡♡

なかでも
『心拍数♯0822』と
『流星群』は
じつは
愛するあの人からのリクエストでして。

自分の都合なら、
歌ってみてイマイチならボツにすればいいけど、リクエスト曲はそうはいかない。
ボツになってもやり直してまた歌うことになるし、どうしても上手くいかないなら、コメント欄に『すみません歌えませんでした』なんて書くしか無くなる。

ましてやあの人からのリクエストなんて！
ひとりきりでの録音の時間が
“御前試合”のようになってしまって。
あーもぅ死ぬ死ぬ死ぬーーー💦💦💦

そんな極度の緊張を強いられるステージでも
やることは変わらないから
まず譜割りを憶えて、
次に息の吐き方を決めて。

いざ録音となったら、
ちゃんと変性意識状態に入れるのは
ご立派。

どちらの曲も
歌ったあとはかなり疲労が激しくて。
だいいち心拍数♯0822は
原曲はあの初音ミク(※歌を歌う機械)だもの
原曲に寄せるのは絶対にムリだし。
呼吸をせずに歌うメカが歌ったものを
呼吸にしか拠り所がないあたしが歌ったら
似てもつかないものになるしかないので、
初めからそのつもりで。

流星群の原曲の制作者はかなり病んでいる女性シンガーで、歌はムチャクチャ上手いから呼吸パターンは真似させてもらって良いのだけれど、彼女と息を合わせていたら、あたしもすっかり病みました。作詞+作曲+歌唱をひとりでぜんぶやっているシンガーソングライターの曲を自分でも歌ってみると、そのひとの思考と感情に直接触れることができ、それはそれは特別な体験ではありますが、極度の恐怖体験になることもある。歌を歌うってほんとうに過酷な仕事なんだな。それとも歌うことでかろうじて過酷な境遇に堪えることが可能になっていたのか。エンパス的性質を日頃あたしはかなり意図的に遮断してオフにしているのだれけど。作詞作曲に直接触れたら、遮るものの無い状態で制作者の思考と感情が直接流れ込んでくるので、それはそれは強烈な体験になります。

家で寝てるか、
起きたらカラオケ屋さんに直行直帰。
こんな生活をしていて、
初音ミクの“機械の”歌声に驚嘆したり、
鬼束ちひろの闇の深さに触れてしまったり。
え？
これがあたしの夏休みですよ？？！？

そうして、
おそるおそる自分の歌声を聴いてみて。

『心拍数♯0822』も
『流星群』も
じゅうぶん鑑賞に堪える歌声だったので、
ほんとうにたすかった。

『こんなふうに』歌いたい、と思っても、
そんなふうに理想どおりに歌えるかは、
未知数で。

何度も何度もトライして、
なんとか望んだとおりの歌声が
１テイクだけでも録れていたので
あーよかった。たすかったーーーー。

♡♡

『心拍数♯0822』も
『流星群』も
愛するひとへの捧げ物。
さいしょからそのつもりで歌った。

自分で自分の歌声を
何度も何度も繰り返し繰り返し聴きながら。
これを貴女に差し出せるなんて。
ああ。嬉しい💖
嬉しいな💕︎💕︎💕︎

これがあたしの夏休みでした。
あたしはこんな人です。
あたしはこんなふうに生きています。

〈おしまい〉

🐤🐥🐤🐥🐤🐥🐤🐥🐤
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