ノトコレブックという本
『noter Collection Book』
ノトコレ ブック
▲xuさんが作ってくれたプロモーションムービー
『ノトコレブック』という本は
約半年前に私の思いつきから生まれた本です。
30名の創作を背に乗せて、飛び立っていくこの本がどうやって生まれたのか、どうやって形になっていったのか。
ちょっぴり羨ましい、が種になる
2022年11月20日。
交流のあるnoterさんが出店されるというのを直前に知り、初めて行った文学フリマ。
リアルで会える喜び、手にできる喜び。
そこには「楽しい!」が溢れていました。
すごくいい意味で、大人たちがはしゃいでた。
ちょっぴり羨ましい。やってみたい。
自分もあの中に入ってみたい。
そんな気持ちが種となり、じゃあ私には何ができるか、を考え始めたのです。
自分へのご褒美として「体験」を買う
文学フリマに出る。
そう思ったときに、まずお金のことを考えました。出店料は1ブース5800円。これは長机の半分なので、2ブースを想定すると11600円。個人的な金銭感覚からすると安くはないけど……。展覧会を開く場合には小規模でも場所代だけで数万円〜十数万円はかかる。しかも立地が悪ければ集客も難しい。
一方、文学フリマはすでに集客が約束された場所。来てくれた方とゆっくり時間を過ごすことはできないけど、かなりコスパがいい、と思いました。
こういうイベントは出店料以外にも色々お金がかかります。商品の制作費用はもちろん、当日のディスプレイやフライヤーなどなど。6万円……くらいか。ポンと気軽に出せる金額ではないけど、たまには贅沢してもいいんじゃないか。
子どもができてからずっと。ワンオペの子育て家事に追われて、その隙間を埋めるように仕事をして、自分に使えるお金も時間も全然なくて。とにかく1日1日を終わらせるのに精一杯でした。
でも、子どもの成長とともに少しだけ余裕が出てきた今ならできるんじゃないか。ストックイラストなどでちまちま溜めたお金を使って。そう思ったのです。
頑張ってきた自分へのご褒美として、「文学フリマに出店する」という体験を買おう。
そう心に決めました。
どんな本にしよう
出店するためには商品が必要です。
どんな本を作ろうか。
「私も文学フリマで、はしゃぎたい」
ここを出発点とすると、自分の作品だけを販売しても意味がないな、と思いました。
そもそも私は自分の作品を多くの人に知ってほしいという気持ちが薄い。(←クリエイターとしては致命的!)
では何をしたら楽しい体験が買えるのか。
はしゃぐためには人を巻き込む必要がある。ひとりじゃつまらないですからね。
noteの交流をそのまま本にしてしまおう。
私はnoteならではの「創作を軸にした交流」がすごく面白いと考えていて、それを形にできたらと思ったのです。
どんなものなら、みんなも楽しんでくれるだろうか。ただ作品を募集してまとめたアンソロジーじゃつまらない。もっとワクワクを詰め込みたい。体験をデザインしたい。そんな気持ちから、カスタマイズできる「バインダー式(リアルnoteマガジン)」という形に行き着いたのです。
みんな、のってきてくれるだろうか。
少し不安に思いつつ、記事をアップしたところ、やってみたいというコメントが。
よし、これならできそう。いや、やるとは決めていたけども。ダメそうなら代案を……と思っていたので、コメントをいただいたときはすごく嬉しかったです。
創るところから一緒にワクワクを
モノづくりは私のフィールドだ、という自負がちょっとだけあります。形や機能を考えて、それを手に取れる形に作り上げていくこと。今回はリアルイベントなのだから、それをめいっぱいやってやろう。やると決めたからには満足のいく形にしたい。
本の構造を考えるところからはじめて、パーツを探し、カッティングし、組み立てていく。印刷も本文は自宅のプリンター。もう完全に工作レベルの本作り。こんな本の作り方はちょっと珍しいかもしれない。
過程もエンタメとして楽しんでもらえるのでは?
そう考えて、試行錯誤の段階から記事にしていくことにしました。
モノづくりって、すごく地味で孤独な作業なんです。でもそれを共有することで私もすごく楽しかった! やっぱり反応があると嬉しいし、一緒に作っているような気持ちになれたので。やっていることに想像以上にびっくりされるのも面白かったです。
ふくらむ、深まるnoteの繋がり
当初10名くらいを考えていた参加者がどんどん増えて、応募者は25名となりました。
私のちまちました試行錯誤を見守ってくれていた方たちが少しずつ集まってきてくれたのかもしれません。なんか面白そうなことやってるやついるぞ、って。
応募者25名というのは、noteの企画では小規模ではあると思います。でも最終の形がはっきり見えていない本であり、参加費をいただく有料の企画でもあったので、個人的にはずいぶんたくさん集まってくれたなぁ! という気持ちです。
そして何より驚いたのが、「何かできることはないですか? 手伝いますよ!」とたくさんお声がけいただいたこと。
「ああ、体験を共有できているんだ」
そう感じてとても嬉しくなりました。やりたかったことができている!
実際に作業を手伝いに来てくれた方もいました。
近くにお住まいのnoterさんにお声がけして、作業会を開いたんです。これもイベントにしちゃえ、と。SNSでしか交流のなかった方々とリアルで会って一緒に作業して。この歳になってから、こんな文化祭準備みたいなワクワクを共有できるなんて。
楽しみにしてくれている人がいる
こんなふうに本の制作を進めていく中で、「楽しみにしています」というコメントや記事もいただきました。作る楽しみもめいっぱい味わいながら、その完成を待ってくれている人たちもいる喜び。なんだこれ、すごい幸せ。
中でも、メディアパルさんが出してくださった記事には本当に感動しました!
ノトコレブック、飛び立つ
いよいよやってきた文学フリマ当日。
半年前に「みんなとはしゃぎたい」から始まり、形になったノトコレブック。
ゼロから半年で作り上げたこの本には、企画当初に想定していよりもずっとずっとたくさんの人の想いが上乗せされていました。
本文と表紙を合わせて、参加した作家は30名。(私の表紙デザインも含めて)応援してくれた方、手伝ってくれた方、楽しみにしてくださっている方を含めたら、その数はさらに大きくなります。
はしゃぎたい、なんて飛び越えてしまった。
はしゃぎもしたけれど!
お手伝いしてくれた方も、買いに来てくれた方も、この本に熱意を持ってくれていて。
今、とんでもない体験をしているな、と思わずにはいられませんでした。
そして、今。
この本を手にした方々の記事にまた胸が熱くなっています。書き手も読み手もみんなで楽しめる本を作りたい、そう思って作った本でしたが、実際にこんなに喜んでもらえるなんて。
こんな出会いもありました
ちょっと面白いことも起きました。
文学フリマで名刺交換もさせていただいたのです。
まずは
メディアパルさん。
上で紹介した記事を書いていただいただけでなく、実際に文学フリマにお越しいただき、ご挨拶もできて本当に嬉しかった!
本を生業とされている方に興味を持ってもらえるのはやっぱりちょっと誇らしいというか。
とても可愛らしい方で、ライチ味のミルキーをスタッフにくださいました。びっくりの美味しさで「ホントにライチだ!」と紫乃さんと一緒に目をまるくしました。笑
noteさん
おふたりご挨拶させていただきました。
多分、お仕事でまわられていたのだと思いますが、私がレンタルスペースの問合せをしたときに興味を持ってくださったようです。作業会で使えないかと思ったんですよね。
わざわざご挨拶いただき、嬉しかったです。
丸善ジュンク堂書店さん
私たちのブースのすぐ横(前?)で出店されていた丸善ジュンク堂書店さん。途中、「ちょっと気になって」と覗きにきてくださいました。文具事業部の方だったので、「バインダー式」という部分に興味を持たれた様子でした。
多分、ノトコレブックそのものだと商材にはならないと思いますが、何か面白いことを思いついたらご提案してみたいと密かに思っております。
これからのノトコレブック
文学フリマは終わりましたが、現在オンラインショップで販売中で、みなさまに少しずつお届けしているところです。6/30までの期間限定販売なので、それが終わればひとまずこの企画は完結となります。
まだ途中ではありますが、
おかげさまで現在の販売数は
バインダー 91冊
本文 916部
となっています。
これは当初の予想をはるかに超えていて、
全体の売上も12万円を上回りました。
実のところ、制作する作品数を25作品にした段階で予算の6万円では足りなくなってしまって、もう少し多く制作にかけているのですが、その出資額をペイできたことになります。
もともとこの企画は儲かるものではなくて、金額設定もそのようになっているのですが、それがこれだけ売れたのはちょっと驚きです。作るの大変だったけども。笑
というわけで、この売上を使って1年後の文学フリマでノトコレブック第二弾をできたらと考えています。さてさて次はどんなことができるのか、考えるのが楽しみです。
🌟オンラインショップ
◾️お詫び◾️
バインダーリングの在庫が切れてしまい、
現在材料を取り寄せ中です。(6/11到着予定)
5/26以降にご注文のお客様は
6/12以降に発送となります。
お待たせして申し訳ありません💦
🌟ノトコレブックの
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