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働きすぎるとお金がなくなる不思議


無職になり会社へ行かなくなってから
ほとんどお金を使わなくなった。
家にいるとこんなにもお金を使わないものかと痛感する日々。


数日前までは激務の編集者だった。
深夜まで残業もしていた。
なのになぜか働いても働いても、大してお金が増えないという不思議な状態に陥っていた。




原因はわかってる。
使っていたからである。

わたしは編集者だったこの一年、
毎日本当によくお金を使っていたなあと思う。
一体なににそんなに使っていたのか。
家賃や光熱費などの生活費を除く自由費の内訳を思いつく限り書いてみたい。


先に書いておくと、ほとんどが無駄遣いである。





食費とコンビニ

なんだかんだ一番ここにお金がかかってる。
一日何を食べて何を買っていたのか書いてみよう。

・通勤時
自動販売機かコンビニで珈琲を買う。
コンビニに立ち寄ると、朝ごはん代わりになるおやつ(ワッフルとかドーナツとか)も買うことが多い。
計350円くらい

・お昼
お弁当なんて作れないので基本外食。
一日の中でランチしか楽しみがないので、
これは我慢せず好きなもの食べる。
計1000円くらい

・夜(仕事中)
19〜20時くらいだろうか。
仕事中ちょっとお腹が空くので気分によって
お菓子やおにぎり、ジュースなどを買いに行ってた。気分によっては買わないときもある。
計400円くらい

・帰宅時
23時〜深夜1時頃。
その日によってだけど大体帰宅時間はこのくらい。
かなりお腹が空いてるので会社をでたときか
家の最寄りについたあたりでコンビニに寄り、
何かしら買ってしまう。
もしくは夜も外で食べることもある。
計300〜700円くらい


【一日の平均】

食費やコンビニで一日に使う金額は
ざっと2千円くらい。
この金額をどう思うかは人それぞれと思うけど
わたしの感覚としてはかなり多い。
本当ならお弁当を作って、せいぜい一日500円くらいで収めたいところだった。

一日2千円。
出勤日数が月20日前後とすると
毎月4万円ほど使っていたことになる。
ああ考えたくない、知りたくない…


タクシー代・漫画喫茶代

終電で寝過ごしてしまい、タクシーで家まで戻ることもたまにあった。
そんなときは一日の出費にプラス2千円くらいかかる。

タクシーで帰れないほどの距離に行ってしまったときは、漫画喫茶に泊まることもあった。
わたしは漫画喫茶が大好きだけど、朝から働いて深夜1時。さすがに体力も限界である。
もちろん漫画を読む気力なんてなく寝るだけに終わる。
一日の出費にプラスして深夜の漫画喫茶代3〜4千円。
何のために働いているのだろう。
無駄でしかなさすぎる出費がかさんでいた。


身だしなみ

会社へ行くときにすっぴんでジャージってわけにも行かないので、最低限人に会える服を着てメイクをして、身だしなみを整える。
メイクをするとメイク落としも使うし、化粧品もなくなる。
他に服も買うし、定期的に美容院へも行くし、
まつ毛やネイルサロンに行くこともあった。
美容院・化粧品・服・まつ毛やネイルサロン
これで月2〜4万円くらい使ってたと思う。
社会の中で最低限の身だしなみでいるには、
家にいるより断然お金がかかる。


医療費

編集者になってから病院へ行くことがやたら多くなった。
過労からのストレスなのか、蕁麻疹がおさまらないので皮膚科へ定期的に薬をもらいに行くようになったし
歯を磨かないで寝落ちしたことによって虫歯もできたし
心を病んでメンタルクリニックへ行ったり
コロナになったり胃腸炎になったりもして
やたらと診療費や薬代がかかるようになった。
月によるけど3千円〜1万円くらいにはなるのだろうか。

ぜんぶがぜんぶ仕事のせいとは言い切れないが、仕事の疲れやストレスによって免疫が落ちたり体調を崩しがちになってたことは否めない。
というか蕁麻疹の発症とメンタルクリニックへ行くことになったのは、間違いなく仕事のせい。


衝動買い

ネットで見たものをポチったり、休日街を歩けば目についたものを買ったり、少し高いカフェに入って高い珈琲を飲んだり、高いスイーツを食べてしまうことが多かった編集者時代。

そのときに一応思い留まろうともするんだけど
「いや、いつも頑張ってるしこれくらい…」
と思ってつい買ってしまう。食べてしまう。

でもそれって要はただのストレス発散なので
本当に必要かというと必要なものではないんだよね。無駄遣いだったなと思う。
そして謎に整体やマッサージによく行っていた。



こんな雑なお金の使い方をしてたので
働いても働いてもお金は貯まらなかった。

働いて、消費して、すごい経済まわしてたな〜と思うけど、いくら働いても、消費しても
あのときの自分が幸せだったとは到底思えない。
いつも疲れてて、時間がなくて、余裕がなくて、満たされない日々だった。



無職のいまは無駄に食べないし、無駄にお金も使わない。
一日2千円どころか
週に2千円使うかどうかという生活である。
そんなに買い足さなくても
家にあるもので充分満足に暮らせるからだ。



幸せってなんだろう。
人それぞれとは思うけどわたしの幸せは
とても些細で、小さなものかもしれない。


散歩して、花や、風や、季節を感じること。
ゆっくりと珈琲を飲むこと。
手紙や日記を書くこと。
物語の世界に浸ること。
自分と家族のためにする料理。
夫と向かい合って食べる夜ごはん。
森の香りの湯船に浸かること。
フカフカに干した布団で眠ること…

そしてそれらを楽しむ時間と余裕があって
自分自身が健康であること。



働きすぎたあの頃に(といってもまだ数日前のことなんだけど)得たものは何だろう。
編集者一年というキャリアくらいだろうか。
それはそれで、わたしが欲しかったものではあるから後悔はしていないけど。


でも今後、もうあんな風に働くことはやめようと思った。
わたしにはきっと、お金やキャリアよりも幸せを感じるための時間と余裕、そして健康でいることの方がよっぽど大切だ。


自分も
周りの人も
お金も
時間も
雑に扱っていいものなんてひとつもない。
ちっぽけでも、わずかでも、手の中にあるものは大切にして、幸せに生きていきたい。

「次は仕事よりも自分と身の回りのことを大切にしていこう。そして稼いだお金は雑に散財しないで大切に使おう。」


未来の自分に
そう約束した。




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