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Skills Techを活用し、スキルベース組織を構築する手順と方法
これまでの記事で、Skills Tech(スキルズテック)の導入がもたらすメリットや、実際にSkills Techを活用している企業の事例をご紹介してきました。
今回は、企業がどのようにしてSkills Techを活用し、スキルベース組織を構築すればよいのか、その具体的な手順と方法について触れたいと思います。
前提:スキルファースト方針の確立
スキルベース組織を構築するためには、まず大前提として「スキルファースト」の方針を確立する必要があります。
スキルファーストとは、従業員のスキルを人材マネジメントの中心に据え、組織全体のパフォーマンス向上を目指すアプローチです。スキルベースのアプローチにより、社員が自身の専門性を活かしやすくなるだけでなく、企業としても戦略的に人材を活用することが可能になります。
このスキルファーストの方針を打ち出し、実際にスキルベース組織を構築するにあたって、以下のステップで検討を進めるのが良いでしょう。
スキルベース組織構築に向けた検討手順
1. 目的の明確化
スキルベース組織とその人事戦略を展開するためには、当たり前ですがまず目的を明確にすることが必要です。どこで・何のために・どのスキル情報を活用するのかを具体的にイメージし、利用シーンを明確にしておくことが成功への鍵となります。
ゴールの明示とトップマネジメントの合意:
スキルベース組織の構築によって何を実現したいのか、達成したいゴールを明確にします。どの部門や業務で行うのか、といったスコープも想定しておくことが大切です。また、トップマネジメントのコミットメントを取り付けることがとても重要になります。
スキルの利用シーンの特定:
採用や育成といった、人材マネジメントにおけるどのシーンで利用したいのか、事前に特定しておくことが重要です。例えば、スキルベースの人材ポートフォリオの作成や、採用プロセスにおけるスキル活用、ジョブアサインメント、スキルベースの評価とパフォーマンス管理、育成や学習プログラムの構築など、スキル活用が求められるシーンを事前に特定します。
各利用シーンで具体的にスキルをどう活用するかをイメージし、スキルデータがどのように組織のパフォーマンス向上に役立つかを明確にしておくことで、社員全体が共通の目的に向けて動きやすくなります。
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2. ルールとカルチャーの整備
スキル情報を効果的に活用するためには、社員がスキルファーストの考え方を受け入れた上で、スキル可視化に必要な情報を入力するといった手順が必要になります。その際、運用ルールを整備し、社員が積極的にスキルを登録・更新する仕組みを導入するだけでなく、社員にその効果やメリットを理解してもらうことが不可欠です。
スキル入力プロセスの簡便化:
社員がスキルを登録しやすいツールを提供し、シームレスな入力プロセスを確立することが必要です。この時、スキル情報の共通言語化と自動更新機能を備えたSkills Techプロダクトを活用することで、入力後のスキルデータの鮮度を保つこともできます。
スキル活用のメリットを継続的に伝える:
スキル登録が社員のキャリア成長や社内機会の拡大につながることを定期的に伝え、スキル活用の意義を周知徹底します。
3. スキルの定義と標準化
スキルベースの人材マネジメントを効果的に行うためには、スキルを明確に定義し、標準化することが重要です。以下の3つのステップで、スキルの定義と標準化を進めます。
スキルの階層化・分類化:
まず、組織内で必要とされるスキルを階層化し、体系的に分類化します。これにより、各職種や役割に必要なスキルが明確化され、スキル情報が組織全体で統一されます。スキルを階層的に整理することで、社員がスキルの関係性を把握しやすくなり、人材マネジメント戦略の基盤が整います。
市場の共通言語に合わせた定義:
社外や市場の共通言語に合わせてスキルを定義します。業界の標準や市場で使用されているスキル用語を取り入れることで、スキルデータが社外のベンチマークや他社との比較においても活用しやすくなります。こうした標準化により、スキルデータの外部連携や、他社との協業の場面でもデータの相互利用が可能となります。
メンテナンス可能な仕組みの構築:
定義したスキルが常に最新の状態に保たれるよう、スキルデータのメンテナンス可能な仕組みを整備することが必要です。市場や技術の変化に応じてスキル定義を更新し、スキルズテックの自動メンテナンス機能を活用することで、スキルデータの鮮度を保ち、組織が変化に柔軟に対応できる基盤を確立します。
スキルベース組織の構築にはSkills Techが必要不可欠
これらのステップを効果的に実現するために、Skills Techは必要不可欠と言えます。Skills Techプロダクトは、スキルデータの可視化、管理、自動更新、そして社内の共通言語化といった機能を備えていることが多く、組織がスキルベースのアプローチを実践するための強力な基盤を提供してくれます。
スモールスタートでの導入を推奨
ここまで、スキルベース組織を導入する手順を紹介してきましたが、方針の確立から組織への浸透、スキルの活用までを一気通貫で進めるには多大な工数と時間が必要になります。
そのため、取組みのファーストステップとして、まずは対象範囲と利用シーンを絞ることを推奨します。例えば、比較的スキルが明確に可視化しやすいエンジニア組織や、DX部門といった特定の部門で試験的に導入するのが良いでしょう。
導入部門を絞ることで、「どこで・何のために・どのスキル情報を活用するのか」を具体的にイメージしやすくなり、Skills Techを通じて得られる価値を確認しつつ、スキルベース組織に対する理解と運用の効果を社内で確認しながら、徐々に他の部門や組織全体へとスムーズに展開することができます。