終わりよければ全てよし（2024年10月31日）

今日は健康診断であった。
診断まで甘いものを我慢しようと思ったが、結局出来ずに診断前に意思薄弱という判定が下されただけだが、美味しかったので、よし。

9月に12年前の心臓手術の定期検診でレントゲン、心電図、エコーを撮っているので、今日は身長、体重、腹囲、血液検査、診察の最低限だけの予定｡

まず、身長｡
わたしは、猫背、猫舌、熱い風呂が苦手な猫体という心身共に猫派である。毎年の身長計測にうっかり猫背でのぞみ、年々縮むという事態を引き起こしている｡
今回は日頃の成果を見せる時とばかり、わたしは体の筋肉を総動員させる｡

まず、お尻を締める。
月３回個人セッションをしてくれる幼稚園のママ友トレーナーに「使えてない｣と罵倒される尻の、中臀筋、大臀筋、梨状筋を総動員させて締める｡
ついでに穴も締めて骨盤低筋群を引き上げ、背中の肩甲骨を尻に近づけ、胸郭を上げる｡
要は猫背を封印して良い姿勢にするのだ。
なにせ身長はBMIに影響する。数値が高いと保健指導やらなんやら面倒くさいのである。

身長は、なんとか目標をクリア。来年は首を長くする意識も付け加えようと思う｡

次に腹囲｡
ここも又、ママ友トレーナーに「ゆるい｣と罵倒される箇所。腹直筋、腹横筋、腹斜筋で凹ませるという禁じ手をかます。
ボディビル大会じゃないんだから意味ないというか、むしろ正確な数値計測の邪魔になる気はするが、メタボという判定が下れば家庭内抗争に発展する｡
「食べ過ぎでしょ｣と言う夫の言葉を無視している分、返り血を浴びることになるのだ。夫の勝ち誇ったような笑い声は浴びたくない｡


保健師さんの横に春日のごとく立って下腹を凹ませる。春日のごとく大胸筋と両手に力がこもる｡頭の中では逆三角のイメージである。
が、しかし、さすがそこはプロフェッショナル。すかさず「ハイ、両手だらんと下げて｣と保健師さん。さすがである。こちらの姑息な心理などは見透かされている。両手をだらんとさせた途端に力が抜けた。思ったより数値が大きかったが、メタボではない。ほっとする｡

BMIも高めではあるが標準内、血圧も異常なし。今日のメインイベントである身長と腹囲測定はクリアしたことになる｡
コレステロール値と血糖値が悪いのだが、これは後日結果が送られてくるのを待つしかない。

採血を終え、型通りの診察と保健師さんチェックが終わったら帰れる。
いつもバタバタとnoteを書いていたので、今日は帰って「光る君へ｣のことをじっくり書くつもりでいたら思わぬ伏兵が現れた。診察医師である。

順番待ちの段階でトイレに中座した、ご年配の男性医師。それは仕方ない｡人間だもの。だが遅い。
みかねた保健師さんが先にまだやってない検査を順番待ちの人に案内してくれるが、わたしは既に全て終わっている。仕方ないので、待つ。

医師が戻る前に他の検査をした人が戻ってくる｡
やっと戻ってきた医師が前の順番待ちの女性から診察を始める。通常の診察より何やら賑やかに女性が喋っている声が聞こえる。よほど健康相談的なことがあるのだろうな、とぼんやり思っていると、その女性が出てきて、
「次の方どうぞ、だそうです｣
ん？　なんか違和感だが、わたしの番になった。

医師の前に座ると貧血がないか目を診る｡
わたしの問診票を見て、「心臓の経過観察あり」に質問。これはいつものことで、心房中核欠損症で12年前に手術しましたと言えばそれで終わる。
が、何故か今回の医師はこれに食いついてきて、

「いつなったの？｣
ーえっ？　普通生まれつきでしょ。知らないの？

「いつ手術したの？ 49歳？　それまで雑音あるって言われなかったの？｣
「エコー検査で初めて分かりました」
ーそんな興味深々に、好奇心丸出しで聞く？
聴診器じゃ分からなかったの。エコーで初めて分かったの｡

「ちょっと心音聴かせて｣ 聴診器を当てようとする｡
ーいや、だから聴診器当てても意味なくない？　手術してるし、専門病院で、年1の検査終わったばかりだし。主治医ですらエコーで確認するから心音聴くの2年に１回くらいだし｡

「雑音しないね｣
ーしたらおかしいでしょ、ヤバイでしょ。手術したんだし。また血液漏れてるって思ってる？　何期待してるの？　ホントに医者？

「どうやって気付いたの？｣
「ちょっと疲れが出て‥｣
ー本当は色々ネタがあるのだが、noteに既に書いてスッキリさせている。ここで披露したら長い世間話に発展しそうで面倒くさいから濁す。

「早く見つからなくて不幸だったね｣
ーそれには違う意味で同意するが、医者がそういういい方する？　
なので早く帰りたい気持ちを抑えて反論した｡
「早くしていれば開胸手術になって完治も遅いし、危険度も増しますから。わたし、カテーテル手術だったので（ど素人が医師に向かって、ちょいドクターXの大門未知子風に）

「ああそうね。胸に傷残るしね｣
ーデッリカシー無いなぁ。

全部聞き終わる前に腰半分浮かせて、いいですかね？　次の方呼びますかね？　と言って出てきた｡
来年、心臓のことは伏せておくかな。

ちょいイラついたので、今日は「光る君へ｣を書く予定だったが、コレを書いている。noteに書けたのでスッキリした｡