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掌にほどける光と共に、往き綾なすを楽しむ【宿木文庫のZINEを読んで】
先日、ライター仲間でもあり株式会社宿木屋の代表を務める宿木雪樹さまより、2冊のZINEを恵贈いただきました。
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いただいた書籍は、こちらから購入可能です。
↑商品の紹介ページの写真も、とってもオシャレ!
届いたZINEは、以下の2冊です。
往き、綾なす
てのひらに ほどけた雪の描き出す ちいさな泉へ放つひかり
「往き、綾なす」は、宿木雪樹さんとトラベルライターとして活躍しているayanさんによる旅エッセイ。
↑宿木さんの紹介記事はこちら
↑ayanさんの紹介記事はこちら
エッセイは両面が表になっており、緑の表紙側をめくると宿木さんのエッセイ、オレンジの表紙側から読むとayanさんのエッセイが読めます。
表紙のデザインもオシャレで、思わず本棚に飾りたくなっちゃいます。表紙デザインのみならず、掲載されているエッセイも素晴らしい作品ばかり。作品の魅力については、後術で詳しく解説します。
「てのひらに ほどけた雪の描き出す ちいさな泉へ放つひかり」は、日頃から短歌をSNSに投稿されている三角園いずみさんの短歌に対し、それに応える形で雪樹さんが短歌を詠んでいくスタイルになっています。
↑いずみさんの紹介記事はこちら
こちらの感想文は、事前に3人の方に確認した上で公開させていただきました。お忙しい中、この度はありがとうございました。
今回の記事では、宿木屋さんのZINEにかける想いが綴られたnoteの感想を紹介するとともに、それぞれのZINEの魅力と感想をお伝えさせていただきます。
noteに書かれていた「ZINEにかける想い」が素敵だった
こちらのZINEを読むにあたり、3人がどんな想いで作り上げてきたのか。
私はまず、その部分が知りたいと思ったので、宿木屋のnoteを改めて読み直しました。
noteによると、雪樹さんはいつか宿木屋で共に仕事をしていたメンバーを北海道に招待し、お茶会をしながら「なつかしいね」「これを発行するときは、大変だったよね」と言ったお話をしたいとのこと。
その記事には、雪樹さんのメンバーへの想いと共に、素敵な夢が綴られていました。その想いを読んで「なんて素敵なんだろう!」と思いました。
noteの記事を読んで、ふと自分を振り返ります。はたして自分には、いつかの日に備えて振り返りたいもの、残したいものはあるだろうかと。誰かと共に、何かを作りたいと思ったことはあるのかと。
ここ最近の話だと、本田すのうさんのKindleプロジェクトに参加することになったのは、私にとって一歩前進なのかも。
↑受付は終了しました。
本田さんのKindleプロジェクトは、誰かの #なんのはなしですか をまとめて電子書籍にするという試みです。
参加した理由は、書籍に残すことで、いつまでも作品が残るというのは素敵だなぁと思ったからこそ。あとは共作だと、みんなで作品を読みあったりできるのもいいですよね。
ただ、ここでふと思ったこと。そういえば私、自らの意思で「これがやりたい」ということはあまり考えてこなかったかも。
雪木屋さんのnoteを読んで、ふと思ったこと。まずは、自分は文章で何を残したいと考えているのか。その部分を、改めてもう一度考えてみたいと感じました。
ふと思い浮かんだのは、まず娘のことです。娘が大きくなったら、一緒に読んで「あの時は、こうだった」と言えるものを作ってもいいのかも。
別にそれはZINEや、書籍という形にこだわるのではなくて。noteに綴ってきた娘の出来事などを、プリントアウトしたり。スクラップして、一冊のアルバムにまとめてみたり……。
娘はまだ話せないけれど。いつかは言葉を理解して、話す日が来ることを夢見て。「あの時は、こうだったね」と話し合えるものを作るのも素敵かも。
そんな風に考えられたのは、宿木屋さんのnoteと ZINEがきっかけです。この度は、素晴らしい作品を送ってくださり、ありがとうございました。
往き、綾なすを読んで【感想】
「往き、綾なす」は、宿木雪樹さんとayanさんによる旅エッセイです。雪樹さんの記事はこれまでたくさん読んできましたが、旅エッセイを読むのは初めてかもしれません。
エピローグでは、雪樹さんが旅に関する話を書くことをあえて避けてきた話について綴られていましたが、実際に読んでみて感じたこと。
もうね。1ページめくるごとに、雪樹さんの表現力の高さに、ずっと唸り続けていましたよ。
実は過去に雪樹さんの小説をnoteで読んだことがあり、語彙力・表現力の高さは既に理解していました。
↑こちらの小説がめちゃくちゃ面白くて、とにかく素敵なのでおすすめです。
今回の旅エッセイでも、情景がぱっと浮かぶような巧みな表現力に舌を巻きました。
私も今年は、noteで何度か旅エッセイには挑戦したのですが。その場の情景を、どうやって言葉に残せばいいのかで、一体何度頭を抱えたことだろう。書けば書くほど、自分の語彙力・表現力の稚拙さに項垂れ「本を読まなければ!」と、心に誓ったものです。
雪樹さんの旅エッセイを読んで、素直に「私も、こんな風に書けるようになりたい」って思いました。あーー!私もこんな風に旅で訪れた風景や、心理描写を丁寧に書いてみたいーーー!
ZINEのエピローグによると、なんと雪樹さんは「メンバーの強みを活かすフィールドで書きたい」と考えていたそう。
凄くないですか。自分の強いフィールドじゃなくて、仲間が活躍できる場所に立つ。なかなか出来ることではありません。私なら、自分が一番得意なところに、それとなく誘導して仲間を巻き込もうとしてしまうかもしれません。
仲間が活躍できる場所を設け、自身もそのフィールドで新たな挑戦をする。そして、その想いをしっかり作品として形にしていくところも、素晴らしすぎます。
ayanさんは、ずっと前から密かに憧れていたライターさんの1人です。存在は知っていたものの、私の中でどこか「遠い存在」というイメージがあり、なかなか声をかけられずにいました。
それがある時から、SNSで時折やり取りできるように。数日前は、ライター忘年会もあったので、勇気を出して誘っちゃいました。この業界で実績の長い方ですが、気さくで話しやすさもある、素敵なライターさんです。
ayanさんのエッセイを読んで、旅には現地の風景や食以外にも、人との出会いを楽しむ面白さもあるのかもしれないと感じました。
我が家の場合、私というよりも、夫が大の旅行好き。夫は旅に行く時、「旅費を使うからには、できる限り目一杯動いて『得』をしたい」と考えているタイプ。
過去に夫が旅のしおりを作った時は、分単位に計画が練られているので、ただひたすら歩きまくってた記憶があります。
けれど、そうやって動いちゃうと「移動」そのものに意識が向いてしまい、旅そのものをちゃんと楽しめていないような気もしていて……。
ayanさんの旅エッセイを読んで、時には心の赴くままにお店に入ったり、そこで出会った人との何気ない会話を楽しんでみるなど、本能に沿って旅を楽しんでみるのも面白そうだなと思いました。
ayanさんのエッセイには、私が新婚旅行に行ったインドネシア・バリ島の紹介もあり、あの頃を思い出しながら読み進めていきました。
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誰かの旅エッセイを読むと、「ここに行ってみたい」という気持ちの他にも、過去に足を運んだ場所を振り返るいいきっかけにもなるなぁと。
バリ島は、また娘が大きくなったら家族でも行ってみたいです。あとは、ハワイ島も行きたいなぁ。国内でも行ったことのない場所があるので、色々足を運んでみたくなりました。
ayanさんの旅エッセイには、日帰り旅も紹介されていて。旅と聞くと遠方へのお出かけを考えてしまい、ついついハードルが上がってしまうのだけれども。「ちょっと隣県まで、あの人に会いたいから」という感じで、新幹線に飛び乗ってしまうのも面白そう。
今は子どもが小さいのでなかなか難しいところですが、子育てが落ち着いたらその時の思いに従って、ふらっと日帰り旅を楽しめる大人になりたいと思いました。
てのひらに ほどけた雪の描き出す ちいさな泉へ放つひかりを読んで【感想】
こちらの本を読むにあたり、まずは短歌とは一体どんなものだろうかと。
実は私、川柳は趣味で公募にちょいちょい応募してます。
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テーマは旅でした。
けれど、短歌はもう少しハードルが高いイメージがあって。理由は、川柳・俳句より少し長いからかも。
そもそも私、川柳、俳句、短歌の違いもよくわからない。せっかくの機会なので、何がどう違うのかについて、調べてみることにしました。
俳句、短歌、川柳の違いを紹介しているサイトによると、俳句とは五七五の十七文字で作られた季語を含む和歌とのこと。川柳も五七五の十七文字であるものの、人生の機微・世相・風俗を面白く、風刺的に描写するのが特徴とのことらしいです。
短歌は五七五七七の三十一字で構成されていて、俳句や川柳より少し長め。季語を含むものが多いけれど、必ずしも必要という制約はないそうです。
川柳に応募していた頃に思ったのは、既定の文字数にあわせて作るのがすごく難しいというところ。短歌は俳句、川柳より文字が多いので、難易度もよりアップします。
短い文の中で、いかに伝えたい思いをギュッと凝縮できるかどうか。Xも140文字以内で抑える必要があるけど、短歌は「五七五七七」で表現しなければなりません。
さらに季語を入れるとなると、よりレベルも高くなりそう……!
「てのひらに ほどけた雪の描き出す ちいさな泉へ放つひかり」で紹介されている短歌には、季語の他にも雨、雲、雷などの自然を感じられるワードがいつくか散りばめられた作品も。
なるほど。短歌は季語のみならず、自然の中にある言葉を使って表現する方法もあるんだなぁ。その他にも、こちらの短歌集ではレシート、コンビニなど日常的なフレーズも多く含まれており、「短歌って、こういう表現もあるのか」と、目から鱗でした。
短歌は私にとって、まさに未知の領域です。ページをめくるたびに、小説やエッセイとは一味違う数々の表現に触れることができたので、とても興味深く読み進めることができました。
短いながらも情景がふわっと浮かぶものが多く、言葉使いの巧みさにも目を丸くしました。個人的には「家」「墓」などのフレーズが入った短歌が、ブラックユーモアに長けていて好きです。
おわりに
私は今、noteをマメに更新しています。
そこには、AI時代だからこそ「自分にしかできない表現を、ここで残せたら」という思いがありました。もちろん、仕事につながれば1番いいけれども。
それがすぐに掴める物ではないことも、この業界で長く生きてきたからこそ百も承知といいますか。ブランディングは、まさに1日にしてならず。すぐに結果を出そうとすると、脆くポキッと折れてしまうもの。
仕事に限らず、人との縁もそう。かけがえのない縁を築いていくには、「この人を大切にしたい」という人があらわれたら、ゆっくり時間をかけて信頼関係を構築していく。
そして、そこに行きたいと思ったら、本能に沿って足を運んでみる。その人と話したいと感じたのならば、勇気を出して声をかけてみる。
行動には失敗もつきものだけれども、その積み重ねが素敵な縁と記憶を繋いでくれるのかなぁと。
今回、宿木さんからいただいた本を読んで、その気持ちがより強いものになった気がします。
私は今、45才。人生の折り返し地点と言われる年齢でもあります。
攻めより守りに走りがちな年齢ではありますが、宿木さん・ayanさん・三角園いずみさんのZINEを読んで、いくつになっても希望と出会いを大切にできる人になりたい。そして、人生を楽しむことを忘れないでいたいと思いました。
この度は、素晴らしいZINEを送ってくださりありがとうございました。今後の活躍も、心より応援しております。
⭐︎この記事を書いた人
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