2021年ブックレビュー『だって、女子だもん』(雨宮まみ対談集)
AVライターで、作家の雨宮まみさん(故人)が書いた「女子をこじらせて」は、「女子」の生きづらさと向き合い、赤裸々に自分の劣等感や性欲、自意識を語っていて、共感しながら読んだ。
その雨宮まみさんが、やはり「こじらせ気味(?)」の女性とのトークを繰り広げた対談集。対談の相手は、峰なゆかさん(ライター、漫画家)/湯山玲子さん(著述家、ディレクター、プランナー、プロデューサー)/能町みね子さん(漫画家、著述家)/小島慶子さん(コラムニスト)/おかざき真理さん(漫画家)
中でも、能町みね子さんと小島慶子さんとの対談が抜群に面白い。
能町さんとは、処女であり続けることの恐怖や、初めての交際でついついやってしまう「彼女キャラ」の居心地の悪さなどを語る。なぜ、女子は処女性を大切にしろと育てられながら、こうも処女を捨てたがるのか。
小島さんとの対談では、就職、結婚、出産という道を通りつつもマウントを取りたがる女性たちが話題になる。勝手に「ひとりレース」をしている女性、例えば母乳だけで育てたとか、離乳食は全て手作りだったとか…。そういう些細なことで、他人との差別化を図ろうとする女性もいると小島さんは指摘する。
子育てもそろそろ終わりになり、処女とか処女でないとか、そういうことを思い悩んだ過去が忘却の彼方になろうとしている私にとって、なぜ女子はこんなに自意識過剰で、自己評価が低く(そうでない人もいるが)、「モテと非モテ」がこんなに気になるのか、不思議な気がしないでもない。
過ぎ去ってみたら、「たいしたことないじゃん」って思うことも多い。そもそも、女性たちが自分自身を肯定できなくて、卑下したり、こじらせたりする原因は、ほぼほぼ「世間の価値観」なんだと思う。
価値観は時代とともに変化する。今よりもさらに、女性たちがより生きやすい価値観の時代が来ますように。
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