面白かった小説。
おはこんばんにちは。
昨日の深夜3時に読了した小説「本日はお日柄もよく」著者・原田マハ。
大変に興味深く、のめりこませてもらって、面白かったので。
一般企業のOL・二宮こと葉はひょんなきっかけでスピーチライターという仕事に触れ、言葉の自由さ、脆さ、そして力強さに魅了されて、自身もその道を目指すように。
その中で、怒涛の勢いで政権交代をもくろむ野党と迎え撃つ与党の政権戦争に巻き込まれていくので物語上の8割は政治色の強い内容なんだけど、そこがまた数年前の現代日本とうまくリンクした状況で描かれていて、リアリズムとファンタジーが気持ちよく同居していて面白い。
それも、堅苦しい政治の複雑な感じが並ぶようなものではなく、あくまでもOL目線だったり、一介の若い女子目線だったりするので私たちが普段感じるような矛盾や疑問を代弁してくれてそれもまた気持ちがよい。
そして、一介の若い女として楽しかったのはやはりこと葉の恋模様だったり…
スピーチライターを目指すきっかけとなり、後の師匠となる天才ライターの久遠久美、同じ場所で出会い第一印象チョベリバ(死語)なイケメン天才スピーチライター和田日間足(かまたりと読む。)、その二つの出会いのきっかけを生む片思い相手の幼馴染・今川厚志の結婚式。
性別を超えながら様々な感情が生まれ芽吹いていく登場人物たちの間柄は見ていて人間臭く、くすぐったいような眩しいような。
私自身、未だにやりたい仕事というものが見つかっていない身だから、彼らのことがとても羨ましく、輝いて見えるのでした。
それにしたって著者の原田マハさん、人間描写といい場面描写といい、天才的だなぁ。超面白いよ。語彙力なくて申し訳ないけど。
ムカつくときはちゃんとムカつかせてくるし、喜びたいときはちゃんと喜べる。伏線の張り方や何か含んだ感じ というのを上手く利用して話を運ぶ。
勿論、物語的にタイミングいいなぁ!おい!っていう助け舟展開はあるんだけど、人物たちのバックボーンがそれぞれしっかりしてるから萎えないというか。 ああ、この人だったらこうしてもおかしくないよな、って納得させてくれるというか。
とにかく、いい本というのは早く次が気になってページをめくる手が焦るもんですが、今作もそれに漏れず先が気になって気になっての繰り返しでした。
熱いお仕事小説でありながら、人の心を動かす「言葉」というものの力、更には「政治」という忘れがちだけどとても大切なこと、それを身近に感じられ、現実に力になってくれる、そんな小説でした。
表紙も素敵、結婚式で全てが始まるにあたってご祝儀袋というのがニクイよねぇ。これまたデザインの力ですね。パワー小説だわ!!!!(言いたいだけ)
活字がそこまで、という人でも読みやすいと思うのでぜひ読んでみてくれ!
そして読んだ暁には私に感想を教えてくれ!!!お願いします!!!
では、ごきげんよう!
Miko
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