見出し画像

「断食」はリバウンドが約束されているダイエット

夕食抜きダイエット
朝食抜き
16時間ファスティング
月曜断食

「色々試してみたんだけど、痩せないんです!」と駆けつけてくる方々が口を揃えて挙げるダイエット方法。どうやら、雑誌やYouTubeに取り上げられているのを友達がやってみて、オススメされたから始めたようです。

『断食=ファスティング』は世界的にホットなキーワードになりつつあり、ニュージーランドでも試してみる人は多々。でも日本ほど関心度は高くないように感じます。

「食べてないのにお腹のお肉が落ちない!」という話にしばらく耳を傾けていると「で、いったい何がいけないんでしょうか...?」という必死な眼差しで私を見つめます。

ようやく開く私の口から出る一言に、みなさん目をまんまるくします。

「これ以上、食べるものを減らすのはやめましょう」

◆原因と解決策がズレてる

思い通りにダイエットが進まない人の99%は、『栄養が足りないこと』が主な要因です。カロリーを減らすことばかりに囚われて、人間として生きるための必要最低限のものが得られてないんです。

コンビニ食や、飲み会や、ジャンクフードや、スイーツなど、普段の乱れた食生活で身体はすでに栄養不足。むくんだり、疲れが取れないのも、内臓に余計な負担がかかるような生活をしていることへの身体からの赤信号です。

※「負担がかかる」とよく表現されますが、具体的には、添加物の多い食品は消化に時間がかかるので内臓の稼働時間が長くなること。それから、内臓を動かすためにはミネラルなどの栄養素が必要なので、消化のプロセスに余計に栄養素が必要になります。

そこで「内臓に負担がかかってるから、カラッポにして休ませてあげましょう!」っていうのは、単直すぎ。原因と解決策がズレてます。負担がかかってるんだから、負担を取り除くのが解決策。休むのはただの休憩でしかないんです。

例えばですよ、少ない社員で膨大な量のタスクを回してる会社があって、皆ヒィヒィで働いてる時に社長が「おぉ、みんな頑張ってるから、一回休んで社員旅行でもしようか!」って言ったら「その金で新しい社員雇うか、タスク減らせや!」てなるでしょ?

「休んだ後に元の生活に戻るんだったら意味ないわ!」の総ツッコミです。そんなブラック企業みんな辞めていきます。

なのに、同じことがダイエット業界だとそこら中で起きている。こんなダイエットを沢山の有名人やインフルエンサーが紹介している。それを疑問に思うこともなく従う人たちがいる。

もちろん、休みがあるのはいいこと。でもね、『疲れる原因を取り除く』をほったらかして「休もう!」「休もう!」に走るのはちょっと違う。休みが必要だと思うなら『休んだ後は内臓に負担のかかりにくい食生活に移行する』までやるのがセット。じゃないと、言ってることとやってることがチグハグなブラック社長です。


◆断食はダイエットではない

もともと断食は、宗教の発祥であったり、医療目的が発祥で、紀元前からある行為です。祈りの方法や、精神修行の方法としても、様々な大陸、文化でされてきました。

よく日本で言われる「臓器を休ませる」というのは、どちらかというと東洋医学的な考え方で「消化・吸収を止めることで、身体の中のエネルギーや回復力に集中する」という目的のこと。

つまりですよ、断食はもともと痩せることが目的ではなかったんです。ファステイングなんて、断食を今っぽくカタカナで言ってるだけで、やってることは同じです。英語では、断食もファスティングもfasting

ダイエットとして広まったのは、つい最近のこと。


◆数週間だけ痩せてどうする

「ファスティングで1週間で2kg痩せた!」
そりゃそうだ。食べるのやめて、胃腸に入ってる食べ物が減るんだもの。落ちたものは脂肪ではありません。

残念ながら、1週間で2kgの脂肪が落ちるほどの高性能な脂肪燃焼メカニズムは、人間の身体には備わっていません。何万年も飢餓に備えて身体が進化してきたヒトには、脂肪を使うよりも脂肪を蓄える機能の方が圧倒的に大切だったからです。

1週間でkg単位で落ちるものは、水分(むくみ)と胃腸に入ってる物です。

だからまた食べ始めた時には体重が増えます。痩せた後のことまで考えてみたら当然ですよね。断食は、始める前からリバウンドが目に見えてるダイエットなんです。

「それでもいいから、体重計の数字を落としたい!」と夏を目前に駆け込む人たちも大勢います。でもね...

夏だけ痩せてどうする!

私たちの人生は1年12ヶ月、人生100年時代です。その1年のたった2ヶ月の夏の期間だけチャチャっとむくみだけ落として、夏の間だけ自分の身体にちょっと自信が持てる人生を謳歌しようなんて、そんな痩せ願望があなたを幸せに導くはずがありません。残りの10ヶ月もあなたの人生じゃないの?

冷静になって考えましょう。

あなたの気になる脂肪は、数週間や数ヶ月でついたものではないはずです。何年もそこにあったはず。それをなぜ短期間で戻そうとするの?

そんなマインドセットがあなたの人生を苦しくしているのではないでしょうか。即効性がある=いい方法ではありません。


◆断食よりも必要なもの

現代の生活で臓器が過活動になっているのは、消化に余計な時間がかかる添加物たっぷりの食事、ストレス、臓器を動かすために必要な栄養素の不足などが原因です

栄養不足で沈みかけている船であるあなたの身体にとって、断食はやるべきことと正反対。痩せたいから取り入れるのは、身体の原理に反しています。その状態で何度も「ファスティング流行ってるからやろ〜☆」なんていうのは、身体にとっては拷問でしかありません。

また食べ出したら体重が増えることが見えている極端なダイエットに走る前に、3食バランスの良い食事をとって、7〜8時間寝て、運動をして、ストレスの管理をしてください。

「つまんないこと言うな」と思うかもしれません。でも、基礎をスキップすれば、小手先だけのダイエットに走って苦しむのはあなた自身。

10年先も続けられる方法でないのであれば、いくら流行っているとしても、そのやり方に固執する必要はありません。別の方法を探しましょう。

ファスティング以外にもあなたの理想の身体を手に入れる食生活・生き方があるはずです。


関連記事


※他のメディアもこちらからご覧ください
Twitter: https://twitter.com/mkkoMIX
Instagram: https://www.instagram.com/mikikokusuda_positivity/
ウェブサイト: https://www.personaltrainer-mikiko.com
アンバサダー: https://www.biodigital.com/


すべての記事は無料ですが、もし「これ気に入ったよ!」という記事がありましたら、投げ銭してサポートいただけると嬉しいです。私がカフェで記事を書く時に、スモールじゃなくて少し贅沢にミディアムのラテを頼むことができるようになります。