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【本】『モモ』ミヒャエル・エンデ
読書好きの友達が何人も『モモ』がいい!というので、10年ぶりに読み直してみました。
1973年に書かれた本なのに、今の話?と思うぐらい「時間」をどう使っていきたいのか、を考えるきっかけになりました。
舞台はヨーロッパのどこかの街。
フランス アルルにて
以前は盛大に使われていた円形劇場が、今は廃墟になり、そこに「モモ」という女の子が住み着くところから始まります。
イタリア ローマにて
モモは「人の話を聞く能力」に長けていて、彼女のところに話をしに行くだけで、人々は自分のやりたいことが見つかったり、喧嘩が収まったり、新しい発想を思いつくようになります。でもそんな楽しい時間は時間泥棒によって・・・
最後はHappy Endなのですが、あのまま時間泥棒が増え続けていったら、人間世界はどうなっていたのでしょうか。
いくつか感じたことをまとめます。
1.人は忙しくなるとイライラする
忙しい、は心を亡くすと書きますが、そんな自分になっていないか、時間に追われすぎていないか?と何度も感じました。
時間を奪われたジジやベッポおじさん、ニノのストーリーは、何とも切ない。
ジジは芸能人のようになり、成功しているはずなのに自分のスケジュールは分刻み。息つく暇もない感じ。
ベッポおじさんは、モモのために自分の時間を売る、とてもやさしいおじさんなのですが、そのせいですごくつらい時間を過ごすことになります。
ニノの以前のレストランは、常連客含め和気あいあいと楽しい感じだったのに、ファーストフード店に変わったことで、モモと再会してもしゃべる時間がほとんどない。(売上は上がったのでしょうが)
これ本当に50年ほど前の本なのかしら?と思ってしまいました。
インターネット社会になったことで、便利になった反面、常にオンラインでつながることが求められ、さらにイライラしやすい人が増えてきている気がします。
2.人の話を聞く能力
モモは、なにかすごいことをいうわけでもないのですが、人々の気持ちをリラックスさせ、本音を引き出し、多くの人の癒しになっていきます。
この「聞く」ということをできる人が少ない、と本にありましたが、その通り。
一呼吸置くこと、その人の話の背景も想像して楽しむこと、様々なことにじっと耳を傾けること、余裕などが大事な要素だなと思います。
3.時間泥棒は本当にいるのでしょうか?
本の中では、灰色を身にまとった時間泥棒の男性たちがたくさんでてきますが、本当に誰かに時間⌛を奪われているのでしょうか。
自分の時間をどう使うかは、自分次第ですよね?なんでこうなってしまうのかな、と思いながら、読み進めました。
現在の全面オンライン時代では、通勤時間などの移動を中心に、生活圏内で過ごす時間が圧倒的に増え、自分の時間が戻ってきた、と感じます。
最近は徒歩&自転車生活が出来ていて、朝の満員電車に乗らないことが、こんなにも快適なのかと、しみじみ思います。
朝から散歩したり、ベランダで家庭菜園する余裕もでてきたものです。
(やたら電動調理器具や、お掃除便利グッズも揃ってきました)
ということは、実は社会システム自体が、個人の時間泥棒になっていたのではないでしょうか?
まとめ
いまこの時代に、『モモ』を読み直すことに意味があると感じました。
まずは、時計を見ずに、時間を気にせずのんびりする日をたくさん作る。いろんな人の話を聞く。今を大切にする。
を、より心掛けようと思います。
時は金なりではなく、時はライフ、すなわち生きること。
最後に、わたしもカシオペイヤとお友達になりたい、というか一緒に過ごしたい!と思いました(笑)30分先の未来が見えて、甲羅を光らせて会話するなんて、素敵じゃないですか💛
では、素敵な夜をお過ごしください^^/
【再掲】
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