中国留学記|発音勝手に日韓戦〜子音編〜
母音編では圧倒的敗者となった日本代表(私)。
なんと勝負は子音編に突入。
まずはこちらをご覧ください。
中国語の子音の一覧表で、23音掲載されています。
(最後のyとwはカウントされないことが多く、外国人学習者は21音と習うのが一般的)
鼻母音大苦戦の3日後くらい、今度は延々と子音を音読させられていた頃にその時はやってきました。
ある日の授業後。
さて、お昼ご飯食べに行くか〜と席を立ったときに韓国人のジュンさんがクラスみんなに呼びかけました。
我们去カペティン怎么样?
ーWǒmen qù カペティン zěnme yàng?
ーカペバティン行かない?
韓国人:いいねぇ。行こう行こう。
わたし:…カ、カペティン…?
文脈から察するに、恐らくジュンさんが言いたかったのは咖啡厅(カーファイティン)。
ペって言った…?と、少々驚きつつもみんなにくっついてキャンパス内にあるカフェに向かいます。
一度気になると他にも色々気になるもので。
咖啡厅 Kāfēi tīng/カフェは「カペティン」
咖啡 Kāfēi/コーヒーは「カーペイ」
friendは「ブレンド」
韓国人のみんな総じて、fの音がpになる傾向があるようでした。でも、そうなるときとならないときがあります。
はて。
意を決して訊いてみました。
韓国語…もしかして…fとpの区別…ない…?
答え:ない
正確にはfがないらしい。
Coffee は 커피keopiコピ、
Cafe は 카페kapeカペ、
Taylor Swift は 테일러 스위프트teilleo seuwipeuteuテイロ スウィプトゥ。
fが聞き取れないわけではないけど、発音しようとするとpになっちゃうとのこと。。
詳しくは分からないけれど、これで彼らはだいぶ苦戦していました。
私が母音のnとngで大変だったときとは異なり、彼らは「聞き取れるし発音もできるのに、パッと出てこない」というジレンマと戦っていたようです。
日本語で言うとなんだろう…
たとえば。
布団を敷くと布団をひく、油を敷くと油をひく、どっちだ?みたいな感覚に近いかもしれません。どちらも発音できるけど、答えはどっち?! みたいな。
本人たちも分かっているので、前回のようにクイズを出して練習する必要は無し。
だがしかし。
授業中、ふとした瞬間にpの癖が出ると必ず先生から止められる日々が続きました。
とは言っても初級学習者が覚えなければいけないことは山のようにあるので、この韓国人たちのfとpの発音迷子問題は大きな転換点もなく、そのままぬるっと私たちの生活に溶け込んでいきます。
韓国人の中でも個人差はあるし、間違えたところで留学生同士なら通じるし。言ってしまえば私も周りも慣れたのです。
そして4か月後、私は留学を終えて帰国しました。
最後の最後、韓国人のウソンさんが空港まで見送りに来てくれたのですが、飛行機の時間までまだちょっとあるねえ、となり。
去星巴克喝Kāpēi?
ースタバ行ってコーヒー飲む?
と言いながらスタバに入っていきました。
スタバでご当地タンブラーを購入して、2人でひと息ついて、そして再会を約束して。
楽しかったなあ…
寂しいなあ…
また会えるかなあ…
1人しんみり出国手続きの列に並んでいたときにふと思い出しました。
あれ、そういえば「カーペイ」って言ってたな。
子音編、勝者は日本!