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環境に仕込まれた「生活のための仕事」という概念で長年苦しんでたと気づいた。

私はもうすぐ55歳になりますが、いまさら気づいたことがあります。
特にこれからの未来で生きていく若者たちに伝えたいことがあります。

生活のために仕事をする、という考え方に全振りしないでほしい。
自分の興味関心の向く方へ、とことん舵を切ってほしい。

私はずっと生活のために仕事をしてきました。

自分にできそうな仕事
親に心配かけないような仕事
すぐに雇ってもらえる仕事

新卒の時から「働いて給料がもらえないと生活できない」という不安とともに生きてきました。

いや、学生時代からそうでした。

アルバイトを掛け持ち、親からの仕送りなしで、貸与型奨学金と支給型奨学金を得ながら、サークルにも入らず学生時代を過ごしました。

今現在もそのような人がいると思います。

私は母子家庭で育ったため、母や祖母の苦労を見てきました。
2人とも「生活のため」に働いて私たちを育ててくれました。
そこには感謝しかありません。

母と祖母はいつも
「会社勤めなら決まった給料が出るから、大変な思いをしなくていいから、自営業はお勧めしない」
と、ずっと言っていました。
安定して給料がもらえる仕事を勧めてきました。

母も祖母もお金に困ると借金をしていました。
自営業のため審査が通りやすかったせいか、いつのまにか自転車操業になっていました。

そのような環境で育った私は

「仕事は苦労してお金を得るもの」

と、潜在意識に刷り込まれてしまいました。
逆に「仕事は楽してお金を得るもの」という考え方は皆無でした。

だから自分の心底の気持ちはどこかへ行ってしまい、生きていくために仕事をつないでどこかに勤めてお給料をもらうことを求めて過ごしてきました。

新卒で正社員で入社しましたが、1年そこそこで退社。
その後アルバイトを転々。
そして契約社員、派遣社員を経て結婚しました。

高校から親元を離れて生活してきたため、自力で稼いで生きていかねば、という考え方が根付いてしまいました。

その頃、自分がやりたいこと、興味あることなんて、考えたこともなかったです。
給料日までお米あるかな、とか(笑)
職場の同僚にも「お米、ある?」とよく心配されていました。

同じ給料で私と同じように生活している人もいたのですが、どうして貯金できるんだろうと不思議に思っていました。
奨学金の返済があったので、その分余裕がなかったのかもしれません。

あ、貯金のことは別に関係なくて(笑)

20代の自分に言ってあげたい。

もっと自分が興味のあることに、関わっていってくれ。
生活のための仕事をしながらでもいいから、
やりたいことわからなくてもいいから、
なんか気になる、ってことにどんどん気持ちをむけて、遠慮なく進んでくれ。

本当の自分が、本当にやりたいことがわからなくならないように、自分が気になることには関わってくれ。

大学時代に本当はやりたかったこと、あるんじゃないかな。

当時付き合ってた彼氏に合わせてばかりで、自分のやりたいこと、やってこれなかったでしょ?

彼に心配かけたくないって、やきもち焼かれるのが面倒だっておもって、自分のやりたかったこと、無意識に封印したんじゃないの?

学生時代のアルバイトも、時給が高いからと家庭教師や塾講師、試験監督とかを選んでいたよね。
楽しかったところもあったけど、積極的にやりたくて選んだ仕事ではなかったよね。

大学が教育系だったって事でまわりはみな教師になっていく中、どうしても教師になりたくなくて、わざと勉強しないで採用試験を受験して。家族に対する建前をみせておかないとその後生きていくのが難しいと考えてたね。

それでも就職先を教育系にすることでつじつまを合わせようとして。
事務をすることになったけど、生きていくには都合が良かった。
家族や周りの人達に、いちおう格好がつくから。
それに食べていくには収入が必要だったから。

そうやって選んだ仕事だけど、たくさんの人にお世話になって楽しく過ごせたし、いまだに連絡をとらせてもらっている方もいる。

大学へ行ったことも、あちこちで働いたことも、人との出会いがあったことは素晴らしい財産になっている。

でもこうして振り返ると(その後もたくさんのいろんなことがあったのだが)、
自分がやりたいことなんて、まったく頭に浮かばないほど心の端っこに追いやって生きてきてしまったんだ。

それが悪かったことではない。
後悔することでもない。
だって、そうするしかなかったから。
そうやって懸命に生きてきたのだから。
生きていくための手段が、その時はこんな方法しか思い浮かばなかったんだから。

今の若者を見ていると、情報に振り回され、周りと比較したり憧れが強かったり、お金儲けばかりに走ったりしている人が多い気がします。
自分と他人を簡単に比較できる時代だから。
そして生まれてからずっと家族の持つ価値観の中で生きてきたから。それはみんな、そう。


私もそうだった。
親や家族という生まれたら初めて出会う社会の概念にガチガチに洗脳されて、その通りにしないと生きていけないから言うとおりにして。
親や祖母にとっては私に対する愛情として「自営業はやめておけ」という価値観をもっていたから、それに応えようとしていた私がいて。

結果どうなったか。

私はどこかで勤務することが嫌になりました(笑)。

子供が生まれてからパートや派遣で勤務してきたけれど、結局嫌になって辞めている。
生活のための仕事。
それだけでは嫌になるのは当然なんだよね。

その仕事が、少しでも自分の価値観や興味に触れていたら、ちょっとしたやりがいを感じ、自分の力が社会の役にたっていると実感できたんだと思う。

周りと比べて、

どこかに勤務しなければならない
一つのところに長く勤めなければならない
期待に応えなければならない
嫌なことは我慢して仕事をしなければならない
みんな無理してるから私もやらなければならない

そんなふうな仕事にたいする考えかたを
捨てることにしました。

今になってやっと、自分で自分のことをちゃんとみてあげることができるようになり、興味があることや好きなこと、求めていることが少しずつ分かってきました。

55歳を目の前にして。

今からでも遅くないと思っています(笑)

自分らしく生きること

今までも自分らしかったとは思いますが、
環境で仕込まれた概念の下にある、奥底の本当の自分の心を見つける旅は、もう少し続きそうです。

はじめは「生活のための仕事」だったかもしれないけど、いつのまにか「興味があり面白い仕事」
になっていった夫のように生きている人が沢山いればいいな。
私はそうならなかったけど(笑)。

それでもいろんなことを経験して、ちょっとしたスキルとして身についたことができたのは良かったことだと思っています。

パソコン、事務作業、接客、窓口対応。
塾、通信、小売、医療、銀行、役所、大学。

何か共通していることってあるのかな(笑)
皆バラバラで。
そして興味があまりないことばかり。
私の興味は、
歌、ものづくり、癒し、植物、香り、気候、環境、家族、健康
なんだよな

それでもなにかしらのスキルはあるのかな。

これからの自分の社会に対する役割ってなんだろう。
残りの人生は、役割をまっとうしたいな。

自分の心の中にしか
答えはないんだよなぁ。





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