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今月の読んで良かった本【2024年10月】

読書の秋ですね。
10月は寒さがぐっと深まった月でした。
こんなに急に寒くなるんだっけ?
11月1日に更新できれば良かったのですが、気付けば1週間以上過ぎていました。
半袖もクローゼットにしまって、すっかり秋服です。
10月のセールで買った服は、もう着れないくらい寒くなってしまって、少し残念です。

先月『「好き」を言語化する技術』を読んだことをきっかけに、自分も文章を書きたいと思うようになりました。
なので、10月は、書評やエッセイを手に取る機会が多かったように思いました。

それでは、振り返りも兼ねて、10月読んだ本です!


2024年10月に読んだ本

読んだ本は、Notionに記録しています。
漫画も入っていますが、合計33冊でした!
(これにプラスして、Kindleで雑誌も読みました)
あまり読めなかったかな?と思っていたけど、9月と同じくらい読んでました。

2024年10月に読んだ本

この中から、読んで良かった本をご紹介します!


noteで紹介した本

好きになってしまいました。/三浦しをん

冒頭で書いた通り、今回はエッセイの本を読んだ感想を書きました。
三浦しをんさんの『好きになってしまいました。』から、「積読」についてと「推しのライブ」についてを取り上げました。
この後も何冊かエッセイを読んでいますが、エッセイってその人の性格や生活も見えるので、とても面白いです。
三浦しをんさんは笑いも入れてくるし、軽快で読みやすい文章でとても好きです。ご本人もきっと気持ちの良い方なんだろうな〜と思いました。

もう1冊くらいnote書きたかったな。
ドラマが忙しい時期だったので、そちらに心血を注いでしまいました〜。
書きたいこともあって下書きにはしていたのですが、、なかなか配分が難しいです。


マーケティング系の本

Webの担当として任せていただくことになり、分析・改善を始めたので、マーケティング関係の本を読みました。
また、デザインチームでチームの目標を立てたり、会社自体もガラリと体制が変わるということで、ブランディングについても学びました。

現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書

分析・改善を進めるにあたって、この本はとても役に立ちました!
専門的なのと、厚みもそれなりにあるので読むのに時間はかかりましたが、手元に残して、必要な時にめくりたい本です。
GA4などのツールの使い方だけでなく、改善についての考え方も掲載されており、何よりサイトの種類(BtoB、BtoC、ECなど)ごとに分析方法や施策が書かれているのが良かったです!

これから分析始めたい中級者におすすめの本です!


ブランディング

まずは基本的なことを、と思い、カラーイラストがたくさん書かれているこの本を手に取りました。
とても分かりやすかった!

  • ブランド=認知システム

  • 一貫性が大事だが、時代に合わせて少しずつ変化させる

  • ブランドがあることで顧客の中に選ぶ基準が生まれる

上記のようなことが、実際にブランドを用いて説明されていました。
これからブランディングについて学びたい初級者向けの本です。



デザイン系の本

ロゴづくりの研究室

内容ももちろん良いのですが、本の表紙の写真がきれいにとれて満足しました(そこ)
ロゴ作りの過程がとても詳しく丁寧に書かれていて、勉強になります。
「神は細部に宿る」、ですね。


作字百景

インディペンデントシーンやSNS上で注目される、「文字をかく」「文字を作る」ことからはじまる新世代のデザイン潮流を、気鋭のデザイナー40組、掲載点数約800点の作例で紹介。

作字作品見るのが大好きなんです!毎月なにかしらデザイン集をみて目の保養にしたい&完成を磨きたくて、読みました。
素敵な作品いっぱいありました!


アートディレクターの流儀

国内の第一線で活躍する先端のアートディレクター20名が実際に手掛けた仕事において、「オリエンテーションから何を考えたか」「どのようにリサーチしたか」「どう解決したか」、そして「どのように成果物を作り上げていったか」のストーリーを、豊富な図・写真とテキストで解説します。「完成の、その次の展開」や、自身の前進・向上のために普段どのようなインプットを行っているのか、も紹介しています。さまざまな分野のデザインナラティブを貴重な資料とともに紐解いていく、デザイナー、アートディレクター、すべてのクリエイター必携のデザイン実例集です。

アートディレクター20名の手がけたお仕事、圧巻でした!!!
デザインに入る前の打ち合わせ・リサーチ・発想・ラフも掲載されているのがとても勉強になります!
気合いを入れ直したいデザイナーの方、第一線で活躍するプロのデザインの流れを知りたい方におすすめ。


WORKS

現代を代表するイラストレーター、Noritakeの作品集。
クライアントワークからプロダクト制作まで、デビューから現在にいたるジャンルを越えた活動の諸相を、イラストレーションを通じた社会との関わりという視点から400ページ以上にわたって紹介。
貴重なロングインタビュー、谷川俊太郎、葛西薫、菅俊一、蓮沼執太による寄稿も収録。

Noritakeさんの作品はとてもたくさんの広告に使われているので、誰もが目にしたことがあるのでしゃないでしょうか。
シンプルな線にモノクロのイラストが印象的です。
シンプルな線のイラストが今どきです。



ビジネス書

心理的安全性のつくりかた

私はリーダーではないのですが、リーダーの気持ちも知りたいな、チームづくりについて頭に入れておきたいな、と思って手に取りました。

  • Googleがきっかけで知れ渡った「心理的安全性」とは、組織やチーム全体の成果に向けた、率直な意見、素朴な質問、そして違和感の指摘が、いつでも、誰もが気兼ねなく言えること。

  • 重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも「チームがどのように協力しているか」

  • 「チームの心理的安全性」の4つの因子

    • 話しやすさ:率直な意見とアイディア

    • 助け合い:トラブルに迅速・確実に対処・対応

    • 挑戦:活気を与え、時代の変化に合わせて新しいことを模索し、変えるべきことを変える

    • 新奇歓迎:多様な観点から社会・業界の変化を捉えて対応

  • あなたの「行動」は、相手の「きっかけ」や「みかえり」

    • 相手に言われたことや状況に単に反応するのではなく、自分がこの行動を選択することは、相手にどのような「きっかけ・みかえり」をもたらすのだろうかと考えることが重要。

「心理的安全性」について分かりやすくか書かれていて、とても良かったです!
最後の、自分の行動は、相手の「きっかけ」や「みかえり」であり、相手にどのような影響を与えるか、与えたいかを考えて行動することが大事だなぁ、肝に銘じよう、と思いました!
相手あっての仕事なので、戦略的に考える部分も大事ですね。


推しエコノミー

仕事でIP関係に関わる機会が増えるので、読みました。

昔は「萌え」と言っていたけど、今は「推し」。
現代のユーザーは「消費者」だけでなくて「表現者」であり、「体験をシェアしたい」
という部分が、確かに!!!となりました。
こうやって私がnoteを書いているのも「体験をシェア」にあたりますね。
感動や好きなことって人に伝えたくなります。

認知度が高くても、「更新されるネタ」がなければ、誰も取り上げることはない。
#鬼滅の刃が、テレビアニメも劇場版アニメも終わったとしても、コラボや次回ゲーム化案件などでどんどん継続的な話題をつくって長期間ヒットした。

日本はもともとコンテンツの創作が得意な国であり、日本の作品が海外でも人気なことは言わずもがな。
そんなどんな人気なコンテンツでも、「更新されるネタ」がなければ、世間にも取り上げられず、人気は低迷してしまう。
確かに、#鬼滅の刃ってめちゃくちゃコラボしまくってましたもんね。
#ちいかわ #ポケモン なども常にコラボしています。
だからこそIP産業が盛んなんだな〜と感じました。

1万円もするライブイベントに友人と行けば、その体験は数ヶ月後も思い出すような人生の一部となる。そこで手にした五百円の缶バッヂやキーホルダーは単なる記憶の物象化みたいなものでしかなく、さして機能はないが、だが小さなグッズは「楽しかったライブ体験」を呼び覚まし、もう一度アプリを開いてみるかという気持ちにさせる。

グッズは、いわゆる「お土産」というやつですかね。
ライブに行ったら何かしら書いたくなるし、展示会でも何かしら書いたくなるし、旅行に行ったらお菓子などのお土産を買いたくなる。
思い出として持ち帰ることで、自分の中で「更新されるネタ」として残るのでしょう。
お土産を買っていくことで、第三者に思い出話を語ることにもなりますもんね。
また、撮影スポットや撮影タイムがあるライブ、撮影OKな展示会も、「行ってきたよ!!!」とSNSでシェアしやすくなります。
イベントを企画する側は、こういったことを作為的に作っていくことで、イベントが更に拡散されていくでしょう。


なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅香帆

『「好き」を言語化する技術』と同じ著者、三宅香帆さんの本。
こちらも大変人気の本で、書店ではずっと平積みされています。
まずね、タイトルのつけ方が上手い!そして、テーマもとても良い!三宅香帆さんの視点がとても好きです。

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」って誰もがドキッとする言葉だと思います。

  • 働きながら、文化的な生活を送るーーーそのことが、今、とっても難しくなっています。

  • 「情報」と「読書」の最も大きな差異は、前章で指摘したような、知識のノイズ性である。

  • 情報の氾濫するインターネット空間で、いかに必要のない情報を除去し、ノイズのない情報を伝えるかが重要視されることは、説明の必要もないほど私たちも痛感するところだろう。

  • 大切なのは、他者の文脈をシャットアウトしないことだ。仕事のノイズになるような知識を、あえて受け入れる。仕事以外の文脈を思い出すこと。そのノイズを、受け入れること。それこそが、私たちが働きながら本を読む一歩なのではないだろうか。

  • 本や読めない状況とは、新しい文脈をつくる余裕がない、ということだ。自分から離れたところにある文脈を、ノイズだと思ってしまう。そのノイズを頭に入れる余裕がない。自分に関係のあるものばかりを求めてしまう。それは、余裕のなさゆえである。だから私たちは、働いていると、本が読めない。仕事以外の文脈を、取り入れる余裕がなくなるからだ。

  • 社会の働き方を、全身ではなく「半身」に変えることができたら、どうだろうか。半身で「仕事の文脈」を持ち、もう半身は「別の文脈」を取り入れる余裕ができるはずだ。そう、私が提案している「半身で働く社会」とは、働いいても本や読める社会なのである。

結論として、「半身で働こう」と三宅さんは述べています。
これには、頭をもげるほど頷きました!
毎月たくさん読書をしている私ですが、確かに、「なんとなく読む気力がないな」という日があります。
そういう日って、忙しくて疲れている時なんですよね。
つまりは、「余裕がない」日。
だから、「半身で働き」、様々なことを取り入れる余裕を持つことが大事。

仕事自体もそうですね。
「余裕がなくて忙しい」と、ルーティン化してしまって、創造性がなくなるのはデザイナーとして身に染みて感じます。
今の職場はそういった「余裕」を大事にする文化があるのでとても好きですし、新しいことを吸収して取り入れて、他のみんなにシャアできる自分でいたいなと思います。

実はこの本については、noteを書こうかなーと思って下書きはしていたのですが、忙殺されてまとめることができませんでした。
今後、機会ができたら書き上げたいなぁ。



エッセイ・漫画

ベストエッセイ2024

2023年に新聞・雑誌等の媒体に発表された中から選りすぐった、ベスト・アンソロジーということで、エッセイを欲している自分にぴったりじゃないか!と思って手に取りました。
結果、大正解。様々な方のエッセイを読むことができて、いろんな人や視点があるなぁと、自分も文章を書きたくなります。

心に残った作品は、下記の4編。

言葉はどれだけたくさんあろうと所詮有限である。言葉を並べれば、どんな情景でも、感情でも、まあ大体は表現できるだろうと思われるかもしれないが、所詮有限の道具を使って、無限の多様性に満ちたアナログの世界を、たとえば目の前の景色や自分の思いを、完全に表現尽くせるものではない。私たちが持っている言葉は、現実の世界に対応するには隙間だらけなのである。
だから、何かを表現できたと思った時には、その背後に、圧倒的な量の、表現できなかったものがあることを思い浮かべておく必要がある。私たちは言葉で表現されたものを読むとき、どうしても「表現されたもの」にばかり意識や興味が行きがちであるが、それ以上に、表現できなかったもの、敢えて表現されなかったものにこそ思いを致す、実はそれこそが「読む」という行為なのである。先ほど言った隙間を読むことが大切なのである。

『AIと連歌を巻く』永田和宏

野生生物は墓をつくらない。一生を終えれば、地球の循環システムに組み込まれるのだ。
人間もまた、大自然を構成する要素である。しかし、高度な知能をもつわれわれは「生きた証としての墓」を建立し、そこに納骨する。生命サイクルにはほぼ寄与しない。そういう意味では、人間の死後処理はあまりエコではない
米国では、究極の自然葬が誕生した。なんと人体を堆肥にし、自然に戻すという。「コンポスト葬」と呼ばれ、2020年のサービス開始以降かなり需要を伸ばしているという。
遺体はオーガニックウッドチップが敷き詰められた容器に入れられる。堆肥化を促進させるために、二酸化炭素や窒素、酸素、水分などを制御できるカプセルの中に入れられ、そこでバクテリアなどの微生物を増殖させて腐らせる。ひと月ほどかけて分子レベルで分解され、土へ還っていく。最終的には、1体あたり85リットルほどの土壌ができる。この栄養豊富な土壌は、園芸用堆肥に使われたり、保護林に撒かれて森林を構成する要素になったりするという。
コンポスト葬は、本物の循環型の自然葬であるといえるが、なかなか生々しい。日本人にとってコンポスト葬は時期尚早か、葬送のあり方を変えてしまう新たな潮流になるかーーー。

『堆肥になる』鵜飼秀徳

「生命のサイクル」についてはちょうど展示を観た後だったので、「なんとタイムリーな!!!」と興奮しました。
「コンポスト葬」なるものがあるとは。
noteでも取り合げた展覧会なので、興味あればこちらもご一読ください。
『ゴミうんち展(21_21DESIGN SIGHT)』です。

幼い頃から人の親切を素直に受けられない性格だった。子供に優しくしてくる大人を見ると、「そうすることでこの人になんの得があるんだろう?」と警戒し、状況してからも自分に親身になってくれる人には、「私に優しくすることであなたは何を享受するんですか?」と真顔で尋ね、「理由なんてないよ」と言う輩は嘘つきで極悪人だと決めつけた。
しかし「好意の返報性」という、他人から何かされると自分も返さなくては、と感じる心理があることを知ってからは認識が変わった。私が本当に警戒していたのは、「親切にされた以上、ゆくゆくはこちらも親切を返さなければならないぞ」という強迫観念だったのだ。そうだ、だから私は「サービスです」とミネラルウォーターを無料で渡してくる店や、お土産を大量にばら撒く人に、昔から苦手意識を持っていたのだ。

『偽の気持ち』本谷有希子

もうずいぶん前のことだ。携帯電話ショップで、泣いている女性を見かけたことがある。彼女は声を詰まらせながら、メールを永久保存する方法はないだろうかと尋ねていた。
「亡くなった母のものなんです」
今、私のスマホには、母からの二件の留守電が残っている。一件はスマホを購入してすぐの練習を兼ねたもので、飼い猫の話が録音されている。もう一件は入院中のものだ。着信に気づかなかった私に、「姉ちゃん?」と母は呼びかけていた。
「なしたの?具合でも悪いの?電話出ないから心配だよ。大丈夫かい?」
母が亡くなったのは、それから半月ほど後である。葬儀を終えた今、「もうすぐ死んじゃう人に心配されてるよ」と妹と泣き笑いしつつ、この声をどこかに保存できないかと考えている。あの携帯電話ショップの女性は、メールを永久保存できただろうか。

『永久保存』北大路公子

この本もnote書きたかったけど、まとめられなかったー!
2011年から発刊されているので、一ヶ月に一冊ペースくらいで読みたいな〜と思っています。
ん?ということは残り13冊?1年以上かかるじゃん!!!
気長に読もうと思います。


もものかんづめ/さくらももこ

「こんなにおもしろい本があったのか!」と小学生からお年寄りまでを笑いの渦に巻き込んだ爆笑エッセイの金字塔!! 著者が日常で体験した出来事に父ヒロシや母・姉など、いまやお馴染みの家族も登場し、愉快で楽しい笑いが満載の一冊です。

私が紹介するまでもない、名著でございますね!
面白くて読みやすくてどんどん読み進めてしまいます。
さくらももこさんならではの独特な視点と、家族たちも愛すべき存在です。
「いきたい展示」として取り上げた、『さくらももこ展(森アーツセンターギャラリー/六本木)』に行く前に読めて嬉しい。
さくらももこさんのエッセイは、もっと読みたいなぁ。


税金で買った本

図書館で偶然発見した漫画で、図書館が舞台。
図書館の裏側を知ることができますし、「そうそう、だから図書館が好きなんだよー!」と思えるシーンも沢山あります。
今は12巻まで読み終えました。
現在出ているのが13巻までなので、間もなく読み終えてしまう……と悲しい気持ちです。
2週目もしたい漫画です!



11月も引き続き読書の秋です

今月も引き続きエッセイを読みたいと思っています。
新刊のデザイン本やデザイン作品集も引き続き読むぞー!
デザイン本に関しては、新刊ラッシュですね。嬉しい悲鳴です。
漫画も、本当はもっと取り上げたかったので、来月紹介できればと思っています。

皆さんのおすすめ本や、読む予定の本などもあったらぜひ教えてください!
特にエッセイはまだまだ未知の分野なので、おすすめの本があればコメントお待ちしてますー!

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