新たなモノサシを手に入れる方法と、書く力
現在一田さんのサイトで連載を担当させていただいている、
「はじめの一歩の踏み出し方」。
先週、インタビューお二人目となる
笛木小春さんの最終回が更新されました。
ありがたいことに、
更新されるとあちらこちらから感想やコメントを頂く機会があるのですが、
中でも今回の小春ちゃん(高校の同級生なのです)の場合、
この最終回(vol.4)への反響が大きかった!
「子供が増えるたびに自由が増える」という衝撃
醤油蔵の女将である彼女は、中2~年中の三男一女の母。
取材当時は、さらにおなかの中に5人目となるお子さんがいました。
彼女はありたい自分であるために、あるいは苦しみを手放すために、
手にするモノサシをどんどんと変えていきます。
そして新たなモノサシで測ってみて、
その結果はみ出た部分を次々と解き放つ。
例えばこんな風に。
長男、次男のころは、何かあった時に
『あのお母さんがしっかり見てないから!』って思われたら
どうしよう、って周りの目を気にしていたけれど、
三人産んだころから、自分を認めてあげられるようになりました。
『これだけの人数を毎日育ててるんだから、
もうそれだけで私十分頑張ってるよね!』って。
平日は、学童を利用している小1の三男のお迎えを、小4の次男にお任せ。
その後、私が帰ってくるまでは育ち盛りの男子3人お腹がすくけれど、
朝のうちに簡単なものを作ってあるので、
それを温めて勝手に腹ごしらえしてくれています。
宿題や翌日の準備などはそれぞれの上の兄弟がチェックする役目。
保育園に通う長女のお迎えは、仕事帰りの夫の担当です。
「他人から見てわかりやすく”いい”風に映るお母さんであること」を
手放した瞬間に選択肢がグッと増えた小春ちゃん。
いまや、「子供は家族のオペレーション要員になってもらわなくちゃ!」と
彼女は言います。
そんな彼女が放った、
「子供が増えるたびに、私は自由になれたの」というひとこと。
愛情や喜びというご褒美はあっても、
子供と「自由」という言葉とは結び付かなかった私にとっては、目から鱗!
その衝撃は読者の方も同じだったようで、
文章を読んでくださった方にとって
「役割や肩書に対するあり方は、自分で決めていい」という気づきに
つながった様子。
いただいたコメントを小春ちゃんにシェアしたところ、
最近は「自分の食器は自分で洗う(末っ子ちゃん以外)」というルールも
追加されたと話してくれました。
新しいモノサシを手に入れる方法
―そんな変化を追うにつれ改めて思ったのは、
「これって、家族だけではなく、いろんな場面で応用できるのかも・・・」
ということ。
短所ではなく、長所と捉えてみる。
施す相手ではなく、戦力や相談相手と捉えてみる。
枠を広げるのではなく、中身を減らしてみる。
これまで、「新しいモノサシ」って言葉に反応はしていたものの、
それを手にする具体的な方法が今ひとつわからなかったのですが・・・
一つの手がかりは、いろいろなものの裏と表をひっくり返してみる、
ということなのかも。
一昨日、自分にとって二度目の発表会を終えるのを機に、
「三年間続けたピアノを辞める」選択肢を
実はかなり積極的に取りに行こうとしていた長女。
ところが、間もなく自分の番を迎えようとするタイミングで、
「ピアノ、続けるわ」とまっすぐ前を見て突然決意を表明しました。
ステージの上には、ゆっくりゆっくり、
一音ずつ確かめるようにつたないタッチで、
でもミスなく弾ききる自分より小さなお友達。
ちょっと頼りなく見えていたけれど、
想像以上に堂々と弾ききった学校のクラスメイトも。
プログラムが進むうちに「なかなか弾けない=行き止まり」という
それまでのモノサシを脇に置いて、
「自分にももっとできる余白」があるという
もっと長いモノサシを自分なりに見つけた様子。
場所を変えなくても、選択肢は満ちている
地面しか見えないうつ伏せが苦しいなら、
うんしょこらしょと場所を変えてみてもいい。
けれど、その場所のまま、くるりと仰向けになれば
果てしなく広がる青空がそこにはある。
そのことを忘れなければ、
自分の世界を変える選択肢はたくさん転がっているんだなぁ、ということを
考えさせられたここ数日でした。
おまけ
・・・と、実はこれ、そもそもの発端はインスタグラムのキャプションに書き始めた文章だったのです。
日曜日に開催された、フリーライター・一田憲子さんによるインスタライブ。
4/1に発売された「暮らしを変える 書く力」の出版を記念したものでした。
そのライブ中盤、
「SNSで投稿するちょっとした文章でも、
俯瞰した目線、思考の過程を書いてみると、”なるほどね”につながる」
という言葉があって・・・。
「じゃぁ今日のインスタはちょっと丁寧に向き合って投稿してみよう」と
投稿したかった話の思考をたどり始めたら、
一つのコラムが出来上がってしまった・・・!
最初は、
『インタビューに答えてくれた小春ちゃんはこんなルールを追加して、
今でも家族の在り方をバージョンアップしてるよ~』って
投稿しようと思っていたのですが、
前に後ろに時をたどり、上に下に目線を動かすことで、
実は自分の中のこんな発見につながっていた!というところにまで
たどり着くことができました。
そう考えると、「なんとなくでも書いておきたい」と思ったその瞬間に、
必ず奥の奥には自分なり大発見の「種」が眠っているはず。
そう信じることができれば、大きく育つ雛が孵ることを疑わず
書き進める勇気につなげられる気がします。