乳がん検診ポスターのキャッチコピーに思う
このハフポストジャパンの記事を目にするまで、乳がん検診啓蒙ポスターのキャッチコピーが波紋を呼んでいる事を知らなかったのだが、これはマーケティングに関わるものとして、また私自身が過去に大病を患ったことがある身として、非常に考えさせられた。
これらのコピー。乳がん罹患者が見たら、かなりショックで腹立たしい気持ちになるだろう。
病気なんて誰も望んでなるわけじゃない。たくさんの人が、そういう思い抱いて病気と闘っている。
私が20代後半に都内の病院に入院していた頃、同じ部屋に乳がんと闘っている大学生がいた。
かなり大変な闘病生活で、毎晩彼女が抗がん剤に苦しめられている音が聞こえてきたし、親御さんがお見舞いに来ているときは、その会話も聞こえて来た。
人生はとても不公平だなと思ったし、最終的には自分一人しか分からない思いや、一人で乗り越えないといけないハードルがあることを知った。
当事者からしたら「おまえひとりの、おっぱいじゃないぞ」は、「わたしのおっぱいだわ」と思うかもしれないし、「僕の健康は、母の健康で成り立っている」なんて、「分かってる。本当にごめんなさい」みたいな辛く悔しい気持ちにさせられるだろう。
乳がんという言葉に一番敏感なのは、罹患している人や罹患歴がある人。いくら検診を受けていない人に向けたポスターであっても、その視点を忘れてはいけないと思う。
私自身、マーケティングに携わる者として、誰かを傷つけたり、不愉快にさせることのないよう色んな角度からの視点を持って広告制作やプロモーションを行っていかねばならないと非常に考えさせられる記事だった。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?