最高の晩餐#3淡路島【南あわじ編】シロクマ文芸部
風の色は透き通る透明の秋。
夏に炭酸は美味しいけれど、秋の風は夏より炭酸が近い。
空は高くスカッとして、でも気を抜けばどんよりぬるく、あまったるい。
夏でも食欲は落ちないことが自慢だが、秋の食欲は格別だ。
ぶらりと南あわじを旅しては、美味しいものに巡り合った。
気に入った食べ物は、気に入っているうちに何度でも食べたくなる。
気に入ったお店の味を再現するのも、また面白い。
ぶらりランチで入ったイタリアンにて
〜南あわじ産いちじくと
生ハム 水牛モッツァレラ〜
言うなれば、生ハムメロンの様な立ち位置だ。
水牛モッツァレラはフワフワでミルキー。
とても気に入ってしまった。
なので東京に帰ってからの、再現料理はこちら!
オリーブオイルと粗挽きコショーをかけて、味を引き締めれば完成。
モッツァレラは水牛ではないけれど、美味!!
これまでしらす料理は、しらすかけご飯か卵焼きに入れる位しか思い浮かばなかった。
油との相性が良いことを知った。
ピザは窯で焼いてくれる本場の味。とても美味しいイタリアンだった。
だしが氷のキューブになっており溶かしてから頂く。暑かったのでツルリと美味しく頂いた。
わたしが鯛だしのラーメンを初めて食べたのは、徳島県の堂の浦というラーメン屋さん。
後にも先にも、ラーメンを食べてあれだけ感動したことはない。わたしの中で史上最高の極上ラーメン。東京にも店舗を出してくれないかなぁと切に願うくらい美味しい。
今回の旅では農家さんが飼う烏骨鶏の、産みたて卵も食べさせてもらった。
濃厚だった。
卵かけご飯こそ、贅沢な食事だと思う。
今のところ、最後の晩餐は納豆卵かけご飯にしたいと思っているくらい。
東京の喧騒を離れ、美食巡りと静養の旅となった。
帰りは神戸で明石焼きを買って新幹線の中で食べた。ふっわふわだ。
出汁がきき、三つ葉もいい仕事をしている。
…寝不足になりながら美食三昧な日々を送っていたら、東京に帰り少しだけ体調を崩した。
「胃に優しいご飯を作って待っているからね。」
わたしを甘やかしてくれるのは、そうあの人しかいない。
パートナーだ。
仕事は早々に切り上げ、帰りの電車でメッセージを送った。
「今日ご飯なぁに?」
「秘密!」
「お腹すいたー!」
「早く帰っておいで☺️」
なんだろうなぁと楽しみに家に着くと
「お帰り。お風呂に入っておいで!」
と言ったので
「ただいま!先にご飯がいい!お腹すいた」
と答えた。
すると「まだ出来てないから入っておいで。」とお母さんみたいなセリフが返ってきた。
この雰囲気は仕事帰りではなく、部活帰りの少年と母親のやり取りだ。
それもスポーツをしてちょっと汚れている。
お風呂前のご飯は許されそうになかったので、お風呂に入ることにした。
ご飯なんだろうなぁとお風呂から出ると、先程のイチジクと生ハムモッツァレラに、明石焼き風卵焼きの大根おろし添え、鰯焼きの梅ソースがけ、あんかけ豆腐がテーブルに並べられていた。
「いただきます!!!」
ビールを呑んで、今日のご飯についてや、直近でそれぞれにあったことを話した。ご飯は言うまでもなく美味しく、身体を労わるご馳走だった。
宴もたけなわな、
「〆があるんだよ!炊飯器を開けてごらん!」と言ったので炊飯器を開けてみると、
ふわぁっと白い湯気に乗っていい香り。
中から顔を出したのは松茸だった。
わぁ、なにーーー♡きゃーー!!松茸ーー!!
すだちをほんの少し絞って、秋の味覚を頂いた。松茸の香りが染みたご飯と、噛めばシャッキリとした松茸の食感がたまらない。
「さぁさぁお茶を飲んで、薬も飲むんだよ。」
と晩餐のあとは、ほうじ茶まで入れてくれた。
彼といると、お母さんの愛情って凄いんだなぁと感じるくらい、母性を感じている。
ご馳走様でした。
今日もこんなに美味しいものが食べられて幸せでした。
ありがとうございます。