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【読書日記】📙「わたしの美しい庭」 著:凪良 ゆう

あらすじ

「統理」はマンションの屋上にある
小さな縁切り神社の主をしながら、
血の繋がらない前妻が再婚した夫との間の娘
である「百音」と暮らしている。
同じマンションには屋台バーを経営している
ゲイの「路有」が住んでいて、
3人は同じ部屋で、いっしょにご飯を食べ、
屋上で話しながらティータイムをしたり、
時には花火をしたり。
血の繋がらない子とのいびつな
共同生活に対して良からぬことを
いう人もいるが、3人は、
たくさんの同じ時を共に過ごす中で
大切なものを共有しながら、
楽しい生活を送っていく。
そして、屋上にある縁切り神社にはさまざまな
想いの人々が訪れて…

【かんそう】

「形」じゃないんだよなぁ。
やっぱり。と思った。
いろんなことは、「見栄え」
「肩書」「世間体」などの
真実や内情の詳細を全て丸め込んでしまい、
一瞬で誰もが共通認識できる
スコンとはまるような「形」に
はめられてしまう。
勝手なイメージと共に。

だけど、それらはただその一つの
形に押し込められた形に過ぎない。
心の健やかで、本当に優しく、
綺麗な思いから始まっているたしかなもの。
そこから紡ぎ出していける関係は
外部がなんと言おうと、どんなふうに
見えようとも、関係なくて。
大切にすべきことを大切にして
生きている人たちは、本当に
美しく、つよい。そう思った。
「形」にあてはまらないからこその
絆で結びついて、つながっているような
清らかであたたかい関係性を築きながら
共に生活を過ごしていけるのは、
心底、贅沢で羨ましいと感じた。
本当の贅沢ってこういうことなのでは
ないだろうか。

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