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心がめあてと言ってしまえよ
鈴木晴香さんの『心がめあて』は、私が初めて手に取った歌集であり、短歌を詠む上で一番影響を受けている、特別な歌集です。
CDであれば聴きすぎて擦り切れているであろう、何度も口ずさんでは新鮮に心打たれる、大切な短歌を少しばかり。
ーカーテンが夜を創ってくれるからわたしがそれを本物にする
ー真夜中のスーパーマーケットのように淋しい場所を残しておいて
ーまたここにふたりで来ようと言うときのここというのは、時間のこと
ー夏の夜の躰めあての雨の窓こころがめあてと言ってしまえよ
ー君と見たどんな景色も結局はわたしひとりが見ていたものだ
鈴木さんの短歌は、鋭く、しなやかで、そして、冷ややかな熱を持っているように思う。
どうしようもなく、体温を求めているようで、決して孤独を恐れていない。軽やかに立ち振る舞い、心の赴くままに身を委ねながら、その眼差しは強く、何時だって「本当のこと」を捉えようとしていて、揺るがない覚悟や、意思のようなものを感じる。
私はこの歌集を開くたび、心底救われ、そして、あぁ敵わないと絶望する。大胆な言葉を使ったので誤解を生まないよう説明すると、この「絶望」とは、私にとっての生きる歓びです。
この本に出会えて嬉しい。鈴木晴香さんという歌人に出会えて嬉しい。この作品に触れる時間が愛おしい。私も、詠みたい。
第一歌集の『夜にあやまってくれ』も、素晴らしい作品です。気になった方はぜひ。
おやすみなさい。