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midori doremi
2024年8月29日 22:27
カチ、カチャ、ジュー軽やかな音が店内に響く。食器にカトラリーがあたる音、大きな扉の冷蔵庫がひらく音、鉄のフライパンでお肉に焼き目をつける音、高熱のオーブンが完成を知らせる音…いくつもの音が複雑に、最終的にはひとつになって空間をつくる。開店前のレストラン。それぞれが持ち場の準備に追われている。音がよりいっそう緊張感を高め、香る食材のにおいだけが場を和ませていた。大学生の
2025年2月17日 23:55
「いってきます」「いってらっしゃい。忘れ物ないようにね」朝、夫を送り出す。2月も半分が過ぎようとしている。今月はとくに出張が多い。北へ南へと。雪が降っていようが降っていまいが、そんなのは関係ないと、旅立つ夫を見送る。私が夫の立場だったら、熱があるかもしれない、寒いし霜焼けになったら取り返しがつかない、飛行機が飛ばない気がする!などとよからぬ心配(期待)を抱いてしまうかもしれな
2025年1月20日 21:25
毎週木曜日のお楽しみ。お昼休みの時間に、会社近くのパン屋さんにいく。ガラス張りの店内にオレンジ色ののれんがそよそよと風になびく、昔ながらの店構え。ガラスの扉に貼られたお店のロゴは随分とときを経て、そこにあったであろう余韻だけが残っている。「こんにちは~」挨拶をしながら店内にお邪魔すると、「いらっしゃいませ~」と奥の方からハリのある声が聞こえてくる。かと思えば、いつの間にかレジ前
2024年12月25日 18:56
平日のランチタイム。人が流れ出す、12時よりも少し前の時間帯。ひと足先にお昼のために街に出かける。いつもの朝より早めに活動をはじめていたので、それに応じてお腹のスタンバイにも拍車がかかる。普段なら午後に響かないような、軽めの軽食を好むのだけれど、今日はなんて言ったってお腹が空いている。白米に合う、コッテリとしたおかずを身体が欲しているのだ。そうなれば、大体の選択肢は限られる。