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メニエールについて

名前だけは知っているという人もいるだろう。

自分はメニエールである。詳しくはわかっていない。ただ突発性難聴とは違い、何度も繰り返すらしい、程度のフワッとした知識しか持っていない。自分の体なのになにしろ分かりにくい病なのだ。
普段は特段気にせずに生活をしている。ただある日突然、耳鳴りがする。ほんの一瞬から10秒程度、音がこもって聞こえなくなる場合もある。それから日を開けず、吐き気が出たり、電車に酔ったり、マックスまで行くとめまいが始まる。このめまいが非常に厄介で、立ってる時のクラッ程度ならまだ軽度。仕事は押し進める。そのうち座ってる時に出るクラッ。ちょっと大人しくしようと思い始める。ここから一気に進む。突然真横からぶん殴られたかのような、実際に誰かが頭ぶん回してるんじゃないかというほどの目眩が始まる。立ってるのは無理。座ってるのも無理。横になって目を閉じても暗闇で8の時大回転が始まる。動くことも、苦しくて声を出すこともできない。これがいつ終わるのかわからない。良くなったと思って翌日を迎えると、また再発する。波がすぎるのを台風のように静かに待つしかないのだ。この時のタクシーやバス、電車は恐怖の乗り物だ。いつめまいで倒れるかわからない。なんなら吐くかもしれない。視覚も聴覚も使い物にならない。普段の帰り道がこんな時はなんと遠いことよ。
これは耳鼻科の範疇であり、耳鼻科にて検査と処方薬で落ち着かせていくしかない。最悪の場合、自分は、脳圧を下げる点滴をして頂く。処方は期待を裏切らないステロイド。メチコバール、そして利尿剤。早く行けば早く治るが、ほっとけばそのぶんだけ治るのに時間もかかる。ただほんとに「治る」わけではないらしい。その時「治る=症状が落ち着く」程度だ。どうやらこのメニエールというのは、完治はしない病気らしい。原因は几帳面な性格や、寝不足、ストレス、お酒に塩分。いわゆる万病のもとだ。気をつけるようにはしているが有り難くないことに年一回のメニエール発作をここ3年ほどやらかしている。学べ馬鹿者が。
メニエールとは、距離を守ってうまく付き合っていかなければいけないありがたくない隣人なのだ。できれば引っ越してもらえると助かるのだが。隣人がどう思っているのかは知るすべは無い

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