矛盾と気分

連絡したいのにしたくない　会いたいのに会いたくない、その気持ちが同時に発生している
何かを作り上げたい気持ちと一度壊したい気持ち
外出したいのに、部屋で寝ていたい
辞めたいのか始めたいのか、続けたいのにこれ以上何もしたくない
もう嫌いとか好きとか湧いてくる感情はキリがなく
分からないことと矛盾したエネルギーが同時に回っている、よく分からないこの体感がたまに起こる。

とても疲れているはずなのに思い切り都会に行って人と話し込みたかったり
話したくて連絡をしたのに、全く会いたくなくなったりと、自分の中に相反するどちらの感情もがほぼ同じタイミングで発生していてその時の瞬間の気分によって行動の選択が採用されるし、変更も起こる。
ずっとここにいたいのに、世界を渡り歩きたいと思う
馴染みのあるこの景色に口角が上がるのに、誰も自分のことを知らない土地で生きていたいと思う

これまで積み上げてきた確立された温もりと、未だ見ぬこれからの可能性と呼べる新しい環境の両方がほしい　
たぶん私はとてもわがままなのだ　色んなものがほしい

今日だって、この白い天井を眺めてただだらだらと贅沢に時間を使いたい　
意味もなく、ページの進んでいない小説の表紙を眺めていたい　気付いたら夜になっていてほしい
お気に入りの一着を身につけ気分で行きついた場所で知らない人と話して仲良くなりたい
新品で履いたサンダルの靴擦れに笑いたい

物じゃなくて人との繋がりの中でしか交換のできない感情や感覚を存分に味わいたい
経験や概念からの新鮮な体感と頷く体現がほしい
人間として生きていることが楽しい！って全力で表現したい　そんな自分を愛したい

もう通り過ぎた自分の人生に一ミリの関与もない今やつまらない他人を思い出す時間がゼロになるといい。
忘れてしまった解放感に深呼吸をしたい、他人の範囲を広げたい

さんざん見てきた海の底ではなく、水面に背中を預け軽やかに口笛を吹いて過ごしたい

誰のものにもならないけど、愛する人をみつけて愛し愛されたい　しあわせを一緒に体現したい　

すこしの物に最大の想いを込めて長く使いたい　選ぶ時にずっと自分のそばにいてほしい物だけを手にとれる目を養いたい

自分から発せられたエネルギーの循環に手応えを感じたい　自分と相手との間にみずみずしい空気がかよっていることを伝えたい　
そんな時間を教えてくれたことに微笑みたい

分かることは一緒に楽しめて、違いは認め合えて
安心して話し続けられる人との無言の時間を慈しむみたいな愛を語りたい
そんな人とずっと繋がっていきたい