年度途中でも、週時程を見直していいんじゃない?
学校は基本的に、平日5日×35週で年間の教育課程を編成しています。しかし、実際は35週以上学校はあるんですね。なので、残りは「予備時数」として確保しているという状況です。
文科省の調査で、この時数がかなりオーバーしているがあるので、もうちょっと削っていいよという通知がでました。そこで、各校は年間の教育課程編成をもう一度見直すことが求められています。
さて、では先生方の学校ではこのような文科省の通知を元に適切に教育課程の編成が行われているでしょうか?実はこれ、なかなか難しい問題だと思っています。なぜなら「年間を通してなにかしらの理由により休校が相次いだ場合に備え、ある程度の予備時数はやはり確保しておく必要がある」という判断が至極妥当だからです。そのため、なかなか削りづらいという学校が多いのではないかと予想します。
そこで、文科省から出されている「令和4年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査」 の結果について(下記リンク参照)をのぞいてみて下さい。
この中で、教育課程の編成について、以下のようなことが示されています。
ここでは高学年を例に挙げていますが(高学年が授業時数が多いため)、実際には低学年でもこうした授業時数超過は起こり得ますので、やはり見直しが必要です。
とはいえ、前述したように「予備時数の確保」も大事。そこで、同調査結果には以下のようなことも示されていました。
個人的に、これはかなりの朗報だと考えています。年度途中においても授業時数の配当を見直していいということですから。これであれば、学校の状況に応じて、繁忙期である年度末にゆとりある週時程を組みなおすことができるかもしれません。
しかし、こうした教育課程編成を実際に行って大丈夫かどうかは、学校長を通して各都道府県教育委員会にもきちんと確認することが必要です。その際には、年度途中の編成を断念せざるを得ない場合も考えられるでしょう。
もし攻めた提案をしたいなら、前述したような文科省の通知や、以下の文書を示し「教育委員会が支援・後押しを行っているとありますが、〇〇教育委員会としては、どのように授業時数の見直しに対して支援を行っていただけるのでしょうか」と聞いてみるのもいいかもしれません。
いずれにしても、こうした「年度途中での教育課程の見直し」というのは、まだまだ前例が少ないです。が、少なくとも選択肢の一つとして、こういったやり方もあるという知識は持っておいた方がいいかと思います。