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4つの言語活動
一時期「言語活動の充実」という言葉がブームだった時期があります。どの研究授業でも、言語活動の充実が図られていたか、みたいな視点でみんなで話し合っていました。言葉自体は廃れてしまった感があるのですが、これは重要な視点なので、少し整理してみたいと思います。
言語活動は、大きく4つの領域に分かれます。
①話す ②聞く ③書く ④読む
並べてみれば、なんてことないものです。どの授業でも、子どもたちは全員この4つをやっているでしょう。でも、それぞれにどんな特徴があるのかは、なかなか意識しないところだと思います。
≪アウトプット≫
まず「話す」「書く」の2つはアウトプット型の言語活動です。
「話す」はハードルが低く「書く」はハードルが高い。したがって、低学年や学習の初めのころは、比較的「話す」のアウトプットから求めていった方が抵抗感なく学習が進むと思っています。
≪インプット≫
「聞く」「読む」の2つはインプット方の言語活動です。
この2つは、先のアウトプット型とちがい主体が変わります。「聞く」は受動的なので、相手(主に教師)が主体になっているのに対し、「読む」は自ら能動的に動かなければならないので主体は子どもになります。こちらも前者の方がハードルが低いので、学習初期の段階では「聞く」をメインに、その後だんだんと「読む」を取り入れていくのがいいと思います。
この4つの言語活動に優位性はあまりないと思います。どれも大切、という認識です。本当に大事にしたいのは、これらを「組み合わせているか」ということです。しかし、学校の授業の場合、この言語活動が偏る傾向があるようです。具体的には「聞く(教師が話す)」時間が多くなりがち、ということです。でも、それはなぜでしょうか? あと少し深堀りします。
この4つの中で、唯一自分ではコントロールできない言語活動があります。それは「聞く」です。「話す」「書く」「読む」は、自分でやめようと思えばやめられます。しかし「聞く」だけは、自分の思いとは関係なく、相手がしゃべっていれば自然と耳に入ってきます。もちろんそれも大切な学習ですが、教師側に立つと、子どもの姿勢や実態とは関係なく学習を進めている気になれるので、一方的にしゃべりがち、ということが起こるのです。
言語活動について少し解説しましたが、こうした特徴と子どもたちの発達段階を踏まえ、授業でどの活動をどの程度入れるのかを検討するのも、大事な教材研究の一つかなと思います。
ぜひ、トライしてみてください(^^)/