みちょブックス

本業はシステム開発のプロジェクトマネジャーでシンガポール赴任中。40歳手前にして自分のやりたいことが見つからず、ふわふわと人生をさまよう根無草な男。 読書は好きで、月10冊ほど読むので、読書日記をまとめて発信していきたいと思います。宜しくお願いします!

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本業はシステム開発のプロジェクトマネジャーでシンガポール赴任中。40歳手前にして自分のやりたいことが見つからず、ふわふわと人生をさまよう根無草な男。 読書は好きで、月10冊ほど読むので、読書日記をまとめて発信していきたいと思います。宜しくお願いします!

最近の記事

『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』の読書日記。母語を話せるようになるだけで十分高度な学習でありスゴイこと。

こんにちは、みちょブックスです。 今回は、今井むつみ先生の『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』の読書日記です。 普段何気なく使っている『言語』ですが、「そもそもどうやって子供は言語を学習していくのか?」を改めて考えてみるのは新鮮で面白かったです。 ゆる言語学ラジオをきっかけに、今井むつみ先生やオノマトペの研究を知りました。 本書では、『オノマトペ』と『アブダクション推論』を重視しているということで、読書日記として、その2点を簡単にまとめてみたいと思います。 子

    • 『ブラックウェルに憧れて~四人の女性医師~』を読んでジェンダー問題をちょっと振り返ってみた。 | 読書日記

      こんにちは、みちょブックスです。 今回は、南杏子さんの『ブラックウェルに憧れて~四人の女性医師~』の読書日記です。 読んだきっかけ 石田夏穂さんの筋肉ムキムキなボディビル小説『我が友、スミス』を読んで「女性ならではの世界観や苦悩は新鮮だった」と感じていたところ、ジェンダーがテーマの他の小説として友人より本書を薦められたので早速読んでみました。 『我が友、スミス』の読書日記も、ぜひご覧ください。 ジェンダー問題をちょっと振り返ってみた。 女性医学生の入試不正や女性医師

      • 『天上の葦』は、太田愛さんの構想力が圧巻でした。 | 読書日記

        こんにちは、みちょブックスです。 今回は、太田愛さんの『天上の葦』の読書日記です。 鑓水、相馬、修司の3名が活躍するトリオシリーズ3作目。社会派ミステリー長編小説として文句なしの5つ星でした。 著者の構想力が圧巻でした。 老人の不可解な死から始まって、事件のスケールがどんどんどんどん大きくなっていく。これまでの1作目『犯罪者』では毒物混入や政治とカネ等の社会問題を、2作目『幻夏』では冤罪の社会問題をテーマにしていて、社会問題への問題提起が重厚で読み応え抜群でした。 3作

        • 仕事で関わりあるインド系の人たちに気軽に聞ける内容ではない。『カーストとは何か インド「不可触民」の実像』| 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、鈴木真弥先生の『カーストとは何か インド「不可触民」の実像』の読書日記です。 コテンラジオのムガール帝国編を聞いたことをきっかけに本書を読んでみました。 ぼくが住んでいるシンガポールでは約10%がインド系です。さらに、仕事がITシステム屋なのでインド系の人たちと関わる機会も多いし、インド料理が主食と言ってもいいぐらいインド料理を好んで食べてます。 しかし、カーストについては「いくつかの階層の序列があって、最下層が差別の対象になっ

        • 『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』の読書日記。母語を話せるようになるだけで十分高度な学習でありスゴイこと。

        • 『ブラックウェルに憧れて~四人の女性医師~』を読んでジェンダー問題をちょっと振り返ってみた。 | 読書日記

        • 『天上の葦』は、太田愛さんの構想力が圧巻でした。 | 読書日記

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          主人公・尚成がたどり着いた哲学が新鮮で強烈だった『生殖記』 | 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、朝井リョウさんの新作『生殖記』の読書日記です。 答えのない問題提起を投げかけてくる朝井リョウさんらしい素晴らしい小説でした。読み終わった後に咀嚼して感想をまとめるのに少し時間がかかりましたが、いまのぼくが思うところをまとめてみました。 拡大・発展・成長を前提とした社会にモヤモヤ 本作の主人公・尚成は同性愛者です。尚成の生殖機能が人格をもっているという設定で、その生殖機能が尚成の生活を観察し解説しながら物語が進んでいきます。

          主人公・尚成がたどり着いた哲学が新鮮で強烈だった『生殖記』 | 読書日記

          女性ならではの世界観や苦悩。筋肉ムキムキなボディビル小説『我が友、スミス』 | 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、石田夏穂さんの筋肉ムキムキなボディビル小説『我が友、スミス』の読書日記です。 ゼロからボディビル大会を目指す女性の物語ですが、女性ならではの世界観や苦悩は新鮮でしたし、名言や例えが面白くて楽しくスラスラ読めちゃう小説でした。 一見女性らしくない女性ボディビル界で女性らしさを追求される 男性だけでなく女性のボディビル大会もありますが、中には「ミスコンの亜種」のようなものもあるらしい。本書では、ミスコン亜種というよりはクラシックな

          女性ならではの世界観や苦悩。筋肉ムキムキなボディビル小説『我が友、スミス』 | 読書日記

          『海が見える家』シリーズを読んで、自分にぴったりの土地を探しあてたくなった | 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、はらだみずきさんの『海が見える家』シリーズ4冊の読書日記です。 1冊目の『海が見える家』は凪のように穏やかな小説。 本書の主人公・文哉君は、20代前半で、入社後すぐ仕事をやめてしまう。疎遠だった父を亡くし、地方にあった父の終の棲家で新たな生活を始める。 ぼくは、40歳手前で、実家に父一人を残している。そして、実家ではなく、自然豊かな北海道への地方移住を夢見ている。 文哉君とぼくとは全然状況は異なるけど、なんだか遠い小説の世界とは

          『海が見える家』シリーズを読んで、自分にぴったりの土地を探しあてたくなった | 読書日記

          『犯罪者』。社会問題がてんこ盛りで重厚すぎるミステリーでした。 | 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、太田愛さんの『犯罪者』の読書日記です。 本書の主要人物である鑓水、相馬、修司の3名が活躍するトリオシリーズ。2作目の『幻夏』を先に読んでしまいましたが、今回1作目の『犯罪者』を読みました。 『幻夏』の読書日記はこちら⬇️ 本作は、通り魔事件から始まり、殺人鬼からの逃走、食品会社の毒物混入、奇病、政治とカネ、不法投棄、訴訟費用…てんこ盛りの事件や社会問題が1つの物語に収斂されていく構成で、とにかく重厚。読み応え抜群のミステリー小説

          『犯罪者』。社会問題がてんこ盛りで重厚すぎるミステリーでした。 | 読書日記

          言語化のやり方を実にシンプルな体系でまとめてくれた『「好き」を言語化する技術』 | 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない 』の読書日記です。 写真、読書、旅行などなど、感激を言葉にして残したり、誰かに伝えたりしたいのに「やばい!」という言葉しか出てこない。自分の洞察力・表現力が低すぎるんじゃないかと、そんな自分にうんざりすることも多いです。 そんな中、三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を面白く読み終えた後、ぼくの悩みを解消してくれ

          言語化のやり方を実にシンプルな体系でまとめてくれた『「好き」を言語化する技術』 | 読書日記

          凝り固まった頭をほぐしてくれる『きょう、ゴリラをうえたよ』 | 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、ゆる言語学ラジオで紹介されていた水野 太貴さん、今井 むつみ先生の『きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集』の読書日記です。 本書は、子供のことばの間違いを取り上げて、ことばの本質を子供の間違いからちょっと掘り下げて考えてみてる本です。言語オタクで、ラジオでの話も面白い水野さんが、子供のことばの間違い80選を紹介・解説しています。 ぼく自身は子供がおらず子育て経験はありませんが、子供が言語を学習していく過程を追

          凝り固まった頭をほぐしてくれる『きょう、ゴリラをうえたよ』 | 読書日記

          『キリスト教講義』。キリスト教主義学校に12年間通ってたぼくが気づいた勘違い | 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、若松英輔さんと山本芳久さんの『キリスト教講義』の読書日記です。 本書はキリスト教への理解が深い2人が対談形式で色々なテーマを素人向けに解説していています。非常に読みやすいし、なにより内容が深くて面白い。 ぼくはキリスト教主義学校の中学~大学(大学院)まで通い、授業も受けてましたし、特に中学時代は礼拝やお祈りを毎日行っていました。 この本を読んで、自己愛・隣人愛など、これまで思いっきり勘違いしてたことに気づきました。キリスト教の本質

          『キリスト教講義』。キリスト教主義学校に12年間通ってたぼくが気づいた勘違い | 読書日記

          『読めない人が「読む」世界』。自分が知らない世界があることを理解することが多様性 | 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、マシュー・ルベリー教授の『読めない人が「読む」世界 読むことの多様性』の読書日記です。 内容のご紹介 「文字を読む」について多種多様な人々がいる。本書は、下記のような独特な方法で情報を処理する脳を持つ人々(ニューロダイバージェント)が、どのように文字を読んできたのか、そして、どのように考えどのように行動してきたかを、実に大量の多種多様な症例をあげて解説しています。 難読症(ディスレクシア):文字がぼやける、二重に見える、ちらつ

          『読めない人が「読む」世界』。自分が知らない世界があることを理解することが多様性 | 読書日記

          『松岡まどか、起業します』のスタートアップのヒリヒリ感にちょっとついていけない | 読書日記

          東京都知事選で好印象だった安野さん。前作『サーキット・スイッチャー』は、近未来SF小説、サスペンス・ミステリー小説、AIビジネス・哲学書のいろいろな側面から、AIビジネスや自動運転の技術的・倫理的な問題・課題をエンターテインメントとしてまとめあげていて面白かったです。 ⬇️『サーキット・スイッチャー』の読書日記はこちら。 本作『松岡まどか、起業します』は、全然テイストが違うビジネス小説でした。 主人公の松岡まどかは、秘書役から彼氏役まで多様なAIを使いこなして生活してい

          『松岡まどか、起業します』のスタートアップのヒリヒリ感にちょっとついていけない | 読書日記

          読んだ本をすぐに忘れる僕が『忘却の効用』を読んで論理的に勇気づけられた。 | 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、スコット・A・スモール先生の『忘却の効用』の読書日記です。 ぼくは、読んだ本はすぐに忘れる。 仕事のことはまぁまぁ細部まで覚えているほうだと思う。けど、本になると全然覚えられない。 出来ることなら、数ヶ月たった後でも読んだ本の面白かった部分を1つだけでも絞り出して話せるようになりたいんですが、全然出てこない。1冊読み終えたら、読書日記で振り返りはやりますが、すぐに次の本を読み出して新しい情報が脳内に入ってきて埋まってしまう。読書

          読んだ本をすぐに忘れる僕が『忘却の効用』を読んで論理的に勇気づけられた。 | 読書日記

          気持ちがモヤモヤしている時にモヤモヤ感が残るミステリー小説『幻夏』を読んだ。 | 読書日記

          こんにちは、みちょブックスです。 今回は、太田愛さんのミステリー小説『幻夏』の読書日記です。 季節関係なく楽しめる小説 夏らしい小説が読みたいなぁと思っていたところ、マサキ/Masaki BooksさんのYouTube『【心に残る】忘れられない夏になるおすすめ小説5冊!』を見まして、心惹かれた2冊を購入しました。先日、『夏美のホタル』を読み終え、続いて『幻夏』を読み始めました。 『夏美のホタル』は夏らしい田舎や自然の情景を感じられる小説でしたが、『幻夏』は季節関係なく楽し

          気持ちがモヤモヤしている時にモヤモヤ感が残るミステリー小説『幻夏』を読んだ。 | 読書日記

          夏の終わりに夏らしい小説を。『夏美のホタル』 | 読書日記

          今回は、森沢明夫さんの小説『夏美のホタル』の読書日記です。 夏らしい小説が読みたいなぁと思っていたところ、マサキ/Masaki BooksさんのYouTube『【心に残る】忘れられない夏になるおすすめ小説5冊!』を見まして、心惹かれた2冊を購入しました。 しかし、積み残したまま9月に突入。夏らしい小説が季節遅れにならない内に読み始めました。 ちなみに、同時購入した小説『幻夏』はまだ読んでない・・・早く読まなきゃ残暑も終わる〜。 カフェで読んではいけない。 本書は、息抜き

          夏の終わりに夏らしい小説を。『夏美のホタル』 | 読書日記