『天上の葦』は、太田愛さんの構想力が圧巻でした。 | 読書日記
こんにちは、みちょブックスです。
今回は、太田愛さんの『天上の葦』の読書日記です。
鑓水、相馬、修司の3名が活躍するトリオシリーズ3作目。社会派ミステリー長編小説として文句なしの5つ星でした。
著者の構想力が圧巻でした。
老人の不可解な死から始まって、事件のスケールがどんどんどんどん大きくなっていく。これまでの1作目『犯罪者』では毒物混入や政治とカネ等の社会問題を、2作目『幻夏』では冤罪の社会問題をテーマにしていて、社会問題への問題提起が重厚で読み応え抜群でした。
3作目の本作では、過去に遡って戦時下の言論統制と現在の警察権力の犯罪を結びつけており、時代も超えて、さらにスケールが大きくなっています。
最後の逆転劇へのハラハラ度は1作目の方が高かったんですが、最後はスカッと解決して終わります。社会問題への問題提起で読者を考えさせ、立ち止まらせつつ、物語としてはスカッとする読んでいて気持ちの良い小説でした。
1作目と2作目の読書日記もご参照ください。
おわりに
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