読んだ本をすぐに忘れる僕が『忘却の効用』を読んで論理的に勇気づけられた。 | 読書日記
こんにちは、みちょブックスです。
今回は、スコット・A・スモール先生の『忘却の効用』の読書日記です。
ぼくは、読んだ本はすぐに忘れる。
仕事のことはまぁまぁ細部まで覚えているほうだと思う。けど、本になると全然覚えられない。
出来ることなら、数ヶ月たった後でも読んだ本の面白かった部分を1つだけでも絞り出して話せるようになりたいんですが、全然出てこない。1冊読み終えたら、読書日記で振り返りはやりますが、すぐに次の本を読み出して新しい情報が脳内に入ってきて埋まってしまう。読書日記を見返すと、少しだけ思い出せる感じ。
一方で、パートナーは過去に読んだ本でもよく覚えていて、内容や感想なんかをすらすらと喋れる。読書量は圧倒的にぼくの方が多いけど、記憶に残っているのは彼女の方です。
このように、読んだ本を全然覚えられていないぼくが、ゆる言語学ラジオの『読書ガチ勢が、本を読むコツを教えます【◯◯を読んではいけない】』で本書を紹介しているのをみて、気になったので購入してみました。
本書は一言でいうと、「忘れることは普通なんやで。いいこといっぱいあるんやで。」という本でした。
神経精神学の領域でアルツハイマー病や記憶障害を研究されてるスコット・A・スモール先生が、脳神経科学の研究結果の話を、ところどころ雑談を入れながら、素人にもわかりやすく解説してくれています。
忘れることによるいいことを、認知機能、感情、創造性の3つの観点でまとめてみたいと思います。
①忘れることで、認知機能を高められる。
ヒトは忘れることにより、ものごとを一般化・抽象化している。
なにひとつ忘れることができないと、1つの感覚的経験と次の感覚的経験を結び付けて一般化することができない。例えば、朝見た犬と夕方見た犬が同じ犬だとわからない。
一般化する能力がないと、知覚したものを逐一、新しいものとして記録・処理し続けなければならず、想像するだけでも頭がパンクしそうである。
また、脳内では、誰かを「見る」ということに対して、自転車のホイールのようなハブ・アンド・スポーク方式で情報処理している。
まず最初に、対象の顔は構成要素に分解され、各要素が低次のハブで色や形が符号化される。
次に、それらの情報が高次のハブに集まり、顔の各パーツが再構築される。
最後に、最も高次な中央ハブが、完全に再構築された顔を「見る」。
細部までこと細かく覚えているのではなく、一般化した特徴だけを抽出し、それらを再構成することで、記憶量的にも処理速度的にも効率よく認知しているようだ。
②忘れることで、感情を落ち着かせられる。
怖い目にあったりと嫌なものを味わった時、後々見ただけでも嫌な記憶が蘇ってきますが、時がたつと少しずつ感情が和らいでくる。もし忘れることが出来ず、ずっと積み重ね続けたままでは、想像するだけで発狂しそうである。
③忘れることで、創造性を高められる。
新しいものを生み出すひらめきは、既存の要素同士が意外な形で突然結びついたときに起こるという話がありますが、忘れることで要素同士の結びつきを緩くしておき、その時に創造性が最も発揮されるとのことでした。
すぐに忘れる自分を論理的に赦してあげよう。
上記の通り、忘れることで、認知機能、感情、創造性の観点でいいことがありそうです。
今後も、いっぱいインプットして、(読書日記などでまとめておきつつ)忘れて、を繰り返すことで、認知機能を高め、感情を落ち着かせ、創造性を発揮していきたいと思います。
本書のおかげで、(そこまで悩んでもなかったけど)すぐに忘れる自分を論理的に赦すことが出来ました。
さいごに
noteをご覧いただきまして、ありがとうございます。
ストーリーを語ることが苦手なわたしですが、今後とも面白いと思ってもらえるnoteを継続的に発信していきたいと思います。
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