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編集の仕事 2005 『絵が「ふるえるほど好き」になる』 MAYA MAXXのロシアの名画と旅ガイド

絵とものづくりの雑誌『みづゑ』をリニューアル創刊したのが2001年。
創刊の第一号の表紙をMAYAさんに依頼し、それが縁で、さまざまな記事を制作させていただいた。
その後、『みづゑ』で「MAYA MAXXのふるえるほど好き」という連載がスタート。ふるえるほど好きな絵画に毎回会いにいって、それについて語り尽くすというもの。日本にある作品の紹介がほとんどだったが、2度海外の取材も。
その一つが、ロシアへの旅だった。
2005年にモスクワにあるプーシキン美術館から、マティスの『金魚』をはじめ、20世紀初頭の絵画が多数日本にやってくることとなり、その展覧会と連動することによってロシアの旅が実現した。
マティス、ピカソ、ボナール、セザンヌなど数々の名画について、MAYAさんが独自の視点で語っており、絵を見ることの自由さと、絵というもの自体の素晴らしさを味わえる一冊となっている。

久々に本を眺めていて、最後のページあったMAYAさんのプロフィールに目が止まった。
いろいろとプロフィールが続く最後に
「今回のロシアの取材旅行中、MAYA MAXXが語った言葉は、いま大きく変化しようとする自身の表現とつながるものだった。そして、こうした言葉の数々は、現代美術がインスタレーションや映像など表現手段を広げていくなかで、『絵を描く』というシンプルな行為に、いまなお大きな可能性があることを、私たちに感じさせてくれる」と、プロフィールらしからぬ原稿で締めくくられていた。
これは自分が執筆したもの。まったく忘れていたけれど「絵を描く」ということに、大きな可能性があって、その可能性の向かう先を見てみたいという気持ちは、20年経った今も変わることはない。


info

イラストレーターのすずきももさんが運営する、とても素敵な本とカフェとギャラリーがある「ポンピイェハウス」で、森の出版社ミチクルの本と來嶋の編集の仕事を並べた展示を行わせていただくことになりました!

森の出版社ミチクル 本とカゴと土偶 
11月1日ー25日(火水休)
森の出版社ミチクルの活動では、これまで制作した本とともに、最近熱心に取り組んでいるかご編み、野焼きで作品をつくっている縄文土偶も販売させていただこうと思っています!

來嶋路子 編集の仕事
アーティストと一緒にゴールの見えない道を歩いていたら30年が経っていました
11月14日ー25日(火水休)
20歳からアートの本の編集に携わるようになり、さまざまなアーティストの画集や著作集などを担当。これまでつくったアートブックを一堂に並べます。

トークイベント
アートブックの編集について話します
聞き手 佐藤優子(編集者・ライター)
11月17日(日) 14:00-15:30
先着当日20名(予約不要) 1500円(ワンドリンク付き)

満員御礼
カゴ編みワークショップ
11月24日(日) 13:00-15:00くらい
定員5名 2000円

要予約 michikururu@gmail.com

プロフィール_來嶋路子 くるしまみちこ
@ michikokurushima
東京出身。大学4年生の頃から、美術出版社でアルバイトを始め、その後『みづゑ』編集長、『美術手帖』副編集長など務める。東日本大震災を機に北海道岩見沢市へ移住。その後もアートやデザインの本の編集を続ける。2017年より人口300名ほどの美流渡地区で出版活動を始め、ローカルのつながりを生かした本づくりを行う。マガジンハウスWEB「colocal」で日々の暮らしを連載中。
ポンピイェハウス
@ponpiyehe
北海道札幌市中央区南6条西24丁目1−27
11:00−18:00(金・土22:00まで)


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