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言の葉の森

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救われないなら (詩)

救われないなら (詩)

  なやましい一瞬の肉感的な惨虐な感覚が
  私のからだに沁み亙った
               室生犀星

かつて愛した女の元に来て
おのれの犯した罪の在り処を知ることだ

ずっとかすかにつらい世で
愛しさだけが澄み切っている

ロマンスは平等なのだ
天も地もない、共鳴の地平線である

くつくつと笑いが漏れるのは
若さの浪費を已めることのない
私自身の弱さゆえか 否か ?

天は采配を振るう

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追う、追われる、哀歌 (詩)

追う、追われる、哀歌 (詩)

  僕を追う側にする君は
  眼を合わしちゃくれないが

  君を追われる側にした僕は
  眼が合わないとせつなくて

  もし 眼が合えば 僕と君だけ
  もろくくずれる ひとみの奥に
  追うも追われるも融けちゃえと
  おんなじ鼓動をうつ心臓になる
  
  ひとつになれた名残をなでて
  にっちもさっちもいかぬ
  明け方の道を駈けてしまえ!

  しかし、手を離したら、また、
  追うと

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