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アンチRPGと名高い『moon』

積みゲーが溜まっている…

スイッチやSteamといった媒体の中に、買ったはいいがクリアしきれていないゲームが、把握しているものだけで4~5本ほどはある。

せっかく購入したのだから最後までプレイするのが筋だろう。

環境的にスマブラするのが難しくなってきたからこそ、積みゲープレイにシフトしたいものだ。


そんなわけで現在スイッチにてプレイしているのが、

「隠れた名作」といえば?という質問でしばしば名前の挙がるあの作品。

『moon』である。

タイトル画面から既に独特の雰囲気

1997年にPS1のソフトとして発売したこちらの作品。

一部コアなファンから根強く支持されていたのだが、その後リメイクは長い間されることがなく、オリジナル版は高額になり手が出しづらくなっていた…

そんな中、なんと2019年にニンテンドースイッチのダウンロードタイトルとして22年の時を経てリメイク。

「まさかこのタイミングでmoonが!」という衝撃は今でも覚えている。


このゲームのジャンルは、「アンチRPG」

作品自体が「敵を倒してレベルを上げて、世界を救う」といった王道RPGに対する強烈なアンチテーゼなのである。


物語は、ある少年がプレイしていたRPGゲームの中に吸いこまれてしまうところから始まる。


この少年が知る、ゲームの中の世界での衝撃の事実。


彼がプレイしていたゲームで「善の象徴」、だと思われていた勇者は、

罪のない生き物を殺して経験値を溜め、

他人の家に勝手に入っては物品を強奪していくという

とんでもない悪者だったのである。


リアル世界からやってきた少年の目的は、この勇者によって殺された生き物たちを救っていくこと。

モンスターを倒すのではなく、救うことで「ラブ」と呼ばれるパラメーターを上げ、それによってレベルアップし行動範囲を広げていく。

正にアンチRPGと呼んで差し支えないゲームなのだ。

ラブを溜めた時に出てくる謎のキャラクター。
キャラクターが皆独特なタッチなのもまた哀愁があって良い。

アクション要素はほぼ皆無のため人によっては退屈かもしれないが(おそらくこれが大きな積みゲーとなっている要因だろう笑)、その分ほのぼのしたmoonワールド独自の世界観に浸かりながら、のんびりプレイすることができるのが推しポイントである。

物語はまだ序盤も序盤。僕は未だクリアしたことはないのだが、最後の肝ともいえるネタバレは気になって見てしまい、既に知っている状態でプレイを進めている。


もちろんこのネタバレは今後プレイする方々のために伏せさせていただくが、

こんなエンディングを迎えるゲームは、世界中探してもどこにもないだろう。


最後に提示される見たところなんということもない、しかし見方を変えれば究極ともいえる選択肢。

キーワードともいえる、「扉を開けて」

それらがプレイヤーの中で腑に落ちた時、初めて『moon』はアンチRPGとして完成するのである。


普段ゲームをプレイする人であればより刺さるメッセージ、ぜひ未プレイの方は手に取っていただいて、それを受け取っていただきたい。


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