カウンセリングを受けようか迷っている学生の方へ。学生相談室という選択
自分がうつかもしれない、病院に行くべきだろうかと悩んでいる時間って本当にしんどいし、不毛だ。
けど心療内科などに行くのも怖い。病気であることを認めるのに抵抗がある人もいるだろうけど、私の場合「病気じゃなかったらどうしよう」という不安の方が怖かった。
人に会いたくない。学校に行きたくない。連絡もしたくない。何もできないこの状態が、ただの怠惰だったら?
今になって思えば、悩んでいる時点で誰かに助けを求めるべきだった。そうしている間にも気持ちは悪化して、もっと酷いことになるから。
(どう酷くなったかは後述)
最初の3行に共感してくれた方。それが病気なのかどうかはさておき、悩んでいることは事実なのだから、病院とまで行かなくてもカウンセリングを試してみるのはどうでしょう。
私は現在、通っている大学内にある学生相談室で、週に1回、1時間ほどのカウンセリングを受けています。正直に言って非常に助けていただいているので、私の体験談と感じたメリット、それから考えられるデメリットをまとめてみました。
私の場合:カウンセリングに行ったきっかけ
~ほんとうは死にたくないから相談室の扉を叩いた~
まあ、開けたのは自動ドアだけど。
今でこそ、カウンセリング中に冗談や笑い話も交えることができるが、当初の心理状態はひどいものだった。
どこにも行くことができず、毎日起きている間はぼろぼろと涙を流し、感情が高ぶると泣きわめき、それでも治まらないと自傷行為をしていた。だんだんエスカレートしていく行為を「痛い」ではなく「ジンジンする。生きている。」と感じ始めたころ、ふと「これ、このまま深く傷つけていったらいつか簡単に死んでしまうのでは?」と思った。
そうしたら死ぬのが怖くなって、怖くなったことにびっくりした。
あんなに毎日「消えたい、消えたい」と泣いていたのに。
そうか、私死にたくないんだ。でもこのままじゃきっと死んじゃうんだ。助けて。
そのとき思いついたのが、(まだうつが酷くなく大学にも時々通えていたころ)先生から聞いた「学生相談室」だった。閉館時間の1時間ほど前、アポイントメントも取らずに駆け込んだ。
私の場合:初日
~しんどいことをまとめたら、たった3つになった~
なけなしの勇気を振り絞って、大学にいった。相談室は、たぶんどの学校も、奥まったところにある。幸い、知り合いに会うことはなかった。
相談室に入って、受付の方(と思っていたが、カウンセラーさんだった)に「あの、相談したいことが」と話しかけると、「閉室まであまり時間がないけど、今日がいいですか?予約をとって後日にしますか?」と聞かれた。
その時を逃したらもう来られないと思った。今日がいいです、とつぶやくと「ではあちらの机でこれを記入してください」とプリントをもらった。
内容は、学籍番号・学年・学科・所属研究室・氏名・住所など事務的なことばかり。最下部に、相談したい内容を書くスペースが、住所と同じくらい小さく設けられていた。
一番相談したいこと、と考えるとわりとあっさりとその四角は埋まった。
たしか、
・研究室に行くことができず、卒業が危うい
・自傷行為がやめられない
・家族と上手く話し合えない
といった内容を書いたはず。
その後は個室で「今日はよく勇気を出して来てくれたね」と言われた瞬間に号泣し、その後1時間弱、様々な質問に答え、次の予約をとり、できなかった先生への連絡もカウンセラーの方がとってくださり、驚くほど短時間で状況が変わったように思う。
ちなみに個室に入った後「何から話したらいいのか」とただ泣く私に、「では、こちらから質問する形式にしてもいい?」と言ってくださり、プリントに記入した内容を見ながら一問一答のようにただ答えていた。
確認をとってもらったことも含め、この形式はかなりありがたかった。
カウンセリングに行ってよかったこと
①病院への紹介状を書いてもらえた
私に季節性感情障害(冬季うつ)の可能性があるのでは、と最初に指摘したのはカウンセラーさんだった。一度病院へ行くことを勧められた。
(ちなみに、私が何もできなさすぎて学内の診療所の予約もとってもらった。申し訳ないが、有り難い限りである。)
カウンセラーさんは毎週1時間私の話を聞いているから、お医者さんではないけど、私の症状をある程度わかっている。
けど、病院に行ったら1回の限られた時間(私は30分だった)の中でまた1から自分の状況を説明しなくてはいけない。過不足、とくに伝え忘れがあったらとても不安だ。
その点、紹介状を書いてもらえたら、それをお医者さんに読んでもらうだけで症状のほとんどを伝えることができる。
これはメリットとして大きいのではないか。
そういえば、病院へ行く前に、紹介状の内容に間違いがないが確認するため一度読んで、と見せられたが、文章で客観的に描写されるとうつ病にしか見えなくて恥ずかしいやら悲しいやらでまた泣いた。
②話すことで気持ちが整理できる
カウンセリングのときは前回からの一週間でしんどく感じたことや、一週間の生活リズムについて話す。
人に説明しようとすることで、なんとなく感じていた「しんどい」「しにたい」が文章化され、自分にとって大事なこと、例えば「されたくないこと」などがわかってくる。
そうすると、それを家族や周りの人に伝えることもできるようになった。顔色を窺われながら生活するのも、窺うのもそれぞれつらい。「こう扱ってくださいね」とはっきり言うことは自分のためでもあるし、周りへの配慮にもなっている。たぶん。
③相談相手が「話を聞くプロ」
普通なにか悩み事は家族、恋人や友人に相談する人が多いような気がする。
私の場合は家族に相談しても喧嘩になってしまったし、友人も共感こそしてくれるが解決策を導いたりはしてくれない。
ひどい話だが、「わかったように言われることがむかつく」という心理状態になることもあった。
つまり、周りの人に相談してもうまい結果が得られない・そもそも相談しづらいという人はぜひ、という話。
カウンセリングのとき、私が言葉を選んでぽつぽつと話し始めるまで、カウンセラーさんはいつもじっと待ってくれる。
ただただ号泣している私を30分近く見守ってくださったこともある。
絶対に、急かされることはない。
無論、ただ黙っているだけでなく、あちらこちらに飛ぶ私の話を整理するように相槌を打ってくれたり、大事な話のときは深く掘り下げる質問をしてくれたりする。
そのどれもが「私を主体においてくれている」と感じる。
もちろん、カウンセラーさんによってスタイルは違うと思うので、悪しからず。
学生相談室でよかったこと
①事務連絡等をお願いしやすい
うつ病などで苦しんでいる人にとっては、数行のメールでさえハードルが高すぎる。
私もそうだった。そもそも起き上がることだってしんどいのだ。連絡とか、とうてい無理だ。
相談室は学内にあったから(なんなら同じ建物に研究室もあった)、カウンセラーさんは私の先生にも連絡をとってくれた。私の状況を簡潔に説明してくださったり、三者面談のように話し合いをする場を設けてくださったりした。
それで、一時期研究室に復帰できたこともある。
やはり学校の悩みなら特に、学校で相談するのが良いかもしれない。
②学内の診療所を利用できた
もちろん、最初から学内の診療所に一人で行くことも可能だ。だけど、そこに心療内科の先生がいらっしゃることを私は知らなかった。
家の近くのメンタルクリニックとかを調べて、ここに行くことになるのかなあと口コミをたくさん見ていた。
知らない先生、しかもメンタルクリニックとなると、正直怖い。
だけど、学内の診療所はある程度安心感があるし、カウンセラーさんも先生のことをご存じだったから、行ってみよう、と思えた。
通院している今も、カウンセリングで診察の内容を言うことがあるけど、非常に話しやすい。恵まれた環境だなと思う。
考えられるデメリット
幸いにして、私はカウンセリングで嫌だな、と思ったことはない。けど、こういうこともあるんじゃないかなあと思ったことを挙げてみる。
①カウンセラーさんは選べない
学生相談室にいらっしゃるカウンセラーさんは毎日同じ方だった。
それはつまり、もし合わない方でも変えられないということ。私は他でカウンセリングを受けたことがないから想像でしかないが、場所・相手を変えたいって人もいるんじゃないかな。
私のカウンセラーさんは女性だけど、男性もいたら男子生徒も話しやすいのでは?と思うこともある(そもそも理系学部なので、8割は男子だし。)
けど、裏を返せば毎週同じ曜日じゃなくてもOKってこと。私も実際、基本的に毎週月曜にカウンセリングを受けているけど、火曜に変更してもらうこともある。
メリットにもなるということだ。
※後日追記:よく調べたら曜日と時間帯によっては違うカウンセラーさんがいらっしゃることもあるようだった。(名前からしか判断できないが)男性もいらっしゃるようだ。訂正。
ただし8割くらいの時間はやはり同じ人である。
②知り合いに遭遇する可能性が高い
自分の体験談のところでも少し触れたけど、「外に出られない、人に会いたくない」という状態だとこれはキツい。
学校内にあるから、当然通学路は通るし、学校の敷地にも入らなきゃいけない。
実際、知り合いとすれ違うことはある。
対策としては
・授業の始まり、終わりの時間は避ける
・帽子とマスクなどで顔を隠す
が効果的だった。すれ違った知り合いにも声をかけられたことはない。
終わりに
長くなりましたが、これを読んで「そういう選択肢もあるのか」と思ってくださる方がいたら幸いです。
私はカウンセリングや病院に通うことでだいぶ落ち着きましたが、「こんなことならもっと早く訪ねていれば良かった」と後悔しています。
カウンセリングの話は今後も書いていこうと思っています。良かったら、読んでください。
それでは、こんなところまで読んでくださったあなたに、いいことがありますように。