24、ポリフェノールの話
前回は抗酸化作用の話でしたが、フィトケミカルの中でもポリフェノールは抗酸化力が強いという話がありましたので、今回はそのポリフェノールを取り上げます。
ポリフェノールとは
ポリフェノールとは、ほぼすべての植物が持っている色素や苦味、渋味の成分の事を指します。植物の花の色はきれいですが、その色もポリフェノールの働きです。
これ等は何処から来るのかというと、じつは植物が光合成によって自ら作り出しているんです。ある記事の説明では、「光合成で作り出す抗酸化物質」と書かれていました。何から守るのかというと、紫外線や害虫、乾燥、周囲の環境から受ける好ましくない影響に対してです。
この抗酸化物質がもつ性質(抗酸化作用)は人間にとっても有用なものです。そして、この性質を利用して人間も体内で発生する活性酸素を処理してくれることを期待して摂取するんです。
再び活性酸素
この活性酸素は前回も取り上げましたが、体内の脂質を酸化させて過酸化脂質と呼ばれる物質に変えます。これが免疫機能の低下や老化を引き起こします。その他、動脈硬化の原因になったり、がんなどの疾患を引き起こしたりする原因になるとの報告もされています。
また、活性酸素はアンチエイジングの話題でも取り上げられるように、皮膚の脂質を酸化させてしまって、それによってしみやシワの原因を作ることもあります。まさに健康や美容の大敵ですね。
ポリフェノールはこういった活性酸素の悪影響から守ってくれることを期待して摂取するんです。
そんなポリフェノールですが、化学構造の違いによって数多くの種類があります。有名なところでは「カテキン」や「イソフラボン、「アントシアニン」などがあります。研究中という成分も多くありますが、自然界には8000種類以上存在するといわれています。
フレンチパラドックス
そんなポリフェノールですが、どうやって摂取すればよいかというと、これを豊富に含む食品を摂取することで取り入れることが出来ます。代表的なものが赤ワインと言われています。現在分かっているものの中で単に含有量だけを見るならば、もっとも多くポリフェノールが含まれている食品は赤ワインなんです。そしてこの赤ワインの効果か(?)と言われている話題の一つに、フレンチパラドックスがあります。
フランス人は肉の消費量が世界的に見ても多いという事で、一人当たりの消費量はトップクラスだといわれています。「こんなに食って毒脈効果にならないのか?」と心配になりますが、その一方でワインの消費量も多くて、一人当たり年間で67リットルに上るのだとか(日本人は1リットルほど)。にもかかわらず、他の国と比較しても心臓病により死亡率が低いという矛盾もあるんです。これを誰かが「フレンチパラドックス」と名付けたようですね。これは赤ワインの中に含まれるポリフェノールの働きだろうと推測されています。
普段の生活で取り入れやすい飲み物で考えるなら、コーヒーでしょう。データで見るかぎり、コーヒーにもポリフェノールが多くの量が含まれています。コーヒーでなくても、ココアや紅茶、お茶でもいいようです。
赤ワインやコーヒーは、日本ではよい話も悪い話も色々と出ています。飲み過ぎは控えた方がよさそうですね。