Yoshihiro Nishino

あなたの健康を応援するサポートライター🄬です。 医療機関で臨床検査技師として、40年近く勤務してきました。 現在はKindle出版のプロデュース業やラジオのパーソナリティをしています。 こころとからだのお役立ち情報などを紹介したいと思います。

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あなたの健康を応援するサポートライター🄬です。 医療機関で臨床検査技師として、40年近く勤務してきました。 現在はKindle出版のプロデュース業やラジオのパーソナリティをしています。 こころとからだのお役立ち情報などを紹介したいと思います。

最近の記事

臨床検査とは何か

今回から新しいシリーズもスタートさせようと思います。しばらくは、医療機関で行われる臨床検査について取り上げていくことにします。この分野の仕事は分析装置などの機器を必要とする内容のものが多いので、医療機関の規模によって院内で処理できるものや外部委託するものなど、検査項目の扱い方が変わってきます。そういったことも踏まえて、どんな検査項目があって、どのような注意事項が必要かなどについて書いていくことにします。 まず、臨床検査という言葉を使いました。これは「患者さんの身体に対して直

    • サイトカインと神経細胞の再生について

      前回はサイトカインと再生医療の関りについての話題でした。今回はその話題をもっと突っ込んで考えてみたいと思います。サイトカインが細胞の再生や炎症に深く関わっているのであれば、その対象となる細胞に神経細胞は含まれるのかどうか、もしも含まれるならば、どのような効果を得る可能性が期待できそうか、そんなところを調べてみたいと思います。 最初に出てきた文言は「サイトカインは、神経細胞の再生を促す効果が期待できる治療法として、脳梗塞や脊髄損傷の治療に用いられています」というものでした。そ

      • サイトカインと再生医療

        最近、サイトカインと再生医療の関係について注目が集まっているようです。サイトカインは細胞から分泌されるたんぱく質で、細胞間の情報伝達物質でしたね。そして、免疫細胞を活性化したり抑制したりと免疫機能に深く関わっていますので、バランスが崩れると大変なことになりましたね。また、サイトカインは組織の修復や機能維持にも関わっています。具体的には、細胞の増殖や分化等にも働きかけますので、こういった部分が再生医療の分野でも損傷した組織の修復を促す治療法として利用されるようになってきました。

        • サイトカインと感染症

          今回は、サイトカインと感染症の関係やそれにまつわる話題などについて紹介します。感染症との関わりについて考えるとなると、生体(人間)側の免疫反応や炎症反応などについても取り上げる必要があると思いますが、いくつかの話題についてはすでに紹介しているところもあったようです。その辺りの再掲も含めて調べていくことにします。   まず、サイトカインは細胞間の情報伝達物質でたんぱく質でできています。いろいろな細胞から分泌されますが、作る場所が細胞ですから大きなサイズのものではなさそうですね。

          サイトカインとがん

          今回はサイトカインとがんの関係について書きたいと思います。サイトカインは細胞間の情報伝達物質でしたよね。そして、免疫反応や炎症反応などに深く関わっている物質で、たんぱく質から成ります。がんに対しては、がん細胞の増殖を促進したり抑制したりするという働きをします。実際にはそれだけではなくて、がんの発生から増殖、転移、そして免疫反応としての応答など、がんに関わる全ての過程で関わっているんです。同時に、先に書いた通りサイトカインはがん細胞の増殖に関わる物質がある一方で抑制する方向に働

          サイトカインとがん

          サイトカインストーム

          今回はサイトカインストームという話題です。ストームというくらいですから「嵐」のような状態が起きるみたいですね。一度にいくつものサイトカインが動き出すといったイメージがあるのですが、いったいどんな現象が起きるんでしょうか。 サイトカインストームという言葉自体は以前から少しは耳にしたことがあったのですが、最近になってこの言葉が流行り出した理由は、なんでも「新型コロナウイルス感染症に関連する話題」というところで出て来たらしいですね。 まずは言葉の意味からですが、そもそもサイトカ

          サイトカインストーム

          サイトカインの種類、その3

          今回もサイトカインの種類についてですが、残りのケモカインなどを取り上げることにします。 ケモカイン サイトカインの話の一環ですのでケモカインもサイトカインの一種なのですが、白血球などを遊走させる働き(活性化)があります。遊走性 (chemotactic) という特徴を持つサイトカインという意味でケモカインの名前が付いたという謂れがあるようですね。血管内の白血球を炎症部位に遊走させる働きが一般的ですが、産生される場所が炎症部位ということです。 ケモカインの特徴ですが、分子量

          サイトカインの種類、その3

          サイトカインの種類、その2

          サイトカインの種類ということで、前回はインターロイキンという物質について書きました。今回は別の種類のサイトカインとして「インターフェロン」を取り上げます。 インターフェロン(略す時はIFN)は哺乳動物の体内の細胞で産生・分泌されるたんぱく質の一種で、病原体(特にウイルス)の侵入に対して抑制的に働くものとして発見されました。実際にはウイルスの複製を阻止する因子という事で、インターフェロンの名前が付いたとされています。現在では、免疫や炎症の調節、腫瘍細胞などに対する抑制といった

          サイトカインの種類、その2

          サイトカインの種類

          サイトカインには様々な種類があります。そして、そのそれぞれが違った働きを持っていて、それらが総合的に働くことで免疫系の仕組みのバランスをとっています。今回はその種類について調べてみます。 このシリーズの初回にいくつかの名前を挙げましたが、それらも含めて再度挙げていきます。 ①インターロイキン 主に免疫系の細胞(リンパ球やマクロファージなど)が分泌する細胞間の情報伝達物質と呼ばれるたんぱく質です。たくさんの種類があって、しかもその機能が順に並んでいないのは、発見された順に番

          サイトカインの種類

          サイトカインの役割

          今回は「サイトカインの役割」とは何かという話題です。 サイトカインは主にタンパク質からできている細胞間の情報伝達物質として位置づけられています。細胞間ですから、産生して分泌する細胞があって、それが特定の細胞に対して働きかけるという関係が成り立ちます。主に免疫系の細胞で産生されることから、生体の免疫系のバランスをとるための重要な役割を果たしています。細胞単位で産生されるのでその量は非常に微量ですが、それを受け取る側も細胞単位なので、とくにその量で問題はありません。 主な役割

          サイトカインの役割

          サイトカインとは

          今回からしばらく、サイトカインという物質についての話題を取り上げます。 まずサイトカインとは何ぞやという話ですが、これは主に免疫系の細胞で作られて細胞外に分泌されるたんぱく質です。目的とする細胞(標的細胞)に対して、そこの受容体を介して生理活性を示すものと説明されているので、まるでホルモンのようですが、サイトカインとホルモンとでは違いがあるんです。 産生される場所がちがう ・ホルモンは特定の臓器(下垂体、膵臓、甲状腺など)から産生される ・サイトカインは複数の臓器(白血球

          サイトカインとは

          オーガニックの表示

          今回は「オーガニック」というような、よく見聞きするけれども実は内容をよく知らないとか、勘違いしやすい言葉を取り上げます。 オーガニック、無農薬、糖質0 こんな表現がよく目につく人も多いかと思います。正確な意味であったり、どの様なことを意味する言葉なのかであったり、この辺りは結構曖昧なんですね。中には「勘違いを狙っているんじゃないか?」と思うようなところがあったりもします。一つずつ見ていきましょう。 まずは「オーガニック」という言葉です。この言葉は英語の「organic」に

          オーガニックの表示

          食品添加物のルール

          これまで様々な食品添加物について取り上げて来ましたが、ある程度の量になったようですね。もう少し突っ込んだ話題も取り上げてみようかと思います。普段の食事では加工された食品が数多く食卓に上っていると思いますが、ほぼすべての食品に添加物(食品添加物)が入っています。口にするものですから、当然体に対する影響などは調べられているはずです。しかし、世間ではいろいろなウワサが飛び回っていることも事実です。根も葉もないものもあるでしょうし、単なる誤解なども含まれているでしょうけれども、中には

          食品添加物のルール

          発酵調味料のはなし

          今回取り上げるのは「発酵調味料」です。発酵の部分と調味料の部分なら分かるのですが、これを繋いで一つの言葉にすると何か分かりにくくなった気がしましたので、今回取り上げることにしました。 まず発酵調味料とはどのようなものかという事ですが、微生物の力を借りて発酵させたり熟成させたりして作られる調味料のことです。因みに発酵と腐敗は起きている現象は同じですが、人間にとって有用なものを生み出す場合は発酵であり、役に立たない物や有害なものを生み出す場合は腐敗として扱います。発酵調味料を作

          発酵調味料のはなし

          香辛料のはなし

          今回は「香辛料」やそれに関連した話題を取り上げます。使っている漢字の意味もあってピリピリと辛いものを指すようなイメージがありますが、この話題を取り上げた団体ごとに表現が微妙に異なった書き方になっているなど、どうやら統一された定義のようなものは存在していないようです。「こういった物」というイメージはあるのですが、なんとも不思議な話ですね。 ウィキペディアによると以下の3点に要約されていました。 ・調味料の一種 ・植物から採取される ・調理の際に風味や色を出したり、臭みを消した

          香辛料のはなし

          香味調味料のはなし

          香味調味料って何を指すのかというと、食品が持つ自然な風味を再現するために用いられる食品添加物のことです。香味調味料を添加することで香料による独特の香りを加えたり、調味料によって味覚を刺激する味を明確にしたりするためのものですね。ただ、似たような名前の食品添加物が沢山出て来ましたので、ちょっとここで整理しておきたいと思います。 香味調味料とは「料理の味付けに用いられる、様々な香辛料や調味料をブレンドした製品の総称」ということでした。その成分として様々なものが入っている混合物と

          香味調味料のはなし