23、抗酸化作用の話
フィトケミカルの中で大きなグループとしてポリフェノールがあります。その作用として最も大きなものは「抗酸化作用」でしょう。アンチエイジングなどの話題でも取り上げられる頻度が多いので、よくご存じの方も多いと思います。しかし、「それじゃ抗酸化作用ってどんな作用?」という事になるとどうでしょう。活性酸素が・・・は分かってもその先が・・・、じつは私もそうなので、この機会に調べて書いていきたいと思います。
私たちの体は食事で摂り入れた栄養素を消化吸収して得たエネルギーを使って生命活動を営みます。その際に酸素を利用するのですが、同時に活性酸素と呼ばれる物質が一緒に生じてしまいます。
活性酸素とは
活性酸素とは、呼吸で取り込まれた酸素の一部が通常よりも活性化された状態になった状態です。その量は取り入れた酸素の数パーセントほどのようです。この活性酸素は厄介なことに、量が過剰になると細胞に傷害をもたらします。さらには酸化ストレスによる老化やがん、生活習慣病が発症するうえでの関連なども指摘されています。この辺りがアンチエイジングに深く関わっている部分のようですね。
ただ、活性酸素は悪い働きばかりではありません。白血球もその活動の中で活性酸素を作り出しますが、これは体内の免疫機能であったり感染防御であったりと、重要な役割の担い手ます。でもあるんです。その他にも細胞間のシグナル伝達、細胞の分化・アポトーシスなどの生理活性物質という側面も持ち合わせているんです。
そんな活性酸素ですが、加齢とともに増えるとされています。そして年齢だけではなくてその他にも、ストレスや食品添加物、多量飲酒、タバコ、運動(とくに激しい運動)、紫外線といったものも活性酸素が増える原因とされています。
アンチエイジング
活性酸素の悪い(?)働きを詳しく見ていくと、私たちの体の細胞を傷つけて被害をもたらしています。どんな被害かというとシミやシワといった表面の部分に対してであったり、生活習慣病の原因(例えば糖尿病や脂質異常症、動脈硬化、がんなど)になったりします。
ということは、体内の活性酸素を除去していけば老化や生活習慣病などを予防出来るんじゃないかということになりますよね。
抗酸化作用とは
活性酸素によって体への悪影響(錆びつかせないこと)を抑えることを抗酸化と表現します。そして活性酸素から体を守ることを抗酸化作用と呼びます。
活性酸素は体内の酵素によって分解されます。とはいっても限度があるらしく、活性酸素の量が多いと分解が間に合わず、体がダメージを受けてしまいます。活性酸素の働きを抑えるものとして、酵素だけでなく抗酸化物質も体を守ってくれる役割を担ってくれます。
抗酸化物質
抗酸化物質とは「酸化されやすい物質」のことです。ちょっと意外に感じるかもしれませんが、活性酸素の働きで私たちの体が酸化されるよりも先に、抗酸化物質の方が酸化してくれるんです。抗酸化物質自身が先に酸化されることによって、体を酸化から防いでくれるんです。そのおかげで私たちの細胞は無傷でいられるんです。